複数回受験生でも、指導を素直に受けとめ真摯に対策すれば合格できる
1 司法試験の受験を決意した経緯
大学時代は司法試験には一切興味がなく、卒業後は公務員として勤務していました。
仕事を通じて弁護士を目指してみようと思うようになり、司法試験の受験を決意しました。
2 法科大学院受験前の学習状況
大学は法学部でしたが、政治学・行政学が中心の公務員を目指すコースに入っており、法律の勉強はわずかしかしていませんでした。
また、約10年間公務員として勤務しており、学問的な法律の勉強は一切せずに法科大学院へ入学することとなりました。
3 法科大学院へ入学後の学習状況
法科大学院在学中は授業の予習復習に追われ、原級留置せずに卒業することでいっぱいいっぱいでしたので、予備校利用も一切なしでした。
1回目不合格後、他の予備校の基礎講座を受講するなどして、司法試験の勉強を開始しました。4回目受験までは合格者に話を聞いたり添削してもらう等してアドバイスの共通点を中心に自分なりの対策を練って実行していましたが、結果が出ませんでした。
4 受験対策としてとった辰已講座の利用方法とその成果
(1) 西口小教室(プレケア、スタ論、ゼミ、LASTコーチ、全国模試)の受講理由
結果が出てない以上、自己の弱点分析と対策は誤っている可能性が高いと思い、様々な受験生を見てきた受験のプロに確認してもらえる個別指導orゼミが有効だと考えました。
そこで、長年の受験指導歴がある西口竜司先生が指導者であり、昨年度12人中11名合格輩出した西口小教室であれば、指導方針自体は大多数の受験生に効果的で誤りは少ないだろうとの判断し、受講することとしました。
(2) プレケアの利用方法とその効果
西口先生による前年度司法試験合格者の再現答案B答案の徹底分析により、各科目ごとに合格答案として必要な事項の洗い出しができ、合格答案の最低限ラインが把握できました。
復習時に、昨年の自分の再現答案と最低限ラインとの比較をして、弱点分析と対策ノートに科目ごとに記載して合格に必要な事項を具体的に把握するようにしていたので、10~11月の早期の段階で合格までの距離が明確化しました。
(3) スタ論西口クラスの利用方法とその成果
ア 的確な弱点分析と対策
西口先生は、弱点分析とその対策を丁寧にすることを何度も何度も指導され、その弱点を妄信せず複数あることを自覚するよう書きだすことを求められました。
そして、答案作成において達成すべき事項を強く意識して臨むために、答練の開始時間直前に対策ノートを見て、その答練での目標を答案用紙に記載することで、その自分の目標が達成できているかどうかを含めて指導してもらうことができました。
また、その目標以外にも達成すべき弱点を先生が指摘してくれるので、自分の弱点とその具体的対策について、答練で実践訓練をすることができ、合格のために自分がすべきことを徹底的に対策することができました。
これにより、特に問題文の読み方や問いへの答え方は飛躍的に改善されていったと思います。
イ 受験生の答案レベルの相場と自己答案との比較による合格答案の把握
答練終了後の解説では、指導に適する受験生の答案がピックアップされ、大半の受験生が書いているであろう事項(合格に必要な最低限のライン)と加点部分の指摘が具体的になされます。
自分の答案がピックアップされなくても、答案作成直後であり自分の作成した答案の記憶も鮮明であるので、合格答案と比較の上、何が自分に必要であったかがすぐに判断でき、その日のうちに問題点の把握、復習ができます。
この有効な復習により、合格答案作成への道筋が明らかになりました。
(4) 小教室(ゼミ)の利用方法とその成果
ア 受験生の相場のより正確な把握
複数の受講生の答案がピックアップされ、自分でそれらを簡易添削・順位付けすることで、自分の現在地が正確にわかります。
また、私は問題を深く考えすぎていることを先生から指摘されていたのですが、他の受講生の答案添削や意見交換、先生のコメントを通じて、もっと割り切った答案戦略をとるべきことに何度も気づかされました。
この気付きがなければ今年の合格はなかったと思います。
このように受験生の相場をより正確に把握することで、自分の弱点克服のための対策内容も正確に行うことができました。
イ 小教室受講生との励まし合い
小教室では、西口先生より様々な課題(答練の書きなおし・答練の問題と関連する過去問起案・定義の暗記等)が出され、一人では挫折してしまうほどしんどいものでした。
