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租税法の対策はシンプルにしていました

A.Uさん
受験歴: 1回
広島大学法学部
立命館大学法科大学院 【既修】2020年入学・2022年修了
【受講歴】全国公開模試
選択科目

1 租税法を選択した理由

 租税法の授業を学部生の頃に受講したことはなかったものの、税に興味があったことが租税法を選択した理由です。また、暗記することが少ないということや理解できれば得点源にできるという話を聞いたことも租税法を選択した理由の1つです。

2 メリットとデメリット

(1) メリット
 他の選択科目はよくわからないですが、暗記すべきことが少ないと思うので、理解することができれば、コスパのいい科目だと思います。また、司法試験では同じ論点が過去に複数回出題されていることが多いので、過去問演習だけでも対策することができると思います。
 そのため、試験対策をシンプルにできることがメリットだと思います。

(2) デメリット
 演習書などが少ないことがデメリットだと思います。過去問の演習をする際にわからない部分が出てくると解決するのが少し難しいと思います。
 また、司法試験の受験者が少ないので司法試験に関するノウハウなどの情報が出回りにくいように思います。

3 法科大学院での選択科目学習状況

 最終学年に上がってから初めて租税法の授業を履修して勉強を始めました。法科大学院では、前期と後期と合わせて8単位分の授業がありました。講義と演習がそれぞれ4単位ずつでした。
 講義では所得税法と法人税法の内容がほとんどでした。国税通則法についてはほとんど扱いませんでした。この授業で、所得税法と法人税法の基本的な考え方や、重要な判例についての理解を深めました。
 演習では、百選に掲載されているような重要な判例を素材とした事例問題を検討することが多かったです。演習の授業を通して講義で身につけた租税法の知識の復習や理解を深めることができました。演習の授業では、国税通則法の内容も少し扱ってもらえたので、国税通則法はここで勉強したように思います。また、中間試験や期末試験で答案を添削して返却してもらえたことで、答案の型のようなものを身につけることができたように思います。

4 受験対策として私がやって成功した選択科目攻略法

 5年分過去問の起案をして、租税法選択の合格者の方から添削していただきました。出題や採点実感の読み方、租税法の答案の書き方の特殊な部分を教えてもらうことができたように思います。司法試験で点数を稼ぐには、出題趣旨や採点実感を読み込むことが重要であることを感じました。
 起案をしていない年度の問題については、答案構成をしたりしなかったりしました。答案構成をしていない問題でも、再現答案や出題趣旨及び採点実感は読んでいました。

5 受験対策として私が使用した本

・「1冊だけで租税法」(辰已法律研究所)
 租税法の授業を受け始めて少しした後から使用していました。過去問の検討と規範等の確認ができ、使いやすかったです。租税法の一元化教材のような使い方をしていました。
 過去問の検討も論証の暗記も司法試験対策には必須だと思うので、「1冊だけで租税法」は手元にあった方がいいと思います。

・木山泰嗣『小説で読む租税法』(法学書院、2020)
 租税法を選択することを決めた後、最終学年になる直前の春休みに通読しました。小説で読みやすい文章だと思うので、知識ゼロの状態から租税法の全体像を把握する上ですごく有用だったと思います。

 他には基本書(佐藤英明「スタンダード所得税法」弘文堂)と判例百選を所持していましたが、授業の予習や試験勉強の際に利用した程度で、直接受験対策に使ったことはほとんどなかったように思います。

6 受験対策として辰已講座の利用方法とその成果

 辰已の全国公開模試を利用しました。
 第1問と第2問で違う採点者に当たりました。そのうちの片方の評価がすごく悪かったことを覚えています。答案に対して頂いたコメントはすごく納得のいく指摘だったので、このコメントから自分の弱点が何かを考えるきっかけなりました。直前期ではありましたが、自分の弱点を見つめ直すことができたように思います。そして、本番では同じミスをしないように心がけました。
 また、試験時間の3時間をどのように使うべきかを考えて受験しました。具体的には、途中でトイレに行くかどうか、第1問と第2問の時間配分をどのようにするか、といったことを考えました。他の7法と違う部分が多いので、不安要素がかなりあったのですが、不安を和らげることができた気がしたので、受験してよかったと思います。

7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

(1) 勉強はじめの頃
 試験範囲があまり広くないので、司法試験に必要な範囲の全体像を意識して勉強した方がいいように思います。また、理解するのが難しい部分もあると思うので、そのような部分は先生に質問に行くなどして理解できるようにしておくと良いと思います。

(2) 予備試験受験生へのアドバイス。
 司法試験についても同様ですが、過去問などを起案して誰かに見てもらうことをオススメします。自分は理解していると思っている論点でも、理解できていない場合や、答案に正確に示すことができていない場合があると思います。そのような部分を修正するために、誰かに答案の添削をしてもらう機会があるといいと思います。

(3) 来年受験する方へのアドバイス
 全国模試や答練などを利用しながら3時間で2問を起案する経験を一度は積んでおくこともオススメしたいです。自習している中で3時間という時間制限を意識して初見の問題と向き合うのは難しいと思うので、全国模試や答練はいい練習になると思います。
 また、他の科目にも言えることですが、直前期は復習を中心に勉強するのが良いと思います。特に、租税法は司法試験ではほとんど使わないような条文もあると思うので、新しい知識を入れようとするとキリがないと思います。そのため、授業で扱った内容や過去問で出題されたことのある内容の理解を深めることを意識した方がいいと思います。自分が知らない条文や論点は他の受験生も知らないと思って、基本的な内容を正確に理解することを優先する方が精神的にも良いと思います。
 試験の前日や試験当日の試験が始まる直前については、規範の確認を入念に行っていました。規範をど忘れして書けなくて焦ることを避けたいと思ったからです。

辰已法律研究所 受講歴

【2022年対策】
・全国公開模試

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