予備試験短答式試験の勉強のコツ!正しい勉強が合格への近道
公開:2024.05.09
予備試験短答式試験の試験範囲は広範に渡ります。
そして予備試験受験生はこの短答式試験だけでなく,論文式試験の勉強も進めなくてはなりません。
正直なところいくら時間があっても足りない状況にあります。
そんな1分1秒無駄にできない中,いかに効率的に勉強を進めていくか,この正しい勉強方法を見つけていくのも予備試験合格のコツの1つです。
敵を知り,
・予備試験全体像
・出題形式
・出題傾向 など
そして己を知ることが,
・自身の学習深度
・苦手分野 など
予備試験に勝つ近道でもあります。
では,実際にどのように勉強をすれば良いと思いますか?
今回は予備試験の短答式試験の勉強に絞り,合格に近づくための効率的な勉強のコツを解説していきます。
予備試験短答式試験の法律基本科目の勉強の目安
予備試験短答式試験では,法律基本科目7科目+一般教養の計8科目が出題されます。
特に重要な法律基本科目の点数配分は,以下です。
科目 | 出題数 | 配点 | 合計点 |
憲法 | 12問 | 各30点 | 210点 |
行政法 | 12問 | ||
民法 | 15問 | ||
商法 | 15問 | ||
民事訴訟法 | 15問 | ||
刑法 | 13問 | ||
刑事訴訟法 | 13問 |
例年,予備試験短答式の合格点は160点前後で変動しています。
基本的には法律基本科目210点満点中,8割を取ることができれば,一般教養科目の点数をあてにしなくても,合格点に達することが可能です。
そのため法律基本科目で8割をとることを目標に勉強すべきといえます。
では短答式試験の法律基本科目で8割取るためには,何にポイントを置いて勉強をしたらいいのでしょうか?
予備試験の短答式試験では,次のような出題傾向が見られます。
・論文式試験でも問われるような,知識を使って解くことのできる問題
・短答式試験でしか問われないような,細かい条文知識等
実際の予備試験の短答式試験では,肢ごとに正誤を判断し,正解を導き出していきます。
例えば論文式試験で問われるような,知識を使って解くことのできる問題については,各科目の基本的な条文・判例知識がインプットできていれば,合格ラインに乗ることができます。
一方,短答式試験でしか問われないような問題は,論文式試験に向けた勉強の中では,通常見ない条文等からも出題されるため,別途,知識整理やインプットをする必要があります。
このように予備試験の短答式試験を迎え撃つだけの法律知識,条文・判例知識を蓄え,使いこなせるようになる対策が必要です。
一方,一般教養科目は論文式試験で出題されなくなり,出題範囲を勉強しようにも掴みどころがなく費用対効果が低すぎます。
そこで基本的に予備試験の短答式試験では,全ての勉強時間を法律基本科目の勉強に充てる戦略が考えられます。
一般教養科目については,過去問を1度眺めてみて自分ならどの問題を選択するか,解けそうかを確認しておく程度で,時間の省エネを図ると良いでしょう。
予備試験の短答式試験は,科目数が多いのでより効率的な対策が求められます。
予備試験短答式試験の勉強での過去問を回すことの重要性
予備試験の短答式試験では,基本的な条文知識や判例知識を問う問題が多く出題されます。
合格ラインに乗るために必要な重要知識については,過去の試験で既に何度も問われています。
そのため予備試験の短答式試験を突破するためには,とにかく1回でも多く過去問を回し,それら知識の定着を確実に図ることが重要です。
インプットが既に終わっている方も,そうでない方も,知識があやふやであっても,ぜひ早期に過去問に着手してみてください。
過去問の量が多いので早い時期に着手した方が良いというのもありますが,知識が固まってから,また勉強が終わってからやろうと思っても,教材を読んでいるだけでは知識はなかなか定着しません。
自身の苦手分野や勘違いしていた箇所を発見し,使える知識として定着させるには,アウトプットを同時に行なっていくことが重要だからです。
そして,間違えた問題については解説を読んだり,六法を開いたりと,その場でさらにインプットをしていけば,知識が少しずつ自分のものになっていきます。
まだインプット講座を受講中である等,勉強が一通り終わっていないという方は,ひとつのテーマが終わるごとに,その部分の予備試験の短答式試験の問題を解いてみることがおすすめです。
