辰已の全国公開模試は特にオススメです
1 法曹志願の動機
私は、中学生の時にみた「リーガルハイ」というドラマの影響で弁護士になりたいと思い、初志貫徹して司法試験合格までたどり着けました。
2 短答式の勉強方法
年度ごとの過去問をコピーして、一年度のうち一科目だけ実際に時間を図り問題を解き、辰已の短答過去問パーフェクト(以下、「短パフェ」)を使って答え合わせをする。そして、間違えた部分を何度も復習するという勉強を続けました。
短パフェの良いところは、巻末に年度ごとの問題番号が記載されており答え合わせが便利な点、正答率が記載されているため「正答率の高い、間違えてはいけなかった問題」「正答率があまりに低い、間違えても差がつかない問題」の違いを知ることができる点です。
特に後者の正答率は、勉強の効率化にとても有用でした。正答率20%以下の問題は、問題を見極めて必要と判断すれば二度目に復習をする付箋をつけ、あまりに細かい知識や難しい問題と判断すれば、そもそも付箋をつけませんでした。逆に、正答率80%以上の問題なのに間違えてしまったものは、なぜ間違えてしまったのかの理由(ケアレスミスなのか、基礎的な知識に漏れがあったのか)をしっかり研究しました。
私は、憲法の短答が比較的得意だったため、勉強方法を深堀りしてお伝えします。
まず、人権の問題は、判例の事案や判旨をセットで理解しておく必要があります。この部分は、憲法の論文式問題の対策とも重なるため、むしろ論文対策の意識で取り組みました。使用教材は、大島義則先生の「憲法の地図:条文と判例から学ぶ」です。
この教材には条文ごとに判旨が抜粋して掲載されています。判旨のうち、憲法の地図の本文で言及のある個所は、論文に必要な部分であると考えはマーカー、ほか短答で問われた部分は下線と種類を分けてマーキングしました。
事案の概要をみて判旨を思い出しつつ、なんどもマーキング済みの判旨を読み直しました。これは判例の理解にとても役立ち、短答・論文どちらにも生きた勉強法でした。
3 論文式の勉強方法
何よりも最高の教材は、本試験および予備試験の過去問です。これは教授、諸先輩方、予備校の先生、誰もが言っていることです。
ひとつの過去問に対して、教授が解説を書いていたり、再現答案があったり、予備校の先生が受験戦略の観点から解説をしていたりと、色々な視点から合格答案を書けるようになる作戦を練ることができます。そして何より、司法試験委員会から出題趣旨と採点実感が毎年出されていることも大きいです。
過去問以外の問題集をやる暇があるならば、少し壁が高いと思ったとしても過去問に取り組むべきだと思います。
そして、その過去問の勉強法ですが、ひたすら解いて添削してもらう。これに尽きると思います。私は、ロースクール修了後に、週二回大学に通ってランダムに出題される司法試験の過去問を解き、週一回提出した答案を指導員の弁護士先生に添削してもらうというゼミに参加していました。そのゼミには三人の学生がおり、それぞれの答案を見せ合いながら添削指導をしていただきました。
このゼミに参加することで、相対的な自分の立ち位置であったり、答案について再度客観的な視点を得ることができました。ここで勉強したことや話した内容が、偶然にも今年の司法試験に出題されるなどのミラクルも重なり無事三人とも合格することができました。
4 辰已で使用した教材
まとめノートを作成するか、しないか、色々な派閥があるかと思います。私は、既存の教材に書き足す方式ではなく、パソコンを利用して自作でまとめノートを作っていました。テキストのデータでまとめれば、ロースクールで学んだことを書き足したり、逆に試験にそこまで重要ではないなと思ったところを削ったりすることができるなと思ったからです。諸先輩方のなかには、ボロボロになるまで加筆修正を繰り返し、世界に自分だけの趣旨規範ハンドブックを作っている方もいらっしゃいました。しかし、万が一紛失したり、飲み物をこぼすなどで破損してしまった場合、自分のこれまでの勉強の成果が全て水の泡になってしまう危険性があります。そのようなリスクも鑑みて、容易にバックアップが取れるパソコン上での自作ノート作成という手段を選びました。
