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予備試験論文式試験の勉強のコツ!正しい勉強が合格への近道

公開:2024.07.25

予備試験は,短答式試験,論文式試験,口述試験から成る,司法試験受験資格を得るための試験です。

合格率が低く難関試験の1つというのは間違いありません。

ではこの難関試験の予備試験に合格するためには,どうしたらいいのでしょうか?

 

1番の近道は,正しい勉強方法で試験勉強に取り組むということです。

 

試験範囲が広い予備試験に対して,対策を取らずに闇雲に取り組むのは時間を消費するだけです。

特に論文式試験に対しては,多くの予備試験受験生が勉強時間の大半をつぎ込んで勉強しています。

これは短答式試験と異なり,法律知識だけでなく,論文を書くための書き方,テクニックが合否に大きく影響しているからです。

とはいえ予備試験の論文式試験では,各科目平均的な答案が書けていれば合格できる,ともいわれています。

今回はそんな予備試験の論文式試験の勉強方法に絞り,合格に近づくための効率的な勉強のコツを解説していきます。

予備試験論文式試験の勉強の目安

予備試験論文式試験では,法律基本科目7科目+法律実務基礎科目2科目+選択科目の,計10科目が出題されます。

予備試験論文式試験の試験時間と点数配分は,以下です。

科目試験時間配点合計点
憲法140分各50点500点
行政法
民法210分
商法
民事訴訟法
刑法140分
刑事訴訟法
法律実務基礎 民事180分
法律実務基礎 刑事
選択科目※70分

※選択科目は,倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際公法・国際私法の中から1科目選び受験。

 

まず,よく比較されるのは司法試験と予備試験の論文式試験の違いですが,この2試験では試験科目も時間も解答の分量も異なります。

■司法試験の論文式試験
・各科目120分
・A4用紙 8枚以内の論述

■予備試験の論文式試験
・各科目70分程度
・A4用紙 4枚以内の論述

 

このように予備試験論文式試験の方が,司法試験の論文式試験よりも,問題文も答案もコンパクトです。

ですがその分,試験時間も短くなるため,途中答案にならないよう訓練を積んでおく必要があります

 

また予備試験論文式試験に合格するためには,論文式試験の合格点を突破しなくてななりません。

予備試験は相対試験なので毎年合格点は変動しますが,直近では合計点230点~240点台で推移しています。

年々予備試験論文式試験の合格点は上昇傾向にあるので,最低でも250点以上は目指したいところです。

例えば各科目で平均程度の答案が書けていたとしましょう。

各配点50点中25点の計算になり,10科目ありますから合計がちょうど250点獲得できたことになります。

ギリギリのラインではありますが,単純な計算上では,各科目平均的な答案が書ければ論文式試験の合格に近い点数を獲得することができます

すなわち,相当難易度が高いと思われがちな予備試験も,各科目で平均程度の論文答案を揃えることができれば合格することができるということです。

 

そのためには、

・どの科目も平均程度の論文答案が書けるようになる
・時間内に論文答案を書きあげることができるようになる

このことが予備試験論文式試験を合格するための,絶対条件になります。

まずは平均程度の論文答案がコンスタントに書けるように,答案の書き方を身に付けていくことが合格への近道でもあります。

予備試験論文式試験の勉強は、対象を絞ってとにかく反復学習

予備試験最終合格のためには,論文式試験で全科目平均的な答案を揃えれば合格ラインに届くことができます。

まずは平均的な答案を書くために,「他の受験生が書けるところを確実に書けるようになる」ことが何より重要です。

飛びぬけた答案を書く必要はありません。

他の受験生が知らないような知識や最新判例を追うのではなく,受験生なら誰でも知っている,いわゆるAランクの論点を確実に抑えておくことが最重要課題です。

※ちなみにAランクとは,法律初心者がまず学習すべき論点で,試験にも頻出の超重要事項のことです。

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これらを踏まえて,予備試験の論文式試験の勉強方針としては,

・Aランクの論点は確実に抑え,穴を作らない
・現場で安定して答案が書けるようになる
・未知の論点やマイナー論点が仮に出たとしても,無難にまとめきる答案の書き方をマスターしておく

になります。

この方針に沿って勉強するには,

・論文答案の書き方を学ぶ
・反復して論文答案を書き,自分のものになるまで落とし込む

が予備試験論文式試験の対策になります。

予備試験論文式試験に必要な知識は、Aランク論点を中心に確認

予備試験短答式試験の勉強で,合格ラインオーバーの点数が取れているのであれば,インプット(法律基礎知識)が足りないということは一先ず心配不要といえます。

ではここから先,予備試験の論文式試験の対策として,何を勉強したらいいのでしょうか?

