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弁理士×弁護士 ~ダブルライセンスのすゝめ~

S.Tさん
受験歴: 2回
東京大学法科大学院【未修】
2025年度

1 知的財産法がおすすめの理由

私は、弁理士として法律事務所に所属しながら東京大学の法科大学院に進学し、司法試験に合格しました。弁理士なので、司法試験の選択科目は知的財産法を選択しています。特殊な背景を持つ私ならではの合格体験記として、
①弁理士×弁護士 W資格があることで開ける展望
②はじめて知的財産法を勉強するなら、お勧めのアプローチ
③知的財産のプロの視点から、司法試験の知的財産法を考察すると
④こんな人には知的財産法をお勧めしたい
といった観点から記述させて頂きます。

(1)弁理士×弁護士 W資格があることで開ける展望

弁理士は知的財産の専門家であり、主な業務は、明細書作成などを含む特許庁に対する手続きの代行や、発明の権利化に関する相談、権利侵害に対する法律相談などです。一般論として、弁理士の多くは理系出身であり、文系出身者の多い弁護士(司法試験受験者)とは専門分野が大きく異なるが故に、他の弁護士との差別化が可能です。

また、「弁護士は、当然、弁理士…の事務を行うことができる」(弁護士法3条2項)のですが、文系出身の弁護士にとって理系の知識が要求される知財(特に特許権)案件は敷居が高い場合も多く、弁理士が弁護士資格も取得することには価値があります。

更に、弁理士として法律事務所に勤務している私の実感として、「弁理士が弁護士資格を取得することは、弁理士と弁護士が協力して事件解決に当たる場合以上のメリットがある」といえます。弁理士も、一定の訴訟においては、一定の条件の下、法廷に立つことができますが、原則として法廷における闘いは弁護士に任せざるを得ません。例えば、弁理士は法廷に出るまでの準備では自己の専門性を活かして活躍できますが、原則として法廷での尋問等はできないため、その専門性によって相手の主張の矛盾に気づいたとしてもその場では何もできません。しかし、弁護士資格も取得することで、法廷に立てるようになり、自己の専門性を十全に発揮できるようになります
また、生成AIなど様々な分野で技術が進歩発展し、その発展速度が急上昇し、しかも先端技術が早期に一般市民に浸透するようになった現代において、技術的背景を持った弁理士が弁護士となることは、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」(同法1条1項)上で強く求められていくと考えます。次々に新しい技術と、それに基づく紛争が発生する現代社会において、「弁理士×弁護士」の活躍できるフィールドは非常に広いものです。

(2)はじめて知的財産法を勉強するなら。お勧めのアプローチ

司法試験の選択科目としての知的財産法は、特許法および著作権法の二つの法律が問われるため、敬遠する学生(受験生)が多いと思います。加えて、多くの人が知的財産法を身近に感じられていないことも敬遠される原因かも知れません。

しかし、一見すると全く異なる二つの法律に見える特許法と著作権法ですが、根底に流れる思想は同一ないし類似するものであり、別個独立に二つの法律を学ばねばならない訳ではありません。また、知的財産法は、権利の発生から消滅、権利制限など、条文がカッチリ作り込まれており、条文を学ぶことで体系的理解が可能です。
加えて、知的財産法は、実は非常に身近な法律であり、創作・表現によって発生する著作権はもちろん、特許権も日常生活に密接に関係しています。例えば、皆さんがお持ちのスマートホンは特許権の塊ですし、画面の表示内容は著作権で保護されているものが大半です。自身のブログへの記事の何気ない転載による著作権侵害や、海賊版製品による権利侵害など、正に身近な法律といえます。

知的財産法を敬遠する必要がないと思って頂けた場合、お勧めのアプローチとして、まずは条文を流し読みして下さい。司法試験の知的財産法の問題文は決して長いものではなく、どんな条文が存在するのか理解していれば、何が問題なのかは見えてくると思います。法的思考や法的三段論法の枠組みは他の科目(必須科目)で学んでいるので、条文から離れず、権利の発生から順番かつ丁寧に、答案として表現する練習を繰り返して下さい

(3)知的財産のプロの視点から、司法試験の知的財産法を考察すると

私が弁理士試験を受験していた頃の弁理士試験の論文式試験問題は、例えば特許法であれば、「権利化まで(出願段階)」と「権利化後(訴訟段階)」について1問ずつ出題されていました。前述の通り、弁理士の業務は特許庁に対する手続きの代行が含まれるため、手続的な面についても十分な理解が求められます。一方で、司法試験の知的財産法では手続的な面は問われておらず、訴訟段階での法的な論点が重点的に問われています。個人的な意見として、弁護士法3条2項がある以上は司法試験においても手続的な面を問う必要があるように思いますが、3時間の試験時間内にそこまで問うことは現実的ではないでしょう。

また、司法試験においては、典型的な(有名な判例の)論点が繰り返し問われている印象です。しかし、判例そのままの事案ではなく、法的な悩みどころがある良問だと思います。試験科目として考えた場合、過去問演習を繰り返し、典型論点に対応できるようにするとともに、必須科目の学習で身に付けた法的に妥当な解決を模索する力を答案上に表現することが重要だと思います。

(4)こんな人には知的財産法をお勧めしたい

まずは、合格後に知的財産法分野で活躍したい方は知的財産法を選択して下さい。受験期間中ほど集中して学習できる期間は人生で存在しないと思いますので、しっかり学習して下さい。
また、知的財産法は、本当は身近な法律であり、普段の生活の中でそれを感じられる方は知的財産法の理解が早く進むと思います。更に、他の法律と同様に知的財産法は条文が重要であり、条文に従って順番に、丁寧に考えることが得意な方にもお勧めします

2 来年(令和8年)の司法試験を受験される方へ

選択科目は、司法試験初日の最初の科目です。ここで勢いを付けられると、残りの科目でも良いリズムで答案を作成できると思います。過度に緊張し、力み過ぎることは問題ですが、油断することなく、学習の成果を十分に発揮できるように準備して下さい。また、試験日までの自分の努力を信じて、全力を尽くすことに集中して下さい。

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