しかし、ゼミ生と励ましあい、ときには愚痴を言い合って、一緒に課題を乗り越えることができました。これは大きな力になったと思います。
(5) 全国模試の利用方法とその成果
スタ論・小教室の復習時に毎回弱点分析と対策を更新していたので、全国模試とラスト答練ではその弱点克服の特訓した成果を出す場面として、本番同様の気持ちで臨みました。
これらの模試では、問いに真正面から答えることという最大の弱点が克服され、総合A判定であり、西口先生からも絶対合格と太鼓判を押されました。
これは半年間やってきた対策が結果に表れたものとして、大きな自信となりました。
(6) LASTコーチの利用方法とその成果
全国模試後本番までの間に、最後の指導としてLASTコーチがあるのですが、ここでは、指導というよりも、弱点は克服されているので、自分の作成した弱点分析と対策シートを繰り返し見て強い意識を維持することで合格できる旨のエールをいただき、大変心強くなりました。
また、受験生が不安になりがちな超直前期に、不安をかき消してくれる熱血の応援動画を届けていただきました。先生自らも苦労したとのことで、受験生の立場を深く理解した熱いものでした。
これにより、自信をもって試験に挑むことができました。
5 受験対策として成功した方法
(1) 短答対策
自分が間違えた問題(辰已の27年度版短答パーフェクトとそれ以降は単年度版)に付箋を貼っていました。
正答率が高くみんなができる肢には赤色、類似の問題があって勘違い・混同して間違った肢は緑色、読み間違え・読み落とししやすい肢は黄色、些末な知識問題は青色、といったように、間違えた理由を一目見てわかるようにしていました。
赤と緑は年末と答練終了後の3月に2回(問題した日と次の日にも見ているので厳密には4回)、黄色は問題をするというより、なぜ読み間違いをするのか分析を1回、そして、青色はその肢だけ問題を解くということはせずに試験1か月前に全問題を解くときに軽く解説を見るという方法でしました。
(2) 論文対策
ア 弱点分析と対策を徹底すること
答練・ゼミだけでなく、課題として出された過去問の答案作成をした際にも、自分で簡易添削を行い、弱点分析・対策シートに書き加えていきました。
同シートを試験数週間前という直前期だけでなく、試験開始数十分前の超直前にも見直すことで、自分の弱い部分を強く意識して試験に臨むことができました。
それだけ強く意識した上で訓練を重ねないと、自分の弱点は対策できないものだと思います。
イ 受験生の相場観を養うこと
前記のとおり、小教室で相場観を養っていましたが、論点という意味での相場観については、辰已の趣旨規範ハンドブックの星印の論点をチェックしました。
趣旨規範ハンドブックの記載通りに覚えなおすということをすると負担が大きいので、論点表として使用し、最新の判例を確認するという使用方法です。
6 受験対策として使用した本
短答対策では短答パーフェクトを使用しました。
論文対策では、某予備校の基礎講座のテキストをベースにして、上記の通り趣旨規範ハンドブックを使用しました。
また、苦手科目である民事訴訟法については、これに加えて判例百選のAランクのものだけ見直しました。
7 これから受験する人へのアドバイス
私は司法試験を何度も落ち、自分の弱点分析と対策が誤っている可能性が高いことを自覚していたので、西口先生の指導を素直に受け入れることを心掛けていました。
指導の中で、自分には問いに答えることの他、暗記を毛嫌いしていたため、特に苦手科目である民事訴訟法で定義等基本的事項が弱い分野があるとの指摘を受けたのですが、頭の中で一瞬「こんな定義、覚える必要ないだろう」との考えがよぎりました。
しかし、これまで自分の考えで勉強してきて失敗続きだったのだから、今回はできる限り先生の指導に食らいつこうと思い、素直に受け入れ実践しました。
この真摯な姿勢が合格へとつながりました。
特に、3回目以降の受験生は合格率がかなり低いという傾向があることから、自分の試験に対する考えがずれていることが多いと思います。
自分の中で要・不要な事項を考えることは大事ですが、その事項が多数の受験生も優先的に取り組むことである場合には、逃げずに真摯に精いっぱいの努力をすべきです。
辰已法律研究所 受講歴
・スタンダード論文答練 西口クラス(第1・2クール)
・西口小教室
・西口最終調整LASTコーチ
・司法試験全国公開模試