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諦めずに続けた司法試験の学習方法

I.Hさん
受験歴: 2回
中央大学
東北大学法科大学院【既修】
【受講歴】全国公開模試
2025年度

法律を「知識」から「伝える力」へ。諦めずに挑み続けた司法試験の学習法

1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり

私が司法試験の受験を決意したのは、法律が単なる知識ではなく、現実の人の人生や選択に直接影響を与えるものであると実感した経験がきっかけでした。大学で法学を学ぶ中で、同じ事実関係であっても、立場や視点の違いによって評価や結論が大きく変わり得ることを知り、法律の持つ影響力の大きさと、それを扱う責任の重さに関心を持つようになりました。条文や判例を暗記するだけではなく、それがどのような場面で、どのように用いられてきたのかを考えるうちに、法律を通じて物事を考えること自体に強い興味を抱くようになりました

また、実務家による講演や、法律実務に関する話を聞く機会を通じて、専門的な内容を、法律を知らない人にも分かる言葉で説明しようとする姿勢に触れました。難解な概念をそのまま提示するのではなく、事実関係や背景を丁寧に整理し、前提から順を追って言葉にしていく過程を目の当たりにし、知識を持つだけではなく、それを相手に伝える力の重要性を強く感じました。このような経験を重ねる中で、法律を用いて人と向き合い、考え続ける仕事に携わりたいと考えるようになり、司法試験に挑戦することを決意しました。

2 受験対策

受験生活は、努力すればすぐに結果が出るというものではありませんでした。知識を一通り学習した後も、答案になるとうまく書けない、あるいは書けたとしても点数につながらない時期が続きました。論点は把握できているつもりでも、答案全体の構成がまとまらなかったり、重要度の判断を誤ったりすることが多くありました。また、試験時間内にどこまで書くべきか判断できず、時間配分を誤ってしまうこともありました。勉強時間を確保しているにもかかわらず手応えが得られない状態が続き、学習方法そのものに迷いを感じる時期もありました。

状況が変わり始めたのは、模試や答案練習を通じて、自分の弱点を具体的に把握するようになってからです。点数や順位だけを見るのではなく、なぜその答案になったのか、どこで判断を迷ったのか、どの部分に時間を使いすぎたのかを一つ一つ振り返り、言葉にして整理することを意識しました。その過程で、知識不足そのものよりも、試験で求められる形に整理できていないことや、論点の取捨選択ができていないことが課題であると気づくようになりました。そこからは、新しい知識を増やすことよりも、基本的な事項を確実に使える状態にすることを優先し、学習の方向性を修正しました。

学習環境については、大学、法科大学院、予備校を、それぞれ役割を分けて活用しました。大学や法科大学院では、法律の体系や理論、思考方法を学ぶ場として位置づけ、条文や判例がどのような位置づけにあるのかを意識して学習しました。一方で、試験対策としては、どの水準まで理解していれば合格点に届くのかが分からなくなることもあり、その点を補うために、予備校の基礎講座やインプット講座、模試を利用しました。予備校は、新しい知識を無制限に増やすためのものではなく、試験で要求される答案の水準や、時間感覚、論点の優先順位を確認するためのツールとして活用しました。

また、市販の教材を用いての勉強もしました。その際には、教材を広げすぎないことを意識しました。一度で完璧に理解しようとすると学習が停滞してしまうため、最初は全体像を把握することを重視し、繰り返しの中で精度を上げていくことを前提に学習を進めました。理解が不十分な部分には印をつけ、後で必ず戻ることを前提にすることで、学習の流れを止めないようにしました。

合格に近づいた直近の一年間は、学習の考え方を大きく見直しました。完璧な理解や答案を目指すのではなく、合格点を安定して取ることを目標に、取り組む範囲と優先順位を明確にしました。また、取り組む回数についても、一度で仕上げることを目指すのではなく、何度も同じ内容に触れることを前提にしました。完成度よりも着手のしやすさを重視し、学習が止まらないようにすることで、結果的に学習の継続につながったと感じています。

受験期間を通じて感じたのは、学習を続けることそのものが想像以上に難しいということでした。努力がそのまま結果に結びつかない時期には、このまま続けて意味があるのだろうかと考えてしまうこともありました。周囲と比較して焦りを感じたり、点数が伸びないことに落ち込んだりすることもありましたが、それでも学習を完全にやめてしまわなかったことが、結果につながったのではないかと振り返っています。

そのため、学習の質だけでなく、どのようにすれば学習を継続できるかという点も意識するようになりました。完璧な計画を立てるよりも、多少予定が崩れても立て直せる柔軟さを持つこと、調子が悪い日でも最低限触れる教材を決めておくことなど、小さな工夫を重ねました。うまくいかない日があっても、それを理由にすべてを否定せず、今日はここまででよいと区切りをつけることで、翌日に学習をつなげることを心がけました。
また、学習を続ける上では、精神的なコンディションも大きく影響すると感じました。勉強時間を増やすことだけに意識が向いてしまうと、疲労が蓄積し、かえって集中力が落ちてしまうことがありました。そのため、睡眠時間を極端に削らないことや、短時間でも気分転換の時間を取ることを意識しました。これらは一見、勉強から離れる行為のように思えますが、長期的に見れば学習を続けるために必要な時間だったと感じています。

3 自己の体験を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

受験生活を振り返ると、学習内容や勉強方法と同じくらい、「どのように学習と向き合い続けるか」が重要だったと感じています。思うように結果が出ない時期には、自分のやり方が間違っているのではないかと不安になり、学習を続けること自体が負担に感じられることもありました。そのような状況の中で、学習を完全に止めてしまわなかったことが、結果的に合格につながったのではないかと考えています。

(1)LS在学生の方には、在学中から「分かったつもり」を減らすことを意識してほしいと思います。講義を受けて理解した内容についても、実際に答案として書こうとすると整理できていないことに気づく場面が多くありました。要件や結論を自分の言葉で説明できるか、なぜその結論になるのかを説明できるかを意識することで、理解の浅い部分が明確になります。早い段階から答案を書く練習を通じて、自分の理解を客観的に確認することが大切だと感じました。そして、全ての問題を完璧に解こうとするのではなく、限られた時間の中で、どこまで書くかを判断し続ける力が求められます。日頃の学習から、時間を意識して答案を書く練習を重ねることで、本番でも落ち着いて対応できるようになると感じました

(2)再挑戦する方には、不合格という結果を自分の能力だけに結びつけすぎないでほしいと思います。結果が出なかった理由には、知識の問題だけでなく、試験との相性や答案の書き方、時間配分など、様々な要素が影響しています。過去の答案や模試の結果を冷静に振り返り、どこを改善すればよいのかを具体的に整理することで、次につながる学習ができるようになると感じました。

(3)社会人受験生の方には、限られた時間を前提に、学習を継続する工夫が重要だと感じました。まとまった時間が取れない中でも、短時間で取り組める教材を用意しておくことや、毎日必ず学習に触れる習慣を作ることで、勉強を生活の一部として続けることができました。学習量だけでなく、継続できる形を意識することが大切だと思います。

振り返ると、合格に至るまでに特別な方法があったというよりも、うまくいかない時期を含めて学習と向き合い続けたことに意味があったと感じています。理解が不十分な部分が残っていても、次に改善すべき点を一つずつ確認し、学習を積み重ねていくことで、少しずつ前進している感覚を持てるようになりました。この体験記が、これから司法試験に挑戦する方にとって、思うように進まない時期があっても学習を続けてよいのだと思えるきっかけになれば幸いです。

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