対象範囲を絞って当たり前のことを確実に行う
少人数制ロースクールと予備校を活用した『二刀流』合格戦略!
手厚いサポート体制を活かし、司法試験対策に注力する方法」
1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり
2000年初頭の大学生の頃、法曹への漠然とした憧れはあったものの、旧司法試験から法科大学院制度への移行のタイミングであり、学費等の問題から司法試験受験を一度は断念しました。その後社会人となり、民間企業、官庁での勤務等、様々な経験を経る中で、法曹になる夢を叶えたいとの想いが強くなり、司法試験への挑戦を決め、法科大学院への進学を決意しました。職場に大学院等への進学を志す者に対する自己啓発休業制度があり、無給ではあるものの在職したまま法科大学院への進学が可能であったため、当該制度を利用して法科大学院に進学しました。
私の進学した法科大学院は、未修者の割合が多く、学生数も一学年約20名と小規模であることから、教員と学生の距離が近く、気軽に教員に質問ができる環境にあります。カリキュラムは未修で入学した場合、1年次には憲法、民法、刑法の必須科目を履修し、それ以外の司法試験に必要な科目は2年次以降での履修となるため、純粋未修者がじっくりと法律を一から学ぶにはよい環境にありました。
また、授業以外にも教科指導、アカデミックアドバイザー等の学習のサポート体制が充実しており、年末年始を除き、ほぼ365日、早朝から深夜まで自習室が利用可能でした。加えて、全国の他の法科大学院と比較して、学費が低額に抑えられており、成績優秀者には授業料の全額・半額免除制度もあり、経済的負担を抑えることができました。
2 受験対策
(1)基礎段階の学習について
大学時代に司法書士の資格を取得しており、法律の基本的な知識は一定程度身についている認識でいましたが、民法の改正や司法書士試験と司法試験での求められる内容に最初は戸惑いました。私は、最初に司法試験対策予備校の入門講座を受講したことで、分厚い基本書等で学ぶべきエッセンスを科目ごとに学習することができました。
おそらく最初から基本書を読む学習では膨大な量に挫折してしまいかねないところ、予備校の司法試験対策本はコンパクトにまとめられているため、最初の学習段階でつまずくことがありませんでした。また、予備校講師が論点の中でもメリハリ付けをして教えてくださるので、試験で重要な部分とそうでない部分の取捨選択を自分の判断で誤ることがなく、安心感をもって学習を継続することができました。
一方で、「趣旨規範ハンドブック」等を含めた予備校の対策本は、コンパクトにまとめられているものの、その背景にある問題意識や実際の判例の事案等は、原文にあたる必要があります。しかし、時間の制約から、その確認作業が十分に行えず理解が不足したままになってしまった部分があり、実際の答案でも丸暗記した論証の掃き出しになってしまうこともあったため、その点は反省すべき点であると感じています。
(2)短答式の学習について
司法試験は、憲法、民法、刑法の3科目で短答式試験が実施され、各科目40%以上の成績及び合計得点で一定水準を満たすことが必要となります。司法書士試験の経験から、民法、刑法については、不安は感じていなかったものの、憲法の40%以上の成績というのがボトルネックになる危険性があると感じていました。
合格点を獲得するために大事なことは、他の受験生の大多数が正解できる問題を取りこぼさないことにありますので、問題ごとの正答率が掲載されている辰已法律研究所の「短答過去問パーフェクト」を活用しました。他の予備校の短答過去問問題集は、重要度を星でランキングする等抽象度が高いものであるのに対して、辰已の「短答過去問パーフェクト」は、正答率が数値化されており、明確であるため、使い勝手が良かったです。私は正答率5割以上の問題を中心に憲法の過去問を繰り返していきました。おかげさまで、無事今年の本試験でも憲法は6割程度得点することができました。
(3)論文の学習について