・論文答案の書き方を学ぶ
・(予備校に通っていたら)予備校で出題された問題を解く
・予備試験の論文式試験の過去問を解く
・短文事例問題を解く

まずは論文答案の書き方をマスターしましょう。

 

論文答案の書き方が曖昧であれば,平均的な答案すら書くことが難しく,実際の予備試験論文式試験で点数を稼ぐことができません。

また答案をどう書けばいいのか,構成の段階で必要以上に時間を消費してしまいます。

論文答案の書き方が曖昧であれば,試験において確実にマイナス要因となります。

まずは確実に書けなくてはならないAランク論点について論文答案の書き方を勉強しつつ,予備試験論文式試験の過去問など問題を解きながら,論証が出てこなかったところや,答案にアウトプットできなかったところを,インプット教材に立ち返って知識を確認しましょう。

予備試験論文式試験で聞かれる知識は,予備試験短答式試験で聞かれる知識ほど広くありません。

他の予備試験受験生が確実に点数を取りに来る,Aランク論点の精度をあげていくよう学習を進めましょう。

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予備試験論文式試験では、答案の書き方(型)が合否を左右する

司法試験・予備試験で書く論文答案は,法律家にとっての共通言語ともいえる法的三段論法に則って論理を展開していく必要があります。

法的三段論法とは,大前提(条文や法解釈)に小前提(事実認定)をあてはめて本件事案の結論を導くというものです。

初学者のうちは,問題文の中から論点を探し出そうとして,自分の知っていることを書きたくなってしまいがちです(いわゆる“論点主義”)。

しかし,実際の予備試験の論文答案では,問題となる条文の文言を的確に指摘し,文言に紐づけて解釈する限度で“論点”について論じることが求められているだけです。

このような論文答案に書くべきこと,“答案の型”を身に付けておくことは,安定した答案を書く上でも,また未知の論点に対応した無難な答案を書く上でも重要です。

ではこの“答案の型”は,どのように勉強したらいいのでしょうか?

 

“答案の型”は,予備試験合格者の再現答案を読んだり,実際に答案を書いたりすることで身に付けることができます。

また,さらに効果的なのは添削を受けることです。

他者から指摘を受けることで,自分では気が付かなかった部分や間違い,クセなど,独学では学びきれていない弱点を知ることができます。

これら論文答案を書く上での弱点は,早期に矯正した方が後々自身が楽なので,学習の早い段階から答案の書き方の勉強や添削を取り入れるのがおすすめです。

予備校の添削付きの講座や,模試を受ける等して,是非添削を受ける機会を設けてみてください。

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予備試験論文式試験の過去問を解こう

一通りのインプットと“答案の型”を身に付けられたら,多少実力不足だと感じていても,予備試験論文式試験の過去問を解いていきましょう。

予備試験では,同じような論点が繰り返し出題されている科目もあります。

過去問で問われたことのある問題が再び出題された場合,その論点の知識の精度が低いままだと,予備試験の相対評価で書き負けます。

予備試験の試験科目は10科目もあり,その範囲は膨大に思えますが,過去問を中心に据えて学習することで,繰り返し出題されるような重要論点についてメリハリをつけた学習が可能になります

過去問をうまく活用し,他の受験生に書き負けることがないよう準備しておくことが重要です。

司法試験論文式試験の過去問は解くべき?

司法試験の論文式試験の過去問はやっておいた方がいいですか?

