国際私法の王道の勉強方法
特徴を見抜けたからこそ実践できた答案対策
1 国際私法の魅力~私が選んだ理由~
私が司法試験の選択科目として国際私法を選んだのは、民事法の延長線上にありながら、国際的な関係や条文を扱う論点が面白いと感じたからです。法律必須科目とは異なる視点で法律を考える力が試されること、理解した条文を具体的なケースに当てはめながら論証する楽しさに惹かれていました。また、選択科目は得点の差が出やすい分野でもあり、他科目との差別化につながる可能性もあると考えました。
国際私法は、一般の受験生には馴染みの薄い科目であり、理解すべき範囲や参考書の選び方に悩む人が多いと聞いていました。出題範囲としては主に国際裁判管轄や準拠法の選択、国際的な民事手続などが中心であるとされ、条文数もそれほど多くありません。実際、通則法などの基本法規範を理解することが論文での得点につながるといわれています。
2 試験対策として「目標」としたこと
私は選択科目対策を始めるにあたり、まず全体像をつかむことを重視しました。全体像をつかむために、基本書を2冊ほど通読しました。国際私法は全体の体系が他の法域に比べて独立性が高いため、まずは通則法や国際民事手続法の基本的な構造を理解することから始めました。条文の羅列ではなく、どのような場面でどの規定が適用されるのか、国際的な要素がどのように法律関係に影響するのかを体感的に捉えることを目標にしました。
次に、辰已法律研究所の対策書籍である『1冊だけで国際私法』を中心に学習を進めました。この1冊には、合格答案作成のガイド、重要規範と趣旨の解説、過去問や再現答案、論点一覧などが一体化して収録されており、短期間で国際私法の論文対策を完結できる内容になっているとされています。
私はこの1冊を「インプット」と「アウトプット」の両面で活用しました。条文ごとの趣旨や背景を丁寧に読み込みながら、同時に収録されている過去問や答案例を繰り返し読み、どのような論証が求められているかを体得していきました。
具体的な学習方法としては、まず条文とその趣旨をノートにまとめることから始め、その後で過去問や収録された再現答案を答案形式で書き出す練習を行いました。
国際私法の特徴として、用語や国際関係の設定が複雑であることがあるため、条文の適用関係を図示したり、具体的事例で基準となる条文を引き当てる練習を繰り返しました。どの条文がどの争点に対応するのか、どのような趣旨で採点されるのかを意識しながら答案を書くことで、使える知識に変えていきました。
3 答案を作成する上で心掛けていたこと
また、答案の論証構成にも特に注意しました。国際私法では、単に条文を引用するだけでなく、なぜその条文が適用されるのか、どのような法律的趣旨が背景にあるのかを説明することが重要と言われています。辰已の対策書籍のガイド部分には、合格答案に求められる論証の書き方や段落構成の手法も示されており、それを意識しながら自分なりの答案テンプレートを作成しました。答案テンプレートを持つことで、試験本番でも論点整理と時間配分がスムーズになり、自信を持って書くことができました。
学習の後半期には、国際私法の論文を書き上げた後で、必ず時間を空けて見直しと推敲の時間を設けました。時間を置いて客観的に読み直すことで、論旨が曖昧になっている箇所や、条文趣旨の説明が足りない部分に気づくことができました。また、過去問だけでなく、辰已の対策書籍に載っている複数の再現答案を比較し、高評価答案と自分の答案との違いを分析することで、自分の書き方の癖や改善点を見つけることができました。
このように、国際私法の選択科目対策を一冊の対策書籍を軸にして進めたことは、効率的かつ効果的な学習につながりました。条文の趣旨理解と再現答案を基にした論証練習を繰り返すことで、自分の答案の幅が広がり、論文全体の構成力も向上しました。その結果、選択科目においても安定した得点が取れるようになり、最終的な合格につながったと感じています。
4 最後に
国際私法という選択科目は、他の基本科目に比べて出題範囲が比較的限定されている分、条文を正確に理解し、その趣旨を踏まえて説明できているかどうかが、得点に直結しやすい科目であると感じました。
逆に言えば、条文の構造や考え方を一つ一つ丁寧に整理し、答案上で落ち着いて示すことができれば、安定した評価を得ることができる分野でもあると思います。
私自身、最初から国際私法が得意だったわけではありませんが、条文の位置づけや趣旨を確認しながら、繰り返し同じテーマに取り組むことで、少しずつ答案を書く際の迷いが減っていきました。特別なテクニックを身につけたというよりも、基本的な事項を確実に使える状態にすることが、結果的に点数につながったと感じています。
選択科目は、学習方法や教材選びに悩みやすい分野でもありますが、自分なりに軸となる教材を決め、範囲を広げすぎずに学習を継続することが重要だと思います。私の国際私法の学習経験が、選択科目の対策に迷っている受験生にとって、取り組み方の一例として少しでも参考になれば幸いです。
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