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効率よく選択科目で高得点を掴み取ろう!

Y.Nさん
受験歴: 2回
慶應法科大学院修了
【受講歴】スタンダード論文答練 福田クラス 全国公開模試
2024年度

1 経済法を選択した理由

 私は、得意意識のある科目が刑事法であるということを踏まえて選択科目を選びました。その上で、経済法が刑事法に似ており、インプットというよりも問題文を見て現場でのあてはめ勝負の科目であったため、経済法を選択しました。また、在籍していた法科大学院の経済法の授業が充実していたことも経済法を選択した理由の一つです。

2 経済法を選択したメリット・デメリット

(1)メリット

 メリットとしては、覚えるべき条文数、知識量が他の科目に比べて少ないことが挙げられます。選択科目の勉強にかける時間を他の科目に費やすことができます。そのため、コストパフォーマンスがとてもよい科目であると思います。また、経済法は未知の論点は出題されず、有名な基本書をカバーしていればほぼほぼ対応できると思いますし、過去問をやっていれば過去問で出た論点が再び出題される可能性が高いので、対策をしやすいと思います。

 また、経済法は、規範を書く量が少なくあてはめ勝負なので、問題文を読んで事実を多く拾いあげ、適切な評価がなされていれば間違いなく点数が跳ねる科目です。さらに、経済法選択の受験者は労働法に次いで多く、予備校の講座や基本書も充実していますし、経済法選択の先輩の合格者も多いので、情報が数多くあり、正しい勉強方法が一向にわからないということがないことから、勉強が進めやすく、受験者数も多いことから、友人とゼミを組みやすい点もメリットとしてあると思います。

(2)デメリット

 他方、デメリットとしては、ある行為が独占禁止法上問題となる場合に、その行為をした誰かに問題があるとか、誰かが悪いという意識ではなく、常に公正競争が害されているのか否かという観点から行為を分析する必要があるというのが、他の司法試験科目と異なる感覚であるため、最初は慣れないことが挙げられます。

3 インプットにどれくらいの所要時間が必要であったか

 インプットにかけた所要時間は本当に少なかったと思います。経済法のインプットに多くの時間を費やすのであれば、それよりも経済法のアウトプットや他の7科目の勉強時間に費やすほうが良いと思います。

4 論文試験対策に最も役立った書籍や講座

 最も役立った書籍は、『一冊だけで経済法』です。公正取引委員会の相談事例集も使いました。『一冊だけで経済法』には再現答案が掲載されていますが、現実的に自分が答案で書けるレベルのものであるか、現実的に試験で自分が書ける量なのかを意識して参考にする必要があると思います。

 最も役立った講座は、辰已の全国模試とスタ論です。全国模試を受験して、普段の学習とは異なり本番に近い緊張感のある中で3時間の選択科目を解くことが大変であることがよくわかりました。ただ、選択科目は、1日目の最初の科目であるので、選択科目で自信がつけば5日間いい精神状態で試験を受けることができるというのもわかりました。

 また、全国模試では、オリジナルの問題を解くので、条文選択含め解答筋を大幅に外していないか、あてはめや評価がうまくできたか確認することができ、普段の勉強ではわからない配点表を見ることができるのが大きかったです。そして、添削も細やかにしていただけるので、普段の学習では気づくことのできない自分の答案のよくない特徴や弱点に気づくことができると思います。全国模試で浮き彫りになった課題に向き合い、克服したことで、司法試験本番でも良い点数を取ることができました。そのため、全国模試はぜひ受験していただきたいと思います。

5 選択科目をいつ、どのくらいの時間をかけたか

 選択科目は、法科大学院の3年生の時から勉強を開始しました。ペース的には、週に3日程度選択科目の勉強時間を確保するようにしていました。

 法科大学院では、経済法の座学の講義と試験を意識した演習の授業があったので両方とも受講しました。経済法は手が回らなくて自分ではなかなか勉強が進まないという方はぜひ法科大学院の授業を受講しておくと良いと思います。

6 公法系、民事系、刑事系科目との勉強のバランス

 経済法含めて選択科目の勉強時間を多く取りすぎないことが重要だと思います。そのためにも早めに勉強計画を立てて、公法系、民事系、刑事系科目の勉強量を多くすることが重要です。1回目の司法試験受験の際は、経済法の勉強に時間を割きすぎてしまったのが敗因でした。そのため、2回目の司法試験受験の際は、経済法の勉強時間を少なくすることに不安はありましたが、割り切って勉強量を減らしたのが合格することができた要因の一つであると思います。

 もっとも、単純に勉強量や勉強時間を減らすべきではなく、効率よく要領よく選択科目を勉強する方法を自分の中で確立し、それを遂行することが重要です。選択科目こそ、効率よく点数を取る、これに尽きると思います。

7 受験対策

(1)起案

 過去問の起案を全年度して、適切な条文選択ができているか、限られた時間や答案の枚数の中でどれだけ充実したあてはめをすることができるのか、確認しました。経済法はあてはめと評価を厚くしっかりと書くことが大事です、そのため、過去問を利用してあてはめと評価の練習をしました。起案した後は、『一冊だけで経済法』の再現答案のあてはめや評価をよく見直すようにしていました。また、公正取引委員会の相談事例集も条文感覚(この事例ではこの条文を選択する)を把握する上で非常に有用でした。

(2)自主ゼミ

 経済法の勉強を進める上で、非常に大きかったのは友人と組んだ自主ゼミの存在でした。自主ゼミでは過去問を扱い、毎週過去問を起案していました。自主ゼミが過去問の起案の良いペースメーカーとなり、友人と答案を見せ合いお互いの答案の良い点悪い点を指摘していました。

(3)インプット教材

 インプット教材としては、自作の論証集(規範・あてはめ集)を作成していました。出題範囲も広くなく、過去に出題された論点についても再度出題される可能性が高いので、各論点の規範やあてはめ集をあらかじめまとめておくと良いと思います。自作の論証集を作成する際は、『一冊だけで経済法』を参考にしました。重複する論点に関しては、再現答案ごとの規範があるので、その中でも自分が試験で書きやすい規範を参考にしました。

8 これから受験される方へのアドバイス

 選択科目は、司法試験の1日目の最初に解く科目であり、良いスタートダッシュを切る上でも重要な科目です。

 上記でも述べましたが、経済法はコストパフォーマンスがよく、おすすめの選択科目です。ただ、経済法以外にもさまざまな選択科目があり、それぞれの科目ごとの特性があります。自分に合った選択科目を選ぶことが重要だと思いますし、その際には、自分の得意科目を意識して選択することが大事だと思います。また、選択科目は、予備校講座や基本書がどれくらい充実しているか、周りに同じ選択科目を選んだ人がいるのかという点も意識して選ぶことも重要であるといえます。

 経済法は、覚えるべき知識量や情報量が少ないからこそ、条文選択含め解答筋を外さないことが重要です。ただ、過去問の起案を完璧にこなすことができれば、解答筋を外さないコツを掴むことができるはずです。

 独占禁止法は、実務に入ってからも使うことの多い法律科目だと思いますので、そういった意味でも司法試験の段階から経済法を勉強しておくことは良いことだと思います。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。皆様の合格を心より願っております。

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