福田先生のご指導に従って勉強をしていく過程で合格できます!
1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり
小学生の時に天海祐希さん主演の「離婚弁護士」というドラマを見て、主人公の女性の格好良さに憧れ、弁護士に憧れを抱くようになりました。そしてヒューマンライツウォッチ東京代表の土井香苗先生が書いた記事から、弁護士は人権保障のために様々な分野で活動できると知ったことや、憲法の理念に感銘を受けたことから、司法試験の受験を決意しました。
大学1年次からダブルスクール(辰已ではない)をしていたのですが、早稲田で大学生活を満喫した結果予備試験には短答すら受からず、慶應義塾大学法科大学院に進学しました。法科大学院では私は基本的な法律知識が覚束なかった上に、試験で合格点をとれる答案を書くための勉強をする意識が薄かったので、成績も芳しくなく、1回目の司法試験では当然のごとく不合格となりました。それから、複数回受験を経て合格された法科大学院の先輩方に話を聞いたところ、多くの先輩方が辰已のスタンダード論文答練(以下、スタ論)福田クラス(辰已専任講師・弁護士の福田俊彦先生ご担当)を勧めて下さったため、スタ論福田クラスの受講を決めました。そのおかげで、2回目の受験では900位ほど順位が上がり、そのまま福田先生の教えに従い勉強を続けた結果、3回目の受験で合格することができました。
2 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)
ダブルスクールをしていた時は、基本的な法律知識についての講義を消化することに精一杯という状況でした。予備試験の短答や法科大学院の受験に向けて、予備試験短答の過去問や、旧司法試験の過去問を何周か回していました。
3 法科大学院入学後の学習状況(法律学習)
私の要領が悪かったこともあり、毎日の授業の予習と復習に追われる日々でした。授業で扱った箇所への理解は深まりましたが、それぞれの知識を体系的に関連付けて理解する勉強を私はできていませんでした。また、優秀な同期と自主ゼミを組ませてもらい、新司法試験の過去問の検討をしましたが、皆の議論を聞いて当該問題への理解は深まるものの、自分の答案の型の確立や法的三段論法の徹底、より点数をとれる答案を書くための改善点等には意識が向けられていませんでした。
4 受験対策として辰已講座の利用方法とその成果
(1) スタ論福田クラス
スタ論福田クラスを受講するまで、司法試験で合格点をとれる答案というのは、論点漏れもなく精緻で美しい、自分には手の届かない雲の上のような答案だというイメージでした。それに比べて、法科大学院や1回目の司法試験での成績も振るわなかった自分の答案には、根本的な何かが欠落しているのではないかという思いに囚われていました。しかし、福田先生は、採点実感に書いてある優秀な水準なんて無理難題なので目指さなくてよい、不良の答案をとらないことを徹底的に意識すればよいと何度もご指導下さりました。そのおかげで、自分で勝手に上げていた司法試験のハードルが、適切な方向に努力して本番でも適切な振る舞いをすれば、私でも受かる試験だと思えるほど下がっていきました。そして、講義で示される福田先生ご監修の合格答案も、現実的に再現可能なレベルに調整されたものでしたし、講義の中でも福田先生が、ここは書けなければ合格は難しい、一方でここは書けなくても合格には影響がないと截然と分けてご解説下さるため、メリハリを持って復習することもできました。
また、福田先生は、限られた時間の中でそれなりの答案を確実に書くことが大切だと、口を酸っぱくして教えてくださいました。私は完璧主義ゆえに答案構成にいつまでも時間を使った結果、途中答案になる事態が非常に多くありました。しかし、本番での一番もったいない不合格原因が途中答案だという福田先生のお言葉を受けて、全体の答案構成時間と、配点割合から算出される設問ごとの構成時間を予め決め、その時間内に思いついた限りのことを書けばよい、答案の分量そのものより答案の分量のバランスを保つのが大事、という風に考え方を変えました。そのように振る舞いを変えたおかげで、徐々に2時間で答案を書ききれるようになっていきました。司法試験の問題を2時間で完璧に解くのは不可能、それは試験委員もよく分かっている、と開き直ることは非常に重要だと感じます。また、自分の書ける設問から答案を書いて、答案に空欄ができたら斜線で消すという福田先生伝授の技を徹底することで、書くことが分かっていたのにしっかり書けなかったという事態を激減することができ、点数が安定していきました。福田先生が勧めて下さった優秀答案を1頁写経するのも、筆力の向上に繋がりましたし、自分は大体10分弱で1頁が書けると分かることで、本番で残り時間で書ききるために何をどの程度書くかの意思決定が適切にできるようになりました。
そして、辰已の答練の良さは採点表の細かさにもあります。福田先生の教え通り、答練を受けた後には自分の答案を採点表に沿って採点しました。その後自己採点と添削者がつけた採点とを見比べて、自分の認識とのずれを把握し、同じ知識でどこをどのように振る舞ったら50点以上の合格答案が取れたかを復習時に検討し、反省点をまとめた反省ノートを作りました。そして次の答練を受けるに当たっては、その反省ノートを見返して、今の自分の中でとれる最高点を出すことを目標にして毎回起案していきました。その結果、最初は30点台も多かったのが、徐々に50点台前後で点数が落ち着くようになっていきました。私は争点となるところでも法的三段論法を展開せずに認定で済ませてしまい、問題提起や規範の点が全く入らず点数を下げてしまうという癖があったのですが、採点表を強く意識して答案を書くことで、争点では必ず法的三段論法を展開するという振る舞いを身につけることもできました。
(2) 全国公開模試(以下、模試)
