司法試験CBT体験版を使ってみた!
2026年以降の司法試験・予備試験の受験者は必見!
公開:2025.5.5

司法試験・予備試験は、2026年(令和8年)からCBTが導入されます。
2025年5月1日現在、法務省においてCBTの体験版が公開されており、ご自身でダウンロードをして使用感を試す事ができるようになっています。
( ⇒ 法務省CBT体験版ページはこちらから)
今回は、辰已法律研究所の専任講師である西口竜司弁護士が、実際にこのCBTの体験版を操作し体感されましたので、使用感をレポートしていきます。
率直な感想としては、CBTに対抗するには「慣れが必要」の一言に尽きます。
操作感はもとより、何と言っても画面サイズです。
法務省では、司法試験・予備試験のCBTではノートパソコン(16インチ以上)を用意すると発表しています。
16インチ以上のサイズは、ノートパソコンでは大きいですが、特に論文式試験において、小さな画面の中に問題・条文・解答用紙などが全て表示されます。
これは実際に体感すると分かりますが、受験者としては大きなストレスになることでしょう。
そんな中で操作にまでまごついてしまうと、本来の自分の実力を出し切ることは到底できません。
超難関試験の司法試験、予備試験において、解答する、論文答案を書き切ること以外の煩わしさに足を引っ張られたくないのは、多くの受験生の本音ではないでしょうか。
ではどうしたらいいのか。
現段階でCBTが進められているのは現実問題ですので、この決定に合わせた対策が急務です。
少しでも試験問題に集中して取り組めるよう、早い段階からCBTについて慣れておくことを強くおすすめします。
まずは今回のレポートで、司法試験、予備試験のCBTについて、まずはイメージを固めてみてください。
また西口講師が実際にCBTの体験版を操作しているYouTube動画も公開しています。
ぜひ、参考にしてみてください!
司法試験CBT体験版を、動画でチェック!
【見逃し厳禁】 視聴の価値あり!
CBT体験版、西口講師が使ってみた!
辰已法律研究所 専任講師の西口竜司弁護士が、実際に司法試験、予備試験のCBTの体験版を使ってみました!
実際の操作状況や、使用感をレポートしています。
この動画でCBTのイメージを掴んでみましょう。
司法試験、予備試験のCBTとは?
本題に入る前に、簡単におさらいをしておきます。
2026年(令和8年)から、司法試験と予備試験でCBTが本試験で導入されます。
そもそもCBT(Computer Based Testing)とは、デジタル化推進の一環で、司法試験と予備試験においてパソコンで答案を作成し、その答案データを採点するという仕組みです。
2026年(令和8年)については、
- 司法試験は短答式試験、論文式試験、共にCBT
- 予備試験は論文式試験のみCBT
となっていますので、それぞれ準備が必要になります。
⇒ 法務省 司法試験及び司法試験予備試験のデジタル化について
では、何の準備が必要なのでしょうか。
司法試験、予備試験の短答(司法のみ)と論文対策は言うまでもありませんが、CBT対策として少なくとも以下の心づもりが重要です。
- 操作を円滑に行えるようになる(操作に慣れる)
- 画面サイズに慣れる
- タイピング(文字の入力)に慣れる
極論、短答に関しては正解をクリックで選択するので、まだ対応はしやすいでしょう。
問題は論文です。
今まで机上の紙で行っていたことを狭い画面の中で、試験本番の時間に追われ緊張の中、操作しなくてはいけません。
メモや答案構成など、全てパソコンの画面の中での作業です。
さすがに試験本番でいきなりは、無謀です。
今回のこのレポートを通じ、まずはCBTの雰囲気を確認していきましょう。
実際に司法試験CBT体験版を使ってみた!
まず辰已法律研究所の専任講師である西口竜司弁護士が、司法試験のCBT体験版をダウンロードし、実際に短答と論文両方につき操作してみました。
機能の紹介と、こう使ったらいいのでは?と実演しています。
じっくり見てみたい方は、是非YouTubeをチェックしてみてください!