これは予備試験を短期合格している合格者が,実際に実践している方法です。
受け身でインプット講座を受講したり,基本書を読んだりしているだけでは,せっかく理解した目の前の知識もなかなか記憶しきれません。
アウトプットと並行することによって記憶の定着を図り,インプットの精度も上げることができます。
具体的な予備試験短答式試験の過去問の勉強方法
予備試験短答式試験の過去問の勉強方法として,
・体系別に解く方法
・年度別に解く方法
があります。
■体系別過去問の特徴
市販の短答問題集等を購入し前から順に解いていく方法です。
・同じ科目,同じ論点(テーマ)でまとまっている
・知識の整理がしやすい
・苦手分野の発見がしやすい
■年度別過去問の特徴
法務省のホームページから問題をダウンロードして使用するなど,予備試験本試験と同様の出題形式の問題を解く方法です。
・予備試験本試験の出題形式が分かる
・予備試験の試験(出題)感覚の練習になる
・時間を測って解けば,試験の時間配分の目安になる
・ランダムな出題による対応力を鍛えられる
体系別,年度別どちらの予備試験短答式試験の過去問を使うかは、ご自分の勉強方法にあった方を選ぶと良いでしょう。
ただ、予備試験の勉強を始めたばかりの、特に法律学習初学者の方は、どちらの過去問が良いか悩んでしまうかもしれません。
そんなときは、まず体系別に解ける予備試験短答式試験の過去問をおすすめします。
体系別の過去問は同じ科目、同じ論点がまとまって掲載されています。
それを何度も繰り返すことで,年度別の過去問よりも知識の整理や定着が図りやすく,知識の土台固めには最適です。
またその論点の出題傾向が把握しやすいので,何がどれだけ重要なのかが分かり,効率的な勉強を進めることができます。
そしてこの体系別の過去問をこなした後に,年度別の過去問を解いてみましょう。
年度別の過去問は、予備試験本試験問題と同じ並びで出題されています。
実際に年度別の過去問を解いてみると,体系別で解けていた問題でも解けない場合があります。
これは体系別の過去問が同じ論点をまとめて掲載しているので,ページを進めた流れで解答できた場合があるからです。
このように年度別の短答式試験の過去問を使うことで,試験に対応できる知識が身についているのか改めて確認することができます。
また短答式試験の超直前期は,当日と同じ時間割に沿って,年度別に予備試験の短答式試験の過去問を解いてみましょう。
時間感覚も身につき,自分が合格ラインに届いているかの最終確認も可能なので,最後の調整としておすすめです。
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予備試験短答式試験の過去問の高速回転のコツ
過去問を回すといっても,予備試験短答式試験では法律基本科目で7科目もあります。
最後の科目が終わる頃には,最初にやったことは忘れてしまっているのが大半です。
特に初めて予備試験の短答式試験の過去問を回すときは,想像以上に時間がかかります。
ですが,ここで焦って駆け足になってはいけません。
時間がかかりすぎている,前にやったことを忘れている,ということは気にせず,とにかく1問1問ていねいに解いていきましょう。
そして,ここで短答式試験の過去問を回すときのポイントです。
1周目を解くときには,
・理由も含めて正しく答えられたものには○
・正解はできたけれど理由は曖昧だったものや消去法で解いてしまったものには△
・間違えたものには×をつける など
このように2周目以降に解くべき問題数を,ていねいに絞っていく工夫をしてみてください。
予備試験短答式試験の過去問を解く前に,法律の基礎知識をインプットしていることで,すんなり正解できる問題もあったはずです。
その部分は知識の定着が良いとして、あやふやな部分や出来なかった部分に目を向けてみます(△や×の部分に注目する)。
2回目は△や×がついているもののみを回し,さらに3回目,4回目…と同じ工程を繰り返せば,自分が何度も間違える問題を重点的に復習することができます。
この工程を取れば、短答式試験の過去問を回す時間の短縮、高速で過去問を回すことが可能です。
そうすることで,苦手部分を効率的に潰すことができ,尚且つ全体の実力を底上げすることができます。
予備試験短答式試験は,範囲が広く根気のいる学習が必要です。
