司法書士

合格する勉強法

司法書士試験 合格する勉強法

司法書士試験合格には、時間だけでなく、「正しい方法」が必要でした。「方法×時間=勉強量」と考えて下さい。じゃあ「正しい方法」って何でしょうか?私は、大きく3つの要素があると思います。
①正しい勉強範囲
②正しい勉強計画
③正しい受験準備
順に説明しましょう。

①正しい勉強範囲

司法書士試験の受験科目は11科目あります。手を広げようと思えば、どこまででも広げることができます。声を大にしていいます!とにかく手を広げないで下さい!手を広げれば広げるほど合格に時間がかかってしまいます。
じゃあ手を広げないためにはどうしたらいいのか?『過去問』の範囲を越える勉強はしないことです。 過去問は解くためだけのものではありません。過去問は、司法書士試験を作成する試験委員の先生からの「合格者にはこれは知っておいてほしい」というメッセージです。逆に言えば、過去問から大きく逸脱するものは勉強する必要はないのです。過去問は、11科目の膨大な勉強範囲をギュッと絞ってくれる皆さんの強い味方であると思って下さい。
じゃあ、過去問を使って、勉強範囲を絞ろう!といってもなかなか一人でできる作業ではありません。平成からの過去問だけでも30年以上あるからです。それこそそんなことをしていたらいつまでたっても合格できません。
でも大丈夫です。世の中には、過去問を使って、勉強範囲を絞った教材が存在します。それが『テキスト』です。この『テキスト』を使って、勉強することで、勉強範囲の問題はおおむね解決します。注意点は『テキスト』の選び方です。
まず、『テキスト』は過去問から大きく逸脱してはいけません。逸脱したら、本末転倒ですから。次に、過去問をカバーできないようなものもダメです。試験委員の要求に応えることができないからです。ちょうどいいものを選びましょう!(テキストの選び方は、後ほどお話します。)

②正しい勉強計画

●初学者の方
皆さんは、1日にどの科目をどれだけ勉強するか事前に決めて勉強していますか? 司法書士試験は11科目もあります。何も考えずに勉強をしていると、「民法はもう2ヶ月ほったらかし」ということになってしまいます。2ヶ月も放置したら、せっかく覚えたことも忘れてしまいます(涙)
というわけで、勉強計画はめちゃくちゃ大事です。講師ならみんなそういうと思います。だから、皆さん勉強計画が大事なのは知ってます。
しかし、私の経験上、残念ながら、司法書士受験生は、計画下手な方がとても多い印象です。 それもそのはず。予備校には「計画の立て方」という授業は存在しないからです。 だから、「計画の立て方」を毎年しつこくお話してます。最新版は以下の動画です。計画に自信のない方は一度ご覧ください。

●学習経験者の方
次の質問に答えて下さい。
ア あなたが考える合格に足らなかったところは何ですか?
イ 「ア」をどのように改善する予定ですか?
ウ 今やっている勉強が、何のためなのか、答えられますか?

ア あなたが考える合格に足らなかったところは何ですか?
まずアです。例えば、「不動産登記法が苦手です。」と回答した方。不十分です。 「不動産登記法の区分建物と仮登記が苦手です。」と回答した方。OKです。 不動産登記法が苦手というのも正解なんでしょう。しかし、不動産登記法のどこなのかわかっていないと改善の仕様がありません。
ちょっと考えてみましょう。 あなたは怪我をしています。整形外科に行くことにしました。病院に行った時、あなたはお医者さんにどのように説明しますか?
「どこか痛い。」ではお医者さんは困ってしまいます。
「腕が痛い。」でもお医者さんは困って「どこがどう痛いの?」と聞いてきます。
「腕が痛い。曲げると肘の上、この部分が痛い。」で初めて正確な治療ができます。

そうなんです。苦手分野を克服したければ、どこがどう苦手なのか、具体的に把握しなければならないのです。
私が講師をしていて思うのは、どこがどう苦手なのか把握している受験生が非常に少ないということ。 学習経験者の方は、本試験を受験して、何かが足らなくて、今勉強を続けていらっしゃいます。にもかかわらず、その足りなかった何かがわからずに勉強を続けても、残念ながら同じ結果になってしまう可能性が高いです。
まずは何が足らなかったかをしっかりと知りましょう。それを知るために必要なのが試験を受けた後の、本試験分析です。 この本試験分析はとても大変です。でもものすごく大事なので、私も例年分析動画をアップしています。
動画も参考にして頂き、「何ができて、何ができていないのか」をしっかりと確認しましょう。 本試験分析動画はこちら

