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思考プロセスを言語化!『市場』を想像し、独禁法の本質を掴む経済法合格体験記

Y.Tさん
受験歴: 1回
関西学院大学法科大学院【既修】
2025年度

1 「経済法」を選んだ理由

当初、つまり、ロースクール(既修)入学当時は、知的財産法を選択科目にしようと決めていました。そして、実際にロースクールでも、特許法の授業を受講し、そのおおよその概要なども把握していました。

しかしながら、そこから時間が経過し、ロースクールの最終3年次に進級したころ、その当時は、司法試験本番まで残り1年と少しという時期でしたが、他の必修科目の学習やロースクールで履修していた実務系科目の準備などに忙しく、知的財産法のもう一つの主要分野である著作権法についてはいまだほとんど手がつけられていない状態でした。

そんななかで、ロースクールを修了するための必要単位の関係と他の授業のコマと重なりがないといったことから、たまたま何の気なしに経済法の授業を履修しました。

そして、せっかく受講するのなら少しは予め知識を入れておこうと、ロースクールの図書室に配架されていた経済法の入門書(概説書)に目を通したところ、経済法のまさに中心となる「競争」という概念にとても惹きつけられました

もっと正確にいえば、1つの実定法に関する学問である点では他の必修科目と共通しているはずなのに、これまで学習してきた、公法や民事法、刑事法とは違った思考で事案を検討していると感じて、経済法に強く興味を抱きました

経済法の事例問題を一目見ればわかると思いますが、問題文には大抵たくさんの「事業者」が出てきます。そして、それぞれの事業者のまさに”戦闘力”として、各社の市場占有率(シェア率)が事情として与えられている場合がほとんどです。

さらに、需要や供給の代替性に関する事情から、どのような商品や地理的範囲でもって「一定の取引分野」すなわち「市場」を画定するのか、さらにその市場に対してどのような悪影響があるのか、というステップを踏んで回答していきます。

このような思考方法は、もちろん法的三段論法が使われるのですが、個人的な感覚としては、ただひたすらに趣旨から規範を導出して事例に当てはめて結論づける、という他の必修科目での論述展開とは異なり、その市場がどのような状況になっているのか、問題となる事業者はどのような行為をしようとし、それによってどのような変化がもたらされるのか、というような、「与えられた事情から、具体的な市場状況を想像して事例検討を行う」という点で、これまでとは違った頭の使い方をしている感覚を覚え、とても面白いと感じました。

一方で、矛盾するようなことをいうようですが、経済法は刑法の論述展開と似ている部分があります。
というのは、刑法では、みなさんご存知の通り、「ある者のある行為が、構成要件に該当し、違法で、有責なものといえるか」という大きなストリームに沿って検討するのが大原則だと思います。経済法も、これに似ている部分があります。経済法では刑法のような自然人が行為主体となることはあまり多くないので、その点では異なっていますが、「ある会社のある行為が、独占禁止法で定められた要件に該当し、その行為につき正当化事由が認められないか」という手順で検討するのが基本となっています

皆様の中にも少なくないと思うのですが、私自身、民事系科目の勉強よりも、刑法などの刑事系科目の学習が性格にあっていましたので、その点では、経済法にもすぐにフィーリングを感じました。ですので、刑法が好きだという方には、経済法はおすすめできます

2 経済法の勉強法

・インプットにどれぐらいの所要時間か
・選択科目について、いつ(○月頃)どのぐらいの時間をかけたか
・公法系、民事系、刑事系との比率はどれぐらいと割り切っていたか

経済法を選択科目として選ぶメリットは、なんといっても、覚えるべき暗記量がかなりコンパクトな点です。
経済法で中心となる独占禁止法は、全体の条文数は100条を超えていますが、実際に試験で用いる実体的な規定は第26条までですし、その中でも司法試験で頻出な条文をあげれば、もっと少なくなります。

経済法は、その暗記量の少なさでは選択科目の中でもトップクラスだと思いますので、コスパよく選択科目を勉強したいという方にもおすすめです。

具体的なインプット所要時間は人それぞれだと思いますが、私は一通り入門書を読んでロースクールの授業を履修した後、『1冊だけで経済法』の趣旨・規範部分を中心に、自分なりにまとめノートを作りながら重要な定義や規範をインプットしていきました。

おそらく試験本番まで1年を切っていた時期(2024年の9月頃)だったと思いますが、この頃にはロースクールでの授業の数もそこまで多くはなかったので、一気に経済法の基本事項を叩き込む時間がありました。ですので、ほぼ毎日経済法のまとめノートには目を通して、大体1か月足らずほどで、重要な定義・規範のほとんどは覚えきったと思います(もちろん、その後もノートに適宜規範などを加筆をしていったので、インプットする量も増えていきました)。

逆にいうと、この期間に集中して経済法のインプットを済ませておいたおかげで、それ以降(具体的には2024年10・11月以降)は、必修7科目のまとめノート作成や論文過去問への取り組み、短答過去問反復演習のために時間を割くことができました。

ただ、まとめノート内容の反復は、試験前日まで何度も何度も繰り返しましたし、『1冊だけで経済法』を使って過去問の内容にも、必修科目と並行して取り組んでいました。

ですので、個人的な感想としては、経済法については、ある程度定義や規範を覚えた上で、あとは日々それを見返して記憶を維持しつつ、過去問演習できちんとすぐにアウトプットできるかを確認するという程度の学習比率で良いのではないかと感じます。やはり、必修7科目の勉強の重要性が高いです。

3 論文試験対策に最も役立った書籍や講座 

経済法の試験対策としては、やはり辰已法律研究所さん発行の『1冊だけで経済法』がおすすめです。
経済法は市販の演習書のレパートリーが少ないため、過去問の演習が非常に重要になってきます。この『1冊だけで経済法』は、司法試験の過去問とその再現答案のみならず、趣旨・規範もきれいにまとめられていますので、まさにこの1冊だけで経済法の論文試験対策ができるようになっています。私自身も、基本書とこの『1冊だけで経済法』の内容を反復して試験に挑みました。

『1冊だけで経済法』を使い倒してください。
また、多くの経済法受験生が持っている書籍だとも思いますので、ぜひこの『1冊だけで経済法』で過去問の傾向の分析をし、経済法で求められる事例検討のステップをマスターしてほしいと思います。

4 最後に

以上長々と述べましたが、他の選択科目を選ばれた合格者の方の声も聴きながら、一度経済法の問題に実際に触れてみて、「もしかしたら向いているかも」と思えた方は、ぜひ経済法を選択してほしいと思います。

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