司法試験

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手を広げすぎないことを心がける

櫻井 美佐子(仮名)さん
受験歴: 1回
上智大学法学部
一橋大学法科大学院【既修】2021年入学
【受講歴】スタンダード論文答練 全国公開模試 他
2023年度

1 司法試験を受験した経緯

 高校生の時に弁護士のドラマを見て、かっこいいと思い軽い気持ちで法学部に進学しました。その後、進路について悩んでいるときに、国際的な企業法務を扱う弁護士の先生のお話を聞き、とてもやりがいがありそうだと感じ自分もそんな仕事がしたいと思ったため、司法試験の受験を決意しました。

2 法科大学院受験前の学習状況

 私は、法科大学院入試と並行して予備試験も受験していたため、法科大学院入学前には一通りインプットは終わっていました。インプットとしては、予備校の基礎講座を受講し教科書を読み込むことをしていました。アウトプットについては、法科大学院入試の過去問や予備試験の論文式試験の過去問を起案したり答案構成したりしました。

3 法科大学院入学後の学習状況

 法科大学院に入学してからも、司法試験対策は主に予備校教材を用いておこなっていました。ただ、法科大学院の授業でも司法試験対策につながる知識を得られる機会は多くあるため、授業で得た有用な知識は、自分のまとめノートや論証集等に書き足すようにしていました。

 また、法科大学院には、自分と同じくらいのレベルの学生がたくさんいます。そのメンバーで自主ゼミを組み、司法試験の過去問等を起案しお互いに添削し合うこともしていました。普段は予備校の添削以外では他人に文章を読んでもらう機会があまりないため自主ゼミはペースメーカーにもなり本当に良かったと思っています。

4 受験対策として使用した本

⑴ インプット面

 インプットには、主に予備校の教科書を使用していました。とくにこだわりはありませんでしたが、図が入っていたり重要部分が赤字になっていて読みやすい教科書を選ぶようにしていました。もっとも、予備校の教科書だけでは足りないと感じる科目もあったため、そのような科目については基本書も使用していました。具体的には、基本行政法、会社法と民事訴訟法のリーガルクエストを使用していました。基本書を使用する際には、通読すると時間がかかりすぎてしまうため、わからない部分や重要部分だけを選んで読むようにしていました。

⑵ アウトプット面

 アウトプットは、司法試験の過去問や後述する辰已のスタンダード論文答練を主に用いていたため、演習書等はあまり多くは使用しませんでした。使用したものは、基礎演習行政法、Law Practice会社法、民事訴訟法です。これらの演習書は比較的短時間で解くことができる良問がそろっており、法科大学院の授業期間にもこなすことができて良かったと思います。演習書を用いる際も、最初から最後まで全ての問題を解くのではなく、自分の苦手分野や司法試験で頻出の範囲を選んで解いていました。

5 受験対策として行った方法

 私は、とにかく手を広げすぎないということを意識しながら勉強していました。法科大学院に在籍していると、いろいろな教科書・演習書の情報を得る機会が多くあります。また、授業では判例や通説以上の踏み込んだ内容に触れることも多いです。そのような環境にいると、あれもこれもやりたくなり何冊も教科書や演習書を買ってしまいどれも中途半端になってしまうということに陥りがちです。そのようなことにならないように、自分で決めた各科目1冊の教科書をやり込むことにしていました。友人たちから演習書等をすすめられても本当に余裕があるときにパラパラと眺める程度にとどめていました。

 また、短答式試験の結果がかなり重要だということを先輩から聞いていたため、短答式の勉強に時間を多く使いました。具体的には、辰已の短答パーフェクトを何度も解き、苦手な分野はインプットに戻るという勉強を繰り返していました。

6 受験対策として活用した辰已の講座

 私は、スタンダード論文答練の第2クールと全国公開模試を受講しました。スタンダード論文答練は名前の通り、難しすぎないスタンダードな内容が問われるため、自分に基礎的な力がついているのかということを確認するのに最適な答練です。私は、隔週のスタンダード論文答練にむけてインプットも行っていたため、本当に良いペースメーカーになったと思います。問題の内容も、その年の司法試験で出題される可能性が高い判例や論点が出されるため、スタンダード論文答練を受けて、復習することはかなりのアドバンテージになると思います。また、自分ひとりだと起案をするときにカンニングをしたり時間をまもらなかったりということがありがちですが、辰已の校舎に行って本番の試験と同じ条件で解くことができたことも、良い練習となったと思います。答練の結果や添削も比較的早く返ってくるため、復習もスムーズにできた覚えがあります。

 全国公開模試は、本番と同じ環境で受けることができ本番と同じ緊張感を味わうことができたため、リハーサルとして受けて本当に良かったと思います。特に辰已の全国公開模試は、本番の試験とレベルが似ており、自分の現時点での受験生の中でのレベルを知る上でも有効だと思います。また、復習講義や受講者特典等も充実しており、辰已の経験豊富な先生方が、過去のデータや試験委員を分析したうえで様々なアドバイスをしているコンテンツもあったため、直前の勉強方針を決めるうえで本当に助かりましたし、精神的にも安定材料になりました。

7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

 まず、私の1番の反省としては、短答にもっと重きをおくべきだったということです。司法試験は、論文式試験の点数は調整が入りますが、短答式は自分が獲得した点数がそのまま加点されます。短答式で140点や150点をとれば論文式試験のミスをカバーすることもできるため、法科大学院の授業で時間がない方も、毎日少しでもよいので早くから対策を始めることを強くお勧めします。

 また、法科大学院に入学すると、忙しく、基礎的な知識のインプットや論証の暗記等をする時間をとるのは難しいと思います。私も、法科大学院在籍中の2年間は授業で必要なもの以外は、ほとんどインプットの勉強をすることができなかった結果、司法試験の直前に1から覚えなおすという結果になり、大変苦労しました。そのため、法科大学院に在籍されている方も、忙しいかと思いますが、1日に10分程度でもインプットの勉強を入学後も継続したら良いと思います。

 勉強内容以外の面では、ペース配分がとても重要だと思います。私は、法科大学院の授業が12月末で終わり、1月から自由に勉強できたのですが、最初に飛ばしすぎ、3~4月にペースダウンしてしまった結果、模試の準備や復習が満足にできない結果となってしまいました。法科大学院修了後に司法試験を受ける方には、超直前期までは週に1日は勉強を休む日を設ける等、ペース配分を考えることをお勧めします。

8 最後に

 司法試験は、試験範囲も広く勉強期間も長いため、途中で何回か挫けそうになるタイミングもあるかと思います。私自身、直前期に勉強が嫌になり、2~3日勉強しないということが何度かありました。しかし、そのようなことを繰り返しながらでも、最後まで何とか耐えることができれば、必ず合格できると思います。また、合格すれば周りの人も本当に喜んでくれます。

 最後まで諦めずに頑張ってください!!

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