司法試験

  1. ホーム
  2. 司法試験
  3. 合格者・受講生の声
  4. 在学中合格!短答式試験でひたすら稼ぐインプット型学習法!

在学中合格!短答式試験でひたすら稼ぐインプット型学習法!

Y・Kさん
受験歴: 1回
慶應義塾大学大学院【既修】
【受講歴】全国公開模試
2024年度

1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり

 私が司法試験の受験を志したのは、30歳の時です。

 私がCFOとして働いていた会社で、法律問題(交通事故、著作権など)が多く発生した時期がありました。当時私はバックオフィス全般を担当していたため、私のところにかかる法律相談が持ち込まれたのですが、当時の私は法律に疎く、満足のいく回答ができないという大変悔しい想いをしました。そこで、私は法律の専門家となるべく、司法試験の受験を決意しました。

 私は法学部出身ではなく、法律の勉強を本当に一から始めるという状況でした。当初は予備試験の合格を目指して勉強を開始したのですが、残念ながら1年目、2年目ともに論文式試験で不合格となり、予備試験のハードルの高さを強く感じました。

 2年目で不合格となった際、3年目も引き続き予備試験一本でいくか、それともロースクールに進学すべきかという点で大変悩んだのですが、改めて初心に戻ったところ、私の目標はあくまで「司法試験に合格すること」であり、そこに至る過程の重要性は高くないことに気付きました。そこで、引き続き予備試験一本でいくことは辞め、急遽ロースクール入試へとシフトすることにしました。そして、勉強開始2年目のロースクール入試で合格を頂けたことから、慶應義塾大学ロースクールの既修コースに進学することになりました。

 私は、司法試験受験までの勉強計画を入学時点で概ね固めていたため、入学後は粛々とその勉強計画を消化していくことになりました。もっとも、ロースクールでは中間・期末テスト対策や予復習に一定程度の時間を割く必要があるため、想定よりも勉強計画の進捗は芳しくない状況が続きました。勉強の遅れが出ている状況は精神的にかなり良くなかったのですが、冬休み等の纏まった勉強時間を取れる時期に集中して取り組むことで当初計画していた進捗に概ね戻すことができ、なんとか司法試験直前期には計画を全て消化することができました。

 このような状態で令和6年の司法試験を受験し、結果として無事に司法試験に合格することができました。

2 受験対策

①辰已講座の利用方法とその成果

 私は短答対策として、『短答パーフェクト』をメイン教材として使用していました。もっとも、私は本試験当日にピークを持っていくためには、直前期に一気に復習できる状況を作っておく必要があると考えていたのですが、『短答パーフェクト』には大量の過去問が集積されており、これをそのまま直前期に周回するのは不可能だと判断しました。そこで、私は直前期に一気に復習するためには情報の一元化が必須であると考え、当時使用していた基礎テキストに『短答パーフェクト』の情報を集約するという作業を行いました。これにより、過去問で出題された知識を単元ごとに網羅的にインプットすることが可能となったため、直前期にはこの基礎テキストを何度も読み込み暗記するということを繰り返しました。

 これにより、予備試験の短答式試験では140位(200点)、司法試験の短答式試験では100位(149点)という高順位を達成できたため、『短答パーフェクト』の網羅性には大変助けられたと感じています。

 もっとも、情報の一元化作業には毎日10時間程度、約4ヵ月と大幅な時間を割いたため、「ある程度時間に余裕のある方」や「確実に短答式試験で高得点を取りたいという方」に向けた勉強方法になるかなとは感じます。

 また、私の周りにはひたすら問題を解いて身に付けるアウトプット型の人と私のようなインプット型の人がいたため、私の勉強方法はインプット型の方に向けたものとも思います。

②「私がやって成功した方法」「私のノート作成術」「私のスケジュール管理方法」等々

 前述のように、短答式試験については『短答パーフェクト』を用いて情報の一元化作業を行いました。また、論文式試験についても、論証集に過去問の知識等を適宜集約することで、情報の一元化作業を行いました。司法試験は短答・論文試験ともに範囲が膨大であるため、試験を念頭に置いたこのような一元化作業は必須になってくるものと私は考えました。

 また、司法試験に向けたスケジュール管理としては、「合格水準に達するために自分に足りないものは何か」、「それを補うためにはどのような勉強をすべきか」、「その勉強にはどの程度の時間が必要か」などについて、自分の過去の勉強を振り返ったり情報収集をすることで各々具体化するという作業を行いました。自分の弱みに焦点を当てることになるため、目を背けたくなる作業ではあるのですが、合格のためには絶対に必要な作業だと考えていたため、取り組むことを決意しました。もっとも、いざ取り組んでみると合格までにやるべきことが明確になるため、勉強方針の大枠はブレなくなるというメリットもあり、精神的に安定してそれ以降の勉強には取り組むことができたと感じています。

③私が使用した本(基本書か辰已書籍の中で役に立ったものに限る)

 前述の通り、短答式試験対策において、私は『短答パーフェクト』に大変助けられました。『短答パーフェクト』には各設問を解く上で必要な知識が詳細に掲載されているため、解説を読むことでその設問を解くために必要な知識等が明らかになります。私は当時使用していた基礎テキストに情報を適宜反映するべく、解説の中でも特にエッセンスになる部分をピンポイントに取り出し反映していたのですが、この作業を繰り返すことで、自然と制度趣旨や短答式試験で問われる知識の確度などが自分の中で集積されていったものと感じています。

