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辰已法律研究所に支えて貰ったロースクール生活と司法試験

T.Kさん
受験歴: 新試験2回
関東学院大学法学部
関西学院大学法科大学院【未修】、2016年入学・2019年修了
【受講歴】予備試験スタンダード論文答練(第1・2クール) 他
未修者リベンジ合格

1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり

1 大学3年生時点では父の職業である地方公務員を目指していました。しかし、大学3年生の秋,父を突然亡くしたときに法律問題が身に振りかかってきました。街の法律家に相談へ行ったところ、快い相談を受けることができずたらい回しにされました。父を失った不安な心境のときに、たらい回しにされるのは心細かったです。自分でなんとかできるようになるために法曹を目指そうと思いました。
 偶然なのですが、父は生前母に私が司法試験を目指すならば法科大学院に通わしてもよいと言っていたそうです。はじめて父の私に目指して欲しい像と私が目指したい像が一致したと思い司法試験を目指しました。

2 まずは予備試験ルートを目指し、基礎講座を終わらせたのですが、論文式試験の壁に当たりました。基礎講座からアウトプットへの移行が上手くできなかったからです。そこで、司法試験の勉強2年目用にセッティングされた論文への移行をメインとした辰已法律研究所の講座を受講しアウトプットの技術を磨き、その技術を予備試験スタンダード論文答練で実践し、さらに辰已専任講師・弁護士の村上貴洋先生のゼミを受講しました。
 基礎講座からアウトプットへの移行の勉強がスムーズに移行しはじめた時点で、予備ルート以外の選択肢も考えたので法科大学院の入試を受け、学費免除を頂けたので法科大学院ルートに進みました。

3 法科大学院の最初の年は勉強に慣れず、1度留年し、修了後も1度司法試験に失敗し、2度失敗を重ねました。失敗を重ねた理由は、試験テクニックを上手く掴めなかったからです。2度目の失敗時に、過去問と百選等にしぼりつつ、前記2で培った技術を活かし、勉強を続けたことで合格できたと思っています。

2 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)

1 上述したものと重複しますが、司法試験を志したのは大学3年生に父を亡くした後からでしたので、それまで法学部出身といっても司法試験の勉強に耐えうる勉強をしていませんでした。大学4年の春から予備校の基礎講座を受講し、大学卒業1年目に予備試験突破を目指したのですが、短答式試験も突破できず論文の勉強も上手くいきませんでした。

2 ちょうどその頃、予備試験短答式受験会場の帰りに頂いた辰已のパンフレットを眺めていたのですが、そこでインプット終了後で論文式の問題へ上手く移行できない人向けの講座と予備試験スタンダード論文答練の存在を知りました。それが、合格へ欠かせない出会いだったと思います(辰已法律研究所は色々なニーズにあわせた種々様々な講座を開講されています。行き詰ったときにパンフレットを見れば、乗り越えるための講座を見つけられると思います。)。
 実際、インプットの知識そのものだけでは論文への移行が上手くいきません。しかし、辰已法律研究所の専任講師の先生方は試験合格のための必要な情報を多数把握しております。辰已専任講師の講座を受講し論文式試験への移行の一助とし、次に、予備試験スタンダード論文答練でアウトプットの訓練をしました。

3 法科大学院入学後の学習状況

1 授業について
 現在ではカリキュラムが変わり新司法試験にも活かせる授業編成(新キャリキュラム)がされていますが、当時は新司法試験に関連しない科目や関連する科目であっても新司法試験に活かせないようなキャリキュラム(旧キャリキュラム)だったので苦労したのを覚えています。当時は、予習課題・レポートに努めるのに精一杯でした。

2 テストについて
 法科大学院では、春・秋の2学期に分かれており、各学期に中間・期末の2回のテストがあるので、1年で計4回の試験があります。テスト時には、テストで書かなければならない規範を事前に暗記しなければなりません。そのため、覚えなければならない規範は何度も暗記することになり、長期記憶することができました。

4 受験対策として辰已講座の利用方法とその成果

 短答式試験については、後述の第5で触れます。
 ここでは、論文式試験について触れたいと思います。
 まず、論文式の試験については、大きく①基礎段階②アウトプット移行段階③応用移行段階に分かれると考えています。①基礎段階では、予備校の基礎講座やロースクール1年未修の授業のようにインプットがメインで、講義や授業に耳を傾け、書籍を読み込めば自然と身に付きます。しかしながら、②アウトプット移行段階では、基礎講義や授業に耳を傾けたり、書籍を読み込んだりしても中々身に付きません。
 そこで、前述した2年目用に用意された講座を受講し、インプットからアウトプットへ自然に移行させました。またそれと並行させ、アウトプットに慣れるために予備試験スタンダード論文答練を受講し、自らのアウトプットへの移行が上手くいっているか確かめました。辰已の答練には、詳細な採点シートがついています。どのようなところを厚く書けば点数が伸びるのかメリハリが分かるようになり、このことは合格した司法試験の時まで生きていました。
 なお、答練の添削にはバラつきがあるのも事実です。添削者の思い浮かべた模範答案と、答練で提出した答案が一致すれば良い評価を与え、答練で提出した答案と一致しなかった場合には仮にその筋が正解だとしても評価されないことがあります。私は、答練と並行して辰已専任講師の村上先生のゼミを受講し、村上先生独自の丁寧な採点をしていただくことでそのような悩みを解消させ、論文力の向上につながりました。
 また村上先生の技術を盗むことができた他、他のゼミ生の優秀答案に触れたことで、全国的な合格答案の水準を知ることができました。さらに、ゼミ生つながりができたことにより受験情報の獲得やモチベーションの維持にも良い結果をもたらしました。