司法試験CBT体験版 短答画面について
では、さっそく短答のCBT(体験版)の画面を見ていきましょう。
下記の画像はCBT(体験版)の短答の画面です。
初見でパット見た感じ、どう感じられましたか。
短答については、画面サイズに慣れさえすれば、操作自体はそう複雑な構成ではなさそうですね。
見たら何となくでもイメージしやすいのではないでしょうか。
①は短答の問題
②は解答の選択肢と解答ボタン
③は②で解答した情報が表示される解答一覧
④は各種操作画面(ペン、マーカー、拡大縮小、入力方法、メモなど)
②で解答を選んだら、右側の③の解答一覧に反映されます。
これだけ見ると、司法試験のCBT(体験版)の短答に関して、操作は問題なさそうに感じます。
ですが、この司法試験のCBT(体験版)のシステムにおいて、実は短答を解くのに少々困ったことが考えられます。
ではこの司法試験のCBT(体験版)の短答で、困ることとは何でしょうか。
ご自身が今まで短答をどのように解答していたか、思い浮かべてみてください。
司法試験や予備試験の短答を解く際には消去法を使ったりしますよね。
この②の解答の選択肢の部分は、解答を選ぶのみで書き込みができません。
では消去法などの書き込みは、どうしたらいいのでしょうか。
方法としては、①の短答の問題部分にペンやマーカーを使って、〇、△、×など単純なチェックをしていくことが、現実的です。
時間をムダにしないためにも、早いうちからCBTに対する自分なりの方針を決めておくことが重要だと分かります。
短答の最後に、もう1つ機能をお伝えしておきます。
短答の画面の下部に表示される「後で見直す」ボタンです。
解答があやふやで後で解き直したい場合など、こちらにチェックを入れておくと、③の解答一覧の該当問題の箇所にチェックが付きます。
最後まで解答し終えた後に、この見直しのチェック部分の問題Noをクリックすれば、その問題に戻ることができます。
これはデジタルならではで、便利な機能になりますね。
使えるものは使い、ムダな作業をしないように、操作に慣れておくことは、今後の短答突破に置いて重要なエウィトを占めると考えられます。
司法試験CBT体験版 論文画面について
では、今度は論文のCBT(体験版)の画面を見ていきましょう。
2026年(令和8年)からは、司法試験と予備試験の論文式試験でCBTの実施がアナウンスされています。
論文の場合は今まで手書きで答案構成や答案作成をしていたところ、全てデジタル、パソコン上での作業になります。
そのため短答よりも論文の方がよりCBTの影響を受けやすいので、早期からしっかりと慣れておく必要があります。
下記の画像はCBT(体験版)の論文の画面です。
画面上で上記画像のように並んでいます。
①は論文の問題
②は条文
③は答案用紙
④(上部と左側部分)は各種操作画面(ペン、マーカー、拡大縮小、入力方法、メモ、構成用紙など)
これら全ての内容を、画面サイズ16インチ(以上)ほどのパソコンの画面上で操作しなくてはなりません。
画面サイズが対角線で40.6cm以上ですが、あくまで対角線上の長さです。
結構大きく感じますが実際に論文試験のあらゆる作業をするとなると、作業範囲が狭く、かなり不便に感じます。
④の操作ボタンでレイアウトを変更できますが、画面内という制約はかなり負担となることは言うまでもありません。
では、このCBT(体験版)の論文用画面を見て、論文式試験を受験するにあたり、何か思ったことはありませんか。
多くの受験生が真っ先に思い浮かべるのは、構成用紙の扱いについてではないでしょうか。
当然CBTでは答案構成もパソコンの画面内で行うようになります。
構成用紙は上部の①「答案構成」をクリックすると、②の専用の構成用紙画面を表示させることができます。
この構成用紙をどう使っていくか悩ましいところです。
構成用紙の画面内に、ペンやマーカー機能もありますが、一番現実的な方法は、③の付箋でテキスト(文字)入力をして使用することでしょうか。
文字を入力することはさほど難しく感じなくても、パソコンで論文答案構成をする自分なりのやり方を、前もって確立しておくことがおすすめです。
ちなみに、コピー機能がありますが、問題はコピーできません。
コピーできるのは、条文と答案用紙の中身になりますので注意しましょう。
次に、問題、法文(条文)、答案用紙の画面切り替えについてです。
下記の画像をご覧ください。
「問題」ボタンをクリックすると、画面から問題が消えました。
ボタンが白くなっているものは非表示(消えている)状態ということになります。
同じく隣の「法文(条文)」をクリックすると、ボタンが白くなり、法文(条文)も画面から消えました。
この辺りを使いながら、自分で答案作成をしやすい環境を整えていくようになります。
一旦問題、法文(条文)を元に戻します(問題と法文のボタンをクリックすれば戻ります。ボタンに色が付いたら表示状態です)