3 自己の体験を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

①LS在学生へのアドバイス(在学中にやっておくべきことなど)

 在学中受験が始まったことで、既修の場合は入学から僅か1年ちょっとで司法試験を迎えることになります。私も自分が在学中受験をして思いましたが、体感的には入学から一瞬で本試験がやってくるという状況です。そのため、時間の制約を念頭に置きながら、自分が本試験までに「やること」は勿論、「やらないこと」も決めるというのが大事になってくるかと思います。

 例えば私の場合、必要な知識さえ知っていれば起案自体の練習はしなくても一定程度の答案が書けるタイプであったため、フル起案はほぼしないということを決めていました。その代わり、試験対策上必要な知識を網羅することを念頭に置いた勉強を意識していました。他にも、友人の中には「司法試験の過去問は直近7年分しかやらない」と決めている人もいました。司法試験の勉強ではやるべきことが無数にあるため、自分の可処分時間との関係で納得のいく取捨選択をすることが、精神衛生上もかなり大事になってくると感じています。

②来年初めて受験する方へのアドバイス(試験当日までの過ごし方など)

 司法試験は中日があるものの、5日間にも及ぶ長丁場の試験です。2日以上の日程を要するペーパー試験はほとんどないと思うのですが、この5日間では日々のメンタルケアが大変重要になってきます。例えば初日であれば、対策が手薄になりがちな選択科目、事前準備があまりできない憲法など、安定しにくい科目が多く控えています。そのため、事前にある程度失敗した時の状況を想定しておくのが大事になってくると思います。そうすることで、次の科目に向けた頭の切り替えができやすくなり、前の科目の影響をあまり受けずに次の科目に進みやすくなるかなと思います。

 一方で、現在の司法試験は、2、3科目でD,E評価を取ったとしても合格水準には全然乗り得る状況です。そのため、1,2科目失敗しても全然大丈夫という気持ちで本試験に臨むことも大事かと思います。私も、直前期に合否のボーダーラインについて調べることで、「多少失敗しても全然大丈夫!いける!」という気持ちを持つようにしていました。

③来年のリベンジ合格を目指している方へのアドバイス(試験当日までの過ごし方など)

 とにもかくにも、まずは「恥を捨てて答案を合格者や講師の方に見てもらう」ことに尽きると思います。官報などに合格者が掲載されてしまうため、ロースクールにいると同級生の合否の結果が分かってしまうのですが、「勉強方針が間違っていそう」と感じる方がやはり一定程度います。自分の弱みを見せることになるため、精神的に辛い作業かとは思うのですが、答案を一人で書いていても自分を客観視することは難しいため、これは必須になるのではないかと思います。一方で、自分の弱みさえ分かればそれを修正していけばいいだけなので、早めに自分の修正点を把握して愚直に一つ一つ修正していく。これだけで、一年後には合格ラインに間違いなく乗っているかと思います。

 同級生が先に合格してしまい、自分だけ置いて行かれたような感覚になっている方もいるかもしれませんが、挫折した経験のある方は間違いなく人間的にその後大きく成長します。幸いにも法曹業界は後輩に優しい文化が醸成されているので、『勉強方法を聞いてみたい』と思える人がいる場合には、自分から積極的にアプローチするのも良いと思います。

④社会人受験生へのアドバイス(限られた可処分時間の有効な活用法)

 可処分時間が限られている中、本試験から逆算することで「やること」と「やらないこと」をより洗練させることが大事になってくると思います。また、インターネット上では成績優秀者の方が目立つ傾向にありますが、成績優秀者とボーダー合格の方では勉強方法や戦略がかなり異なっていたりするので、理想論を大事にしつつ、自分の目指す合格者像に近い方のお話を聞くことも重要かと思います。

 また、比重は少ないものの社会人としての仕事を並行しながら勉強に取り組んでいた経験から、周囲の方々の理解が必須であると私は感じています。現行の司法試験は旧司法試験に比べれば難易度は下がっていると思いますが、それでも文系最難関試験であり、合格までの道のりは容易なものではありません。その中でもあえて司法試験を目指されている社会人の方は、本当に人生を懸けて取り組まれていると思います。そのため、より良い勉強環境を構築するという意味で、周囲の方々との関係性を調整することも勉強と同じくらい大事になってくると強く感じています。

関連記事

辰已は羅針盤です

木谷 晋輔
受験歴: 1回
早稲田大学第一文学部
一橋大学法科大学院【既修】2023年入学 2025年卒業予定
2023年予備試験合格
【受講歴】スタンダード論文答練福田クラス 全国公開模試 他
2024年度

社会人初学者の合格体験記

R.K
受験歴: 1回
京都大学教育学部
2023年予備試験合格
【受講歴】最後のすべらない講義 全国公開模試 他
2024年度

司法試験逃げ切り戦略

M.R
受験歴: 1回
東京外国語大学
慶應義塾大学法科大学院【既修】2023年度入学 同年退学
2023年予備試験合格
【受講歴】予備試験スタンダード論文答練(松永クラス) 他
2024年度

人生100年時代、64歳で予備試験、司法試験に合格!

加藤 洋一
受験歴: 1回
東京大学
2023年予備試験合格
【受講歴】スタンダード論文答練(西口クラス)
2024年度
各種サービス
  • YouTube
    チャンネル

  • メルマガ登録

  • 辰已のアプリ

Page top