私は試験慣れしていなかったことから、本番では緊張により普段通りの力を出せないことが多くありました。したがって、会場や運営も本番仕様の辰已の模試を受け、場慣れができたことは非常に合格に繋がりました。試験が延期されたことで本番までの1年間で計5つの模試を他社含め受けていたので、本番もまるで模試のような感覚で、緊張はしますがパニック等にはならずに、冷静さを保つことができました。また、辰已のヤマはよく当たるので、他の受験生に本番で書き負けないためにも、スタ論や模試の問題は、もう一度出たら書けるようにしっかり復習していました。私は1回の復習に多くの時間をかけていましたが、反復した方が記憶は定着するので、今思えば1回の復習にかける時間はほどほどにして、何回か復習し直した方が良かったなと思います。
5 受験対策として私がやって成功した方法
全科目一応の水準以上の答案を書くためにも、当日のメンタルとの関係でも、苦手科目を放置することは一番良くないと感じました。私は2回目の受験で憲法の権利選択を間違え不良の成績だったことがトラウマになっていたため、自分なりに憲法の権利選択をする際の処理手順を確立し、答練でもその手順通りに起案することで、憲法への苦手意識をなくしていきました。得意な科目を伸ばすよりも苦手科目をなくしていく勉強をすることが、辛いですが大切だと思います。
また、令和2年の試験は延期されたこともあり、モチベーションの維持に私は最後まで苦心しました。結局、自分の意志を過信せず、辰已の答練や勉強仲間との自主ゼミ等、強制的に勉強をする環境に自分の身を置くのが一番手っ取り早いように感じます。特に昨今は新型コロナウイルスの影響で行動範囲も制約されますが、本番の1ヵ月前からは外出を控えるにしても、それまでは感染対策を徹底しつつ、答練や模試はライブで受講するのが試合勘をなくさないためにも大事だと感じました。そして、特に浪人生活はどうしても孤独を感じ、鬱々とした気分になることもあると思います。家族や友人への電話、運動や趣味等、自分の気持ちを上に向けさせてくれるものを意識的に日々に取り入れることも非常に大切であると感じます。その結果、勉強も肩の力を抜いて集中して取り組めるのではないかと思います。
6 受験対策として私が使用した本
(1) 短答過去問パーフェクト(以下、パーフェクト)
短答対策としては、福田先生のご指導通り、辰已のパーフェクトの問題のうち、受験者の上位30%の正答率が70%以上の問題のみを回しました。福田先生は、司法試験に必要な能力のメインは基本的な知識の習得であり、そのためにはパーフェクトを回すことが有効なので、上記問題を完璧に回すようにとご指導下さいました。
(2) えんしゅう本
上記基本的な知識の習得の観点から、民事系は旧試予備試を回すために、辰已のえんしゅう本を利用しました。民事系は知識量がものを言うので、福田先生のご指導の通り、2回目の受験にあたっては、えんしゅう本で問題演習を重ねていました。その結果、2回目の受験までに民事系では安定して点がとれると思えるようになりました。
(3) ぶんせき本及びハイローヤー
新司法試験の過去問を検討した際には、辰已のぶんせき本を用いました。超上位答案よりも、B~D評価の答案を読んで、ここまでは書けなければいけないという基準を把握し、自分の答案と見比べて反省するようにしていました。
辰已のハイローヤーは、他の受験生と差をつけられないように、本番直前のヤマ当てを確認するために読みました。
(4) 基本書
基本書としては、苦手意識があった行政法、刑法及び労働法Ⅲについては、それぞれ基本行政法、基本刑法、LEGAL QUESTを、重要箇所や自分の理解があやふやな箇所に絞って通読し、知識の確認をしていました。
その他の基本書は、通読はせず、主に自分がよく分からない箇所について辞書的に参照していました。通読には時間がかかりますし、試験で合格答案を書けるようになるためには、基本書を通読するよりも、問題演習を繰り返す方が良いと判断したからです。
7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
① LS在学生へのアドバイス(在学中にやっておくべきことなど)
自身の反省を踏まえると、授業の予習や復習で得た知識を市販の論証集に書き込み情報を一元化し、その論証集を定期試験前にはひたすら回して暗記するという勉強法をとれば、司法試験にも直結する勉強ができたなと思います。また、上三法のパーフェクトは少しずつでも毎日回したほうがいいです。
② リベンジ合格を目指している方へのアドバイス(試験当日までの過ごし方など)
試験は水物なので、本番の精神状態や意気込みが大きく点数を左右させます。本番を迎えるにあたり、準備は自分なりにやれるだけやったと思えるように、やるべき勉強の範囲を絞れるだけ絞って、その範囲を反復することで、これが出たら自分は絶対書けると思える事項を増やしていく勉強が大事だと思います。また、1回目の受験では初日前夜になかなか眠れなかったことから、2回目以降の受験では、試験期間中は睡眠導入剤を服用していました。勉強以外の面でのロスはもったいないので、頼れるものには何でも頼っていくべきです。そして、試験本番では、司法試験は相対評価だということを何度も思い出してください。皆が書けるだろう箇所はしっかり書く、難しい問題は皆書けないので形式だけは守る、時間が足りなかった問題は皆足りてないので気に病まないこと、が大切です。相対評価ゆえに自分の感覚と実際の成績は乖離していることもざらなので、書き終わった科目についての反省はシャットアウトして、常に次の問題で1点でも多くとることのみを考えましょう。短答の刑法の最後の1問でも合否は分かれうるので、最後まで絶対に絶対に諦めないでください!
最後に、答練後ほぼ毎回質問やご相談に行った際にも嫌な顔一つせず親身にご指導して下さり、私を合格に導いて下さった福田先生には心から感謝しています。福田先生なしに私の合格はありえませんでした。本当に、ありがとうございました。
辰已法律研究所 受講歴
・スタンダード論文答練 福田クラス
・司法試験全国公開模試