私が自作でまとめノートの作成を始めた際、まずは骨格として、趣旨規範ハンドブックを参考にしました。趣旨規範ハンドブックに挙げられている重要な判例の文言部分(いわゆる規範の部分)や条文の趣旨の部分をピックアップして自作ノートを作成していきました。趣旨規範ハンドブックには、受験に向けて本当に必要な最低限の知識がしっかりとまとまっているため、どのような論証集よりもコンパクトで受験本番に向けて使いやすいように知識がまとまっています。現在でも、他社の論証集ではなく、趣旨規範ハンドブックを骨格にして自作のまとめノートを作成してよかったと思っております。
趣旨規範ハンドブックのオーソドックスな使い方ではないかもしれませんが、自分なりの使い方を紹介させていただきました。
5 辰已の全国公開模試
私は、最も受験者が多い他社の模試と、辰已の模試の2種類を受験しました。その上で考えるに、辰已の模試の完成度はとても高く値段相応の価値があるし、辰已の模試こそ受験する価値があると思います。
まずは、答案添削の詳細さです。他社の模試と比べて、辰已の模試の添削指導ではとても親身になって添削してくださいました。それはコメント量を見れば一目瞭然であるのですが、それだけでなくどのように修正すれば合格に近づくのかということをしっかり記載してくださいました。受験直前期で精神的にも追い込まれている中で、あまり納得できないようなコメントをされると辛いと思います。辰已の模試ではそのようなことはありませんでした。
次に、模試の問題や回答解説の教材をPDFにて配布してくださる点です。受験時に重い荷物を持って帰らずに済むだけでなく、パソコンでまとめノートを作成している私にとっては、容易にコピー&ペーストをしてまとめ教材に貼り付けられるためとても便利でした。受験直前期で、まとめノートに書き写す時間さえ惜しいという状況で、PDFでの配布はとても助かりました。
加えて、試験後の解説授業の丁寧さです。これも他の模試とは群を抜いているレベルの高さでした。実績のある講師陣の方が、模試の問題を使って司法試験本番での問題の読み方などをじっくりと解説してくれたことで、より本番でのイメージが掴めるようになりました。時間も長すぎず短すぎずでちょうど良い長さで視聴することができました。
最後に、評価の精度です。他社の模試では、とある科目でなぜかE評価となりました。自分なりに出題趣旨や採点実感を分析し、指導の先生とも相談してこのような書き方をすれば点数がつくと考えて取り組んだのに、それが全て否定されたような気持ちになりました。しかし、辰已の模試では無事A評価をいただけて、本番の司法試験でもA評価(中でも相対的に上位の方)をいただけました。
他の科目でも、他社の模試では全く模試の評価と本番の評価が比例しませんでしたが、辰已の模試ではほぼ比例していました。点数の項目表の作り方や出題の仕方などのコツだけでなく、司法試験で評価される答案がどのようなものかを理解した講師陣が問題を作成した上で答案の添削をして点数を導いている模試だからこそなのだと考えております。
これから司法試験を受験する方には、是非とも辰已の全国公開模試の受験を強くお勧めします。
6 受験生へのメッセージ
自分としては、辰已の短答過去問パーフェクト、趣旨規範ハンドブック、全国公開模試がなければ合格できなかったと思っております。また、辰已の西口竜司先生のyoutubeなどの動画では、勉強の仕方や各科目を学ぶことのできる動画だけでなく、精神的に強くなれる勇気のでるものがたくさんありました。受験直前ギリギリまで西口先生の動画に励まされていました。是非お勧めします。
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辰已は羅針盤です
一橋大学法科大学院【既修】2023年入学 2025年卒業予定
2023年予備試験合格
【受講歴】スタンダード論文答練福田クラス 全国公開模試 他