何度も何度も繰り返しインプットとアウトプットを行うことで,知識を長期記憶に定着させていきましょう。
ここで身に付けた知識は、予備試験の論文式試験でも十分に効果を発揮します。
そしてその後の司法試験合格,法律家として活躍するための土台となる基礎知識といっても過言ではありません。
条文の素読をしよう
予備試験の短答式試験では,下4法(行政法,商法,民事訴訟法,刑事訴訟法)の出題があります。
実は行政法であれば行政救済法,商法であれば商法総則・手形小切手法といった,単純な条文知識が問われているだけの出題も多いです。
また,民事訴訟法・刑事訴訟法といった手続法の条文知識が重要なのは言うまでもありません。
そこで,予備試験の短答式試験の過去問を解きながら,出てきた条文については全て六法で確認する勢いで条文を読むことがおすすめです。
条文知識が多く聞かれるテーマに関しては,条文素読を行うと点数の向上が見込めます。
このような条文素読は,知識を総整理したい直前期に特におすすめの勉強法です。
また近年は大きな民法改正が目立ちますが,受験生にとってこれは過去問の蓄積が少ないことを意味します。
例えば,令和2年4月1日に施行された債権法の改正については,令和2年から5年までの4年度分しか過去問がありません。
令和4年4月1日に施行された成人年齢引き下げ等を含む改正についても,1年度分しか過去問の蓄積がなく,未出題のテーマがたくさんある状況です。
上記の改正は主に判例法理だったものが明文化された形の改正が多く,実際に予備試験の短答式試験でも単純な条文知識が問われました。
このことから民法については過去問を解くだけでは対応できなくなっている一方で,条文素読をきちんとやってさえいれば簡単に解ける問題が増えているとも考えられます。
特に改正民法については,日々の勉強でこつこつ条文素読をすることがおすすめです。
予備試験短答式試験の過去問も素読も,勉強の初期段階から始めよう
予備試験は法律家になるための試験の1つですが,あくまでも実務家を目指す試験であり,学者になるためのステップではありません。
予備試験の勉強を始めるにあたり,知識を補充しようと基本書ばかり読み込んでいても,正しい勉強方法を取り入れないと,合格まで回り道になってしまいます。
予備試験の勉強を始めた頃は、どうしても知識の習得に目がいきがちではありませんか?
まずは一通り知識を習得してから,次のステップに進もうと考えます。
しかしそれだと,他の予備試験受験生に後れを取っているかもしれません。
なぜなら,予備試験に短期合格を果たした受験生は,勉強の初期段階からインプットとアウトプットを並行して勉強しています。
そこで予備試験の短答式試験の勉強方法として先にご紹介したように,以下をインプットと並行して進めることがおすすめです。
・過去問での勉強
・条文素読
この2つの勉強方法は,とにかく早い時期から,受験勉強開始後すぐから取り入れていきましょう。
インプットとアウトプット同時進行の勉強方法は,特に法律初心者の方や基礎講座を受講中の方はより効果的です。
覚えた知識をすぐに問題を解いて確認をすることで,
・知識の定着
・出題傾向の把握
・苦手部分の把握
が同時に行えます。
これらの部分をクリアしていけば,予備試験短答式試験の合格ラインがグッと近づきます。
予備試験の勉強の初期段階,基礎知識を習得しているときに短答式試験の過去問を解いても思ったように解けなくて,ガッカリすることがあるかもしれません。
また条文を読んでも,なかなか理解できない部分もあるでしょう。
ですがあきらめずコツコツと,繰り返し進めていくと,雪だるま式に実力が付いていきます。
長いようで短い予備試験の受験勉強期間を,より効率的に勉強ができるように,スケジュールを組んでいきましょう。
辰已法律研究所は、創業50年以上続く,法律資格試験予備校です。
その間多くの司法試験,予備試験の受験生と共に歩んでまいりました。
多くの悩みをお聞きし,合格を共に喜び,また受験勉強に対する多くのノウハウも培ってきました。
予備試験を目指すにあたり、どのような勉強をしたらいいか分からない、今の自分にどんな勉強が必要かわからない、予備試験,司法試験を目指す悩める方へ、辰已法律研究所はいつでも頑張る受験生を応援しつづけます。
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