興味から始めた知的財産法:論証+付箋積み上げで上位約7%をつかんだ300時間戦略
1 知的財産法を選択した理由
①選択した理由
私は趣味がアニメ鑑賞や読書だったので、著作権法に触れたいと考えていました。そのため、受験戦略等一切考えずに知的財産法を選択しました。勉強してみて、最初の頃は、特許法がよく分からず、著作権法は分かりやすいと思っていましたが、ある程度知識が定着すると、特許法の方がルールが明確で分かりやすくて、著作権法の方が難しいと感じることも多くなりました。
また、勉強を始めてから聞いたのですが、知的財産法選択者は学部東大や学部慶應の人が多いという話を聞き、私は明らかに地頭・能力面で負けていると感じたため、変更することも考えました。しかし、選択科目は8科目目です。興味のある分野でないと、モチベーションが上がらないと思い、知的財産法のまま司法試験を迎えました。結果として、知的財産法の評価は上位7%くらいだったので、良い選択だったと考えています。
②合格までの軌跡
学部時代は、特許法の授業を取っていました。ただ、この授業は司法試験対策というよりは、手続きを重視した内容だったため、弁理士向けの内容だったように感じます。また、著作権法は憲法ゼミと時間割が被ってしまい、取れませんでした。そこで、2級知的財産管理技能士という国家試験の勉強をして、知的財産法の手続き回りの知識をある程度身につけました(2024年1月合格)。司法試験対策に直接役立ってはいませんが、イメージをつけやすくなったので、無駄ではなかったと思います。
また、弁理士試験も好奇心で受験してみましたが、全く対策できておらず、当然ながら1次試験で不合格でした。
知的財産法の司法試験対策に本格的に入ったのは、ロースクール2年次の終わり頃でした。ロースクールの授業が忙しく、8科目目ということもあり、なかなか手が回っていなかったところ、模試を受ける関係で論証を覚えなければならないと思い、勉強に着手しました。その後、ロースクール3年次の6月頃まで、百選の事件を全て見る授業と、過去問7年分くらいをさらう授業があったので、それらを履修し、そのカリキュラムに合わせて勉強していました。授業では最新判例も扱ってもらえたため、司法試験対策にとても活用できました。
いずれの授業内容も、論証集に一元化し、不明点は毎回メールで小泉直樹先生に質問していました。おそらく、累計30件以上の質問をしたにもかかわらず、すべて回答いただけたため、試験前の不安は大分減りました。
勉強としては、論証集に一元化、論証集の暗記、をひたすら繰り返していた印象です。
知的財産法の勉強時間としては、着手が遅かったこともあり、300時間程度でした。上三がそれぞれ600時間、下四が400時間前後だったことに鑑みると、やや少ないかなという印象です(勉強時間の詳細は一般の体験談参照)。
③独学、法学部、法科大学院、予備校の活用
上記の通り、法科大学院の授業が一番役に立ったと感じています。百選の事件を全て見る授業は、小泉直樹先生が担当しており、1コマ30件近くの事件を見るので、負担が大きかったのですが、判旨の要点理解や、判旨と事案の紐づけにとても役立ちました。
また、私は過去問の着手が全体的に遅かったため、小泉先生の過去問をさらう授業により、強制的に知財の過去問に触れる機会を作れたのも、大きかったと思います。
2 受験対策
①私の勉強方法
上記の通り、過去問を解いたり、百選を読み込んだり、小泉直樹ほか『知的財産法演習ノート』を解いたりして、重要部分を付箋で論証集に貼り付け、ひたすら暗記をしていました。
②使用した書籍
基本書としては小泉直樹『特許法・著作権法』を使っていました。また、演習書としては小泉ほか『知的財産法演習ノート』を使っていました。8科目目ということもあり、あまり時間はかけられなかったので、利用する書籍は限定していました。他方で、丁寧に使うことで、選択科目で他の人と差をつけることを目標にしていました。
3 アドバイス
①選択科目を迷っている人へ
ご自身の興味のある科目を選択するのが一番だと思います。そのうえで、知的財産法の魅力は、特に2つあると思います。
1つ目は、事案が面白いです。特に著作権法は、知っているゲームの名前や、通っている大学の名前が出てくると、俄然興味が湧きます。
2つ目は、私の肌感ですが、論証が少ないにもかかわらず、現場思考も多くはないということです。私が使用していた論証集では、80個くらいの論証がありました。ただ、これでは足りないので付箋で補っていましたが、それでも7科目と比較すれば少ないでしょう。にもかかわらず、現場思考は少なく、趣旨から導出しやすかったり、現場で条文さえ見つければ解けたりする問題も多かった印象で、やりやすいと思いました。
②知的財産法を選択した方へ
知的財産法、特に特許法はとっつきにくいと思います。ただ、手続きの概要が分かってくると、ルールが明確な分、刑法のように感じて解きやすくなると思います。そのため、めげずに頑張って欲しいです。
また、私も直前まであまり気にしていなかったのですが、条文は出来るだけ引用することをオススメします。例えば知的財産法は、あくまで民法の特則なので、損害賠償請求する場合には民法709条を引用する、等です。また、特に著作権法は、著作者、著作物の例示、著作権と、1つの物が問題になっていても、複数の条文が関わってきます。毎回どの条文が関係するのか意識しながら勉強すると良いと思います。
頑張ってください。
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慶應義塾大学法科大学院在学中【既修】
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