では隣の「入替え」ボタンをクリックしてみます。
問題、法文(条文)、解答用紙が、入れ替えボタンをクリックするごとに、時計回りで位置が入れ替わります。
ここまでで、司法試験と予備試験のCBT(体験版)での、簡単な操作方法や、問題等の配置状態を大枠、確認できました。
では、ここから実際にどのように論文答案を作成していけば良いのでしょうか。
司法試験と予備試験のCBTにおける論文答案の作成方法について
司法試験と予備試験の論文式試験でCBTにどう対応していくかは大きな問題になります。
その中でも、CBTの論文式試験で最も悩まされるのは、答案構成についてとなるでしょう。
現状CBTでの論文答案構成で考えられる方法としては、
- 構成用紙を表示させて答案構成をする
- 答案用紙に直に書いていく
のどちらかになるでしょう。
ただ構成用紙は逐一表示させながら使用することになるので、使い勝手は非常に悪いと感じます。
問題と構成用紙を並べても見にくいですし、構成用紙を閉じたり開いたり、時間がもったいないです。
文字を入力するにも、いちいち付箋機能を使って書いていくことになります。
正直使い勝手としては、微妙でいて不便です。
そう考えると、答案用紙に直に答案構成をしながら答案を書いていくのが、時間をムダにしない方法になります。
そうなると論文の答案作成のやり方を、今までと変えなくてはならない部分が出てきます。
入力も含めて、どう論文答案を書いていけばいいのか。
これは非常に受験生としては不安要素となります。
まず現在言えることは、とにかくCBTの形式に慣れることです。
どれだけCBTの方式に慣れているか、慣れられるか、これが勝負を大きく左右してくると考えられます。
時間との勝負でもある司法試験、予備試験に合格するためには、早い段階でCBTの形式で論文を作成し慣れていくことがかなり重要です。
辰已のCBT対策について
今回、司法試験CBT(体験版)を実際に辰已法律研究所 専任講師の西口竜司弁護士に体験していただきました。
特に論文式試験については、司法試験と予備試験受験生が対象になります。
実際に操作してみて論文では、今まで机上で行っていた答案構成が思うようにできないことが想定されます。
そのため、早い段階からCBTに即した論文答案作成方法に慣れておきましょう。
- CBT画面の操作性に慣れる
- 画面のサイズ感に慣れる
- テキスト(文字)入力に慣れる
- 論文答案の作成方法に慣れる
今回の司法試験CBT(体験版)を使用してみたところ、最低でも上記のようなチェックポイントが出ています。
これは多くの受験生も想定している問題でしょう。
実際に司法試験CBT(体験版)を操作してみて、それをどう攻略していくかが、分岐点となることに間違いはありません。
特にCBT元年の2026(令和8)年の司法試験、予備試験では、CBT対策が不十分のため混乱が予想されます。
逆に言えば、転換期こそチャンスなのです。
早めにCBT対策をしておくことで、皆が不慣れの中、自分は落ち着いて受験できる、そんな環境を確実に作っている人ほどアドバンテージを取れます。
また勉強方法については、2026(令和8)年以降、司法試験、予備試験を受験される方は、今後論文対策にはパソコンを使用した勉強が主流となるでしょう。
パソコンに問題文を読み込んで、パソコン上で入力しながら論文答案を作成する、このような形です。
このようにパソコン上での操作に慣れていくことは非常に重要になっていきます。
逆に、私はパソコンに慣れているから大丈夫!この大丈夫の落とし穴にも注意しましょう。
実際問題、パソコンの操作に慣れている方でも、慣れ親しんだパソコンから他のパソコンを使うだけで、操作がもたつくことが大いにあります。
- 画面が見ずらい
- キーボードが打ちにくく、早く打てず誤入力してしまう
- コピー&ペーストや文字変換がうまくいかない
特に画面サイズの違いやキーボードの違いは、自分のパソコンに慣れている人ほど、使いにくさを顕著に感じストレスを受けやすいと考えられます。
いつもの慣れた感覚と異なるために、普段できているスピードで入力できない、ミスタッチが多くなる。
普段できていることが出来ないというのは、大きなストレスです。
キーボード1つ取っても、いつもと違うタッチ(キーが低い、タッチが軽い、重いなど)、キーの間隔が違う、これだけでかなり入力しにくく感じ、疲れてしまいます。
これらを乗り切るために、辰已法律研究所では、より本試験に近いCBTシステムを導入し、CBTを見越した論文の答案練習会を実施いたします。
どうやったら早く答案を書き切るようになれるか、辰已のNEW答案練習会を通して、自分のやり方を1日でも早く確立して、合格を掴み取っていきましょう。
CBTの情報やCBT対応の各種講座のご案内は、今後随時ご案内していきます。
新制度に1日も早く慣れ、1人でも多く夢を実現できるよう、共に戦っていきませんか。