5 受験対策として辰已書籍を利用した短答式・論文式対策

1【短答式】
 短答式試験の勉強は①インプット段階②記憶維持段階の2つに分かれると思います。
 短答式試験は論文ではでない短答式特有の問題や過去問の類題が出ることが多いです。これらの問題は、無論基本書を読み基礎を身につければ解けないことはありませんが、簡捷にすませるためには過去問をやり込むのが手っ取り早いです。
 私はもっぱら辰已書籍である短答過去問パーフェクトを愛用していました。毎日、夜19時~22時までは択一を勉強する時間と決めていて、①憲法と刑法を1年分やる日②民法1年分をやる日というように①と②を交互に回していました。パーフェクトの最後の年度別に問題番号が振られている部分のスペースに間違った問題は×をつけ、ある程度の年度を回したところで×とついた部分だけ解きなおすという勉強をしておりました。
 そして法科大学院在学中に予備試験に挑戦しましたので、その際の模試として辰已の予備試験総択を受講しました。当該模試で過去問にない新問に触れ、真の実力が把握できましたので、苦手科目のみ辰已の短答式総まくり講座を受講し弱点補強に努めました。その年の予備試験の短答式試験も突破し、翌年の司法試験も短答式を突破したので、パーフェクト&短答式総まくり講座の受講は大変おすすめです。

2【論文式】
 私は一元化教材として趣旨規範ハンドブックを使っていました。論文式試験については、過去問研究と百選、簡単な基本書対策で足りると思うのが持論ですが、日々勉強したことについては日が経つにつれて忘れていってしまいます。そこで、勉強したことをすべて趣旨規範ハンドブックの空いているスペースに書き込んだりポストイットを貼ったりし使っていました。私の趣旨規範ハンドブックには私が学んできたほぼすべてのことを書き込んだつもりなので、手元から離れることがあった場合には取返しのつかないことになってしまいます。そのため、管理は厳重にしていましたが、それくらい重要な一元化教材として使用していました。

6 最後に自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

 私は法科大学院を1度留年し、司法試験も1度不合格という、2度の挫折をしています。
 司法試験の受験にはある程度厳しい勉強をしなければならないのも事実です。
 しかしながら、司法試験は過去問・百選・基本書から学びとれる最低限の知識さえあれば受からない試験ではありません。それらからどのように学び取るかのノウハウは、辰已のインプット終了者向けに用意された講座や、スタンダード論文答練の解説講義の講師やゼミを担当してくださった辰已専任講師の村上先生から学びとることができました。
 辰已法律研究所の講座は東京本校で受講するとLiveで受けられる授業が多く、授業後に適宜講師の先生に質問することができ講師との距離が近いのも特徴だと思います。
 試験の壁にぶつかっても色々な人に相談し、一人で思い悩まないでください。

 全力で挑めば結果がついてくる試験ですので、是非合格を目指して頑張ってください。

7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

1 LS在学生へのアドバイス(在学中にやっておくべきことなど)
 とにかく上記5の「法的三段論法」を習得することが何よりも肝心であり、個人的にはそれこそが合格と不合格とを分けている最大の分水嶺であるとも思います。そのためにはまず、LSの授業は踏まえた上で過去問などの起案演習によって「法的三段論法」のトレーニングを行い、「条文文言→趣旨→規範」という思考回路、および「当てはめにおける相場観」というものを徹底して身につけておくことが何よりの近道となるはずです。そして、それを踏まえた上で辰已の答練(できれば福田クラス)に臨み、自身の答案が辰已の「採点表」において良い評価を受けられるのか、もし受けられていないとすればそれはどの点をどう改善すれば良いのか、ということを考え、分からなければ必ず質問する、ということを繰り返してゆくのが、合格に向けた最短ルートとなると思います。LS在学中から、これらのトレーニングで充実した期間にすることで、他の受験生に大きく差をつけることができるはずです。
 なお、司法試験は「頭の良い人」ではなく、「素直な人」が受かる試験であると言われます。自分の頭でうんうんと考えることも大事ですが、それ以上に、辰已の講師の方々が「こういう勉強をしてください」と示した内容を素直にこなし、そのトレーニングを積み重ねていくことが合格への近道となるはずです。
2 リベンジ合格を目指している方へのアドバイス
 残念ながら今回、不合格の結果であったという方は、必ず「どこが駄目だった」という敗因分析を行い、その点を変えたと言える状態で次回の司法試験当日を迎えることが必要であると思います。敗因は、試験当日の答案の内容のみならず、日頃の勉強方法についても見つかるかと思います。私の場合はそれがまさに、上記5の「法的三段論法」でした。単なる「規範定立・当てはめ・結論」という形式のみならず、「条文・趣旨から」規範を導く、「相場観を踏まえて」当てはめ(事実の評価)を行う、ということが習得できておらず、それが2回目の不合格の原因となっていました。その点を変えたことで、1700位台という2回目の順位から、300位台という高順位にまで上げることができたと思います。
 このように、辛い気持ちを堪えて「敗因分析」を行い、その「敗因」を超えることが、リベンジ合格の要件だと思いますので、是非それを頑張っていただきたいと思います。

辰已法律研究所 受講歴

【論文対策】
・予備試験スタンダード論文答練(第1・2クール)
・同村上ゼミ
(ほか多数)

【短答対策】
・予備試験総択
・短答式総まくり
(ほか多数)

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