これは予備試験受験生からよく聞かれる質問です。

 

司法試験論文式試験の過去問の中には良問が多いので,学習の過程で解く機会があれば実力向上に一役買ってくれることもあります。

ですが司法試験と予備試験の論文式試験の問題とでは,問題文の長さも,答案の枚数も,試験時間も異なります。

時間に限りのある受験勉強期間に,絶対に解かなければならないという性質のものでもありません。

予備試験論文式試験の過去問の演習だけでも,合格する実力を身につけることは十分可能です。

無理に手を広げ過ぎず,むしろ予備試験論文式試験の過去問を何度も解いて,予備試験の論文式試験に対応すべく復習する方がおすすめです。

令和4年予備試験から、論文式試験に選択科目が追加!

令和4年予備試験から,論文式試験での一般教養科目が廃止され,選択科目が追加されました。

受験生自身が以下の科目の中から選び受験します。

・倒産法
・租税法
・経済法
・知的財産法
・労働法
・環境法
・国際公法
・国際私法

一般教養科目に向けた対策は費用対効果が低いため対策に時間を割く受験生は少なかったのですが,選択科目はその後の司法試験対策にも繋がるため,多くの受験生が対策をしてきています。

そこで,選択科目ごとの特性を知り,自分に合った選択科目を選ぶことで予備試験合格を手繰り寄せましょう!

※予備試験論文式試験で選択科目が追加されましたが,実施年度が少ないため各選択科目の出題傾向が未だ不透明です。
 そのため今回は,参考までに司法試験の出題傾向や各選択科目の特性から見える情報を掲載しています。

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※各講座それぞれで受講申し込みもできます。

・選択科目ごとの特性を活かした論文答案の型を学ぶ
・選択科目論文式答案を書き切る力を付ける

論文式試験は選択科目からスタート。
選択科目の論文答案を書き切って、以後の試験に弾みをつける!

▶ 倒産法

倒産法は民事系科目との関連が強いので,以下のような方におすすめな科目です。

・民事系科目が得意
・民事系科目を得意にしたい

また,労働法と並んで実務で使用することが多いという特徴もあります。

倒産法は,以下の4法の総称です。
・破産法
・会社法上の特別精算
・民事再生法
・会社更生法

司法試験の倒産法で実際に出題されるのは,破産法と民事再生法からであり,判例や覚えるべき論証もそれほど多くはないので,暗記が苦手な方にも向いている科目といえます。

▶ 租税法

租税法は選択する人があまり多くはない科目です。

実務上も重要な法律なので,企業法務やインハウスに興味のある人にとっては,学習しがいのある科目といえます。

また,既に簿記や公認会計士・税理士の資格を持っている人はもちろん,これからダブルライセンスを目指そうとしている人にとってもおすすめの科目です。

▶ 経済法

司法試験経済法では,主に問題文中の事業者の事業活動が独占禁止法上の規制の対象となるかが問われます。

問われうる行為類型の数は少なく,覚えるべき定義や論証もかなり少ないので,暗記が苦手であっても取り組みやすい科目と言えます。

一方で試験では,あてはめを充実させて論文答案を書く必要があるので,判例や実務の考え方を理解した上で論文答案に表現できるだけの演習量は必要となります。

▶ 知的財産法

知的財産法は,特許法や意匠法,著作権法,商標法などを指しますが,実際に試験で問われるのは,特許法及び著作権法です。

特許法は発明を,著作権法は著作物に関する権利を保護する法律なので,将来,ビジネスロイヤーとして知財の分野に携わりたい人に特におすすめの科目です。

▶ 労働法

労働法は,最も選択者の多いメジャーな科目です。

社会人受験生はもちろん,アルバイト経験がある方にとっては,労働法の扱う分野は身近に感じやすいため,学習しやすい科目といえます。

また,実務上も重要な法分野です。

一方で労働法の出題範囲は,労働基準法・労働契約法などの個別的労働関係法から労働組合法などの集団的労使関係法にまで渡り,その範囲は広範なため,必要な勉強量・暗記量は他の選択科目と比べても多くなる傾向にあります。

▶ 環境法

環境法は国際公法に次いで選択者の少ない科目です。

民法の不法行為分野と行政法分野との関係が密接なため,これらの分野が得意な人やこれら分野を深めたい人におすすめの科目です。

司法試験環境法では環境10法と呼ばれる個別法が出題範囲となりますが,個別法の細かい知識が問われる試験内容ではないので,インプットの比重が特段大きいわけではありません。