イ 「ア」をどのように改善する予定ですか?
次にイです。アの続きで不動産登記法の区分建物と仮登記が苦手だとしましょう。
「該当範囲のテキストと過去問をやり直します」と回答した方。不十分です。「昨年この分野の中でも特に●条と●条と●●という論点については、理解できないまま過去問を解いただけだったので、まずテキストを読み、理解できているかを過去問でチェックします。
その際、テキストは昨年買ったものを使います。分析した結果、テキスト記載の内容で本試験も正解できていたからです。
なお、それでも理解できていないと分かれば、予備校の講義を聴いてみることも検討します。」はOKです。 これもあるあるなんですが、「手持ちのテキストをやり直します」という回答がめちゃめちゃ多いんです。
「ちょっと待って。そのテキストで本試験解けなかったんだよね?」といつも思ってしまいます。まずはっきりさせるべきは、間違えたのは「テキスト」のせいなのかどうか。一口に「テキスト」と言っても、いろんなものがありますから。
そもそもテキストの記載では本試験に太刀打ちできないのであれば、テキストを変える必要があります。テキストには書いてあって、残念ながら、あなたの勉強が不十分だったのであれば、テキストを変える必要はありません。
あと出来る限り、苦手分野はピンポイントに絞ること。正しくは絞れるくらいに分析している状態にあることですね。絞れば絞るだけ、必要最小限の勉強で最大の効果を出すことができます。社会人で可処分時間が少ない方ほど、この「絞る」作業は大事です。勉強時間が限られているからです。
ちなみに、「時間がない」というご相談も非常に多いのですが、私はこの「時間がない」という表現はあまり好きではありません。主語が「時間」だからです。勉強するのは「あなた」ですから、まず「あなた」が主語になるべきです。
もちろん、相談頂く皆さん、勉強できる時間は、本当に少ないのだと思います。気持ちもとってもよくわかります。
しかし、それを嘆いても時間は増えませんし、試験にも合格しません。第一に、本当に勉強時間を増やせないのか。第二に勉強時間を増やせないとしたら、どうしたらいいのか。例えば、可処分時間が少ないのに、可処分時間が多い人向きの勉強をしようとして苦しんでいないか。この辺りを順番に考えましょう。

ウ 今やっている勉強が、何のためなのか、答えられますか?
最後にウです。ア・イを意識されている方は、当然答えられると思いますが、そうでないとしても、答えられない方が非常に多いのです。 皆さん、受験勉強って何だと思いますか?
私は、「自分のできないところを試験当日までに一つでも多く出来るようにすること」だと思います。 「自分のできないところ」が前述のアですよね。 「出来るようにすること」が前述のイですよね。
結局、先の質問ア・イに答えられない方は受験勉強ができていないということです。勉強はしているけれども合格できないという方は、このタイプが多いのではないでしょうか。
「今日は民法総則のテキストを50ページ読みました!」は初学者には許されても、学習経験者には許されません。そこに目的意識がないからです。民法総則のテキスト読み込みがあなたにとって必要か考えた末の行動なのか?それとも勉強を再開したから、また民法を頭からやり直しただけなのか?ここが大きな分岐点です。 厳しいことを言いますが、目的意識のない勉強はただの趣味です。「今やっている勉強が何のための勉強なのか」これを常に意識して、「受験勉強」を徹底して行いましょう。それが合格の近道です。
ちょっと長くなりましたが、以上の視点を持って、やるべきこと、やらないことを決めて、可処分時間に合わせた学習計画を立てて下さい。

③正しい受験準備

正しい勉強範囲を、正しい勉強計画で行えば、それだけで合格する可能性も十分ありますが、更に一歩進めましょう。正しい受験準備をしましょう。 司法書士試験は年に1回。一発勝負の試験です。中でも午後の部は時間的な制約が非常に厳しい試験です。「時間が足りなかった・・・」というケースがとても多いです。 気持ちはとてもよく分かります。長文と沢山の添付資料。緊張の中、読み解くのは大変です。家でゆっくり解いたら解けたなんてケースは往々にしてあります。 でも、厳しいことを言うようですが「時間が足りなかった」のではありません。 「時間の制約が厳しい試験だって、わかってたのに、時間内に解き切る準備が足りていなかった」のです。 結局、受験経験者が次年度以降リベンジできるかどうかはこういうところの意識の問題だと思います。「時間が足りなかった」はどこか言葉として他人行儀です。主語は「時間」ではありません。「あなた」です。あなたが時間内に解き切れなかった原因をしっかりと追究しましょう。 時間内に解き切れなかった理由は、人それぞれだと思います。択一式を解くスピードが遅いのか、記述式の問題を読むスピードが遅いのか、等々。分析したら、沢山訓練しましょう。 時間の使い方に悩む人は答練・模試を受講されることをお勧めします。出来れば、通学して会場で、もしくは通信でもオンライン同時受験とかできる限り臨場感を持ってやってください。 答練・模試でできないことが本試験だけ出来る可能性は低いです。答練・模試から本番だと思って、自分を律してチャレンジしましょう。そういう小さな積み重ねがあなたを合格へ導いてくれるはずですから。

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