司法試験の論文試験は、問題と司法試験用六法のみが貸与され、2時間という制限時間の中で、白紙の解答用紙に自分の解答を完成させるものであり、他の資格試験にはない特色があります。おそらく、初学者の大多数が何をどのように書いていいのか分からず、またどのように学習すればよいのか分からず困惑すると思います。
私の受講した予備校の論文対策講座では、旧司法試験の問題を元に、講師が模範解答を用いて問題の解説を行ってくれ、その解答例を参考にして書くべきポイント(例えば、規範部分やあてはめの仕方)を学ぶことができました。旧司法試験の問題は現行の司法試験に比べて短いため、本番の司法試験に対応することができるのか不安を感じることもありましたが、司法試験も多くの論点の積み重ねであり、主要な論点を身に着けることで、問題文の長い現行の司法試験でも十分対応することができました。むしろ反復学習により、主要な論点への反射速度を上げていくことで、長文の司法試験の問題を短時間で分析し、答案構成を終え、制限時間内で答案を書きあげる力を身に着けることができたと感じています。
(4)法科大学院の授業との両立について
予備校の入門講座を受講していたことで、法科大学院の授業はいわば入門講座の復習として位置付けることができました。司法試験に合格するためには、司法試験の勉強をすることが最も大切です。
しかし、法科大学院では授業の予習や課題の提出等があり、日々の課題等に追われて、どうしても司法試験の勉強が後回しになってしまう傾向にあります。この点、予備校の入門講座により各科目の大枠を掴んでおくことにより、予習や課題に割く時間を短縮することができました。また、理解はできているものの、論証の暗記等が不十分な部分については、法科大学院の定期試験を絶好のアウトプットの場と考えて、定期試験に臨むことで記憶の定着が図ることができました。
3 自己の体験を踏まえ、これから受験する方へのアドバイス
合格のための必要に必要な戦略
私は在学中受験資格者の立場で司法試験を受験しましたが、在学中受験で心がけたことは、法科大学院の授業や課題に振り回されずに司法試験の合格という目標に向けて、そのための学習に時間を割くという点です。
法科大学院の授業は知的好奇心をみたしてくれ、予習、復習に際限なく時間を割くことが可能ですが、大多数の皆さんの目的は司法試験の合格にあると思います。そのためには、当たり前のことですが、司法試験対策の準備にこそ時間を最大限投入しなければなりません。
また、予備校や参考書を選ぶ際に一番大事なことは、合格実績の高い予備校や受験界で定評のあるものを選ぶことにあると思います。なぜなら、実績が高く定評があるということは大多数の受験生に選ばれている証拠であり、司法試験が相対試験である以上、他の受験生に差をつけられないことが大切だからです。
この点、辰已司法研究所が発行している「短答過去問パーフェクト」や「趣旨規範ハンドブック」といった参考書は、長年にわたって司法試験業界に定着しており、これをやり遂げることができれば合格に必要な力を身に着けることができると確信できるため、安心して勉強に集中することができ、教材選びや予備校選びという大多数の受験生が抱く不安を一つ解消できます。
4 おわりに
司法試験は文系最難関の試験と言われ、天才や一部の頭のいいひとしか受からないとのイメージがいまだに存在すると思います。しかし、行政書士や司法書士等、他の法律系資格同様、司法試験もペーパー試験であることには変わりはありません。過去問をきっちりと演習、分析し、論証集を記憶する、百選掲載判例を理解する等の基本的な対策を積み上げていけば、誰でも合格が可能な試験です。
大切なことは、中・長期間あきらめず合格のための学習を継続することにあると思います。選択科目を含めて8科目あることから、理解、記憶しなければならない膨大な物量に時にはくじけそうになったり、諦めたくなる気持ちがわいてくることもあるかもしれません。しかし、勉強を継続していれば必ず合格というゴールに近づいていることもまた事実です。過度に人と比較するのではなく、自分の中での最速の合格を目指して頑張ってください。
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