▶ 国際公法

国際公法は,選択者が最も少ない科目です。

講座や教材の充実さの面での勉強のしにくさは否めませんが,国際公法に興味を持って勉強できる人にとっては上位を狙いやすい科目ともいえます。

また,司法試験国際公法では,過去に問われたことが繰り返し聞かれる傾向にあるため,過去問を中心に学習していれば,上位答案を書くことが可能です。

▶ 国際私法

国際私法は,私人間における国境を超えた紛争解決の場面で用いられる法律です。

将来的に外資系法律事務所に就職したいと考えている人や,国際的な取引に携わりたいと考えている人におすすめの科目です。

また,出題範囲も狭く,学習の絶対量が多い科目ではないので,可処分時間があまりとれないという人にとっても学習しやすい科目です。

予備試験論文式試験の対策は難しい!だからポイントを抑えた勉強で確実に取りに行く!

予備試験の論文式試験では短答式試験と異なり,重箱の隅をつつくような難解な問題はあまり出題されません。

それなのに予備試験の受験生の多くが,勉強時間の大半を論文式試験の勉強に時間を費やしています。

法律知識を使って解答するというベースは論文も短答も同じなのに,何故こんなにも対策時間に充てる時間が違うのでしょうか。

⇒ 予備試験短答式試験の勉強のコツも、公開中!論文式試験の勉強に時間が取られるからこそ、効率的な勉強が必須!

 

お気づきのように,出題形式,解答形式が全く別物だからです。

正誤判断で解答する短答式試験と,自身の知識や思考をフルに使い採点者に伝わる文章として解答する論文式試験とでは,難易度にかなりの差があります。

問われている内容や解答が頭の中で分かっていても,いざ文章として書く,まして採点者に伝わるように,時間内に整理して書くというのは,訓練をしていないと中々に難しいものです。

想像してみてください。

いきなり論文式試験の問題を目の前に出されて,以下の内容が決められた時間内に処理しきれますか?

予備試験の論文式試験は10科目もあります。

・時間内に書ききらなくてはならない
・焦りと緊張に打ち勝たなくてはならない
・問題に対し自身の知識や思考をフル活用しなくてはならない
・採点者に伝わる答案を書かなくてはならない
・綺麗な字で書かなくてはならない(読めなくて点数が入らないことがあるので注意※)

※CBT方式導入により,手書きからパソコン入力となった場合,文字の判別から文字の誤変換に注意が必要になってきます。
予備試験、司法試験へのCBT方式導入に伴う対応について の記事をご参照ください。

予備試験論文式試験では,1つの科目に対して少なくとも上記のように一度に処理する内容が多く存在します。

つまり法曹になるための知識や思考力,それを用いた処理能力が問われているのです

これは一朝一夕にできるものではありません。

そのため予備試験受験生は多くの時間を,論文式試験対策に使っています。

 

試験範囲も広く勉強することも多い予備試験です。

完璧な論文答案を書く必要はありません。

平均的な論文答案を書ければ,合格に近づきます。

時間のない受験勉強期間,より効率的にそして効果的に勉強できるかが合否のカギを握ります。

・答案の書き方(型)を身に付ける
・時間内に書き切る訓練をする
・他の受験生が確実に点を取りに来るAランク論点を確実にモノにする
・問題に対してどう解答するのか思考力を鍛える
・とにかく反復学習!

これらポイントを抑えつつ予備試験合格を確実にすべく,勉強を進めていきましょう。

辰已法律研究所は、創業50年以上続く,法律資格試験予備校です。

その間多くの司法試験,予備試験の受験生と共に歩んでまいりました。

多くの悩みをお聞きし,合格を共に喜び,また受験勉強に対する多くのノウハウも培ってきました。

予備試験を目指すにあたり、どのような勉強をしたらいいか分からない、今の自分にどんな勉強が必要かわからない、予備試験,司法試験を目指す悩める方へ、辰已法律研究所はいつでも頑張る受験生を応援しつづけます。

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