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辰已の書籍を活用し、
自分オリジナルの過去問答案集を作ったことが
勝因です。

松浦 剛志さん
受験歴: 1回
早稲田大学法学部
日本大学法科大学院 【既修】2020年入学・2022年修了
【受講歴】スタンダード論文答練(第1・2クール) 他
既修者一発合格

1 司法試験の受験を決意した経緯

 私は大学の附属高校であったため、なんとなく潰しがきく学部として法学部を選び、進学しました。そのため、大学のときは全く司法試験の勉強はせず、卒業と同時に普通に一般企業に就職をしました。その後、仲のよかった大学の先輩や後輩が法科大学院を経て弁護士になっていくのをみて、自分も挑戦してみようと思い、司法試験に挑戦することにしました。ただし、仕事勤めをしていること、家族がいるため仕事を辞めて昼開講の法科大学院に入ることができなかったことから、夜間開講をしている日本大学法科大学院を受験し、入学しました。

2 法科大学院受験前の学習状況

 日本大学法科大学院の入試は、憲法・民法・刑法の3科目の論文が既修コースの試験科目になっていました。そこで、私はこの3科目の辰已の「えんしゅう本」を繰り返し回し、ある程度の答案を書けるように勉強しました。「えんしゅう本」は他の予備校の論文対策書よりも、本の厚さは薄くなっています。そのため、「えんしゅう本」だけでは足りないという方もいますが、全くそんなことはありません。「えんしゅう本」が薄いのは厳選された論点を受験生が実際に答案に書けるであろうレベルで無駄なくコンパクトにまとめているからであり、内容が薄っぺらいわけではありません。日本大学法科大学院の入試では、「えんしゅう本」のおかげで、3科目、ほぼ論点を落とすことなく解答することができ、奨学金(学費全額免除)付きで合格をいただくことができました。なお、既修コース合格後に、商法・民訴・刑訴の認定試験がありましたが、この試験も私は「えんしゅう本」一択で勉強をしました。
 このように早い段階から、「えんしゅう本」を活用し、コンパクトな答案を書く癖をつけることができたことは、司法試験合格にとても役立ったと考えています。

3 法科大学院入学後の学習状況

 日中はフルタイムで仕事をし、夜間開講のプログラムを履修していたため、3年次の後期までは授業の予習・復習をするので手一杯でした。これはコロナ禍でオンライン授業が中心となっていたとはいえ、変わりません。また、通学していた日本大学法科大学院は社会人学生が多く、私を含め可処分時間が本当に少なかったため、自主ゼミによる勉強会もほとんどなく、黙々と法科大学院の授業の予習・復習に取り組みました。後ほど触れますが、法科大学院入学後、緊急事態宣言が発令されたり、職場でも外出自粛が出されたりと、なかなか平日、土日のいずれも授業や辰已の講義を受講しに外出することが自由にできない時期が長く続きました。そのため、スタ論の通信での受講は大変便利なもので、通学と遜色なく、不便なく受講することができ、大変助かりました。

4 受験対策として

(1) 辰已講座の利用方法とその成果
 3年次の後期からスタ論(第1クール・第2クール)を受講しましたが、コロナのこともあり、通信で受講しました。通信であっても、答案をPDF化し提出することができ、添削済み答案もPDFで迅速に返却していただけました。これでスマホがあれば、どこででも点数やコメントを確認することができ、大変便利でした。
 全国模試は、本試験会場ではなく、辰已本校(高田馬場)で受験しました。全国模試の判定はA判定で成績表はお守りとして、試験本番にカバンに入れていました。単なるお守りとしてだけでなく、試験の休み時間に、成績をみて、「次でこのくらいの点をとれば、前の科目で失敗した分を取り返せる」等、精神安定剤としても活用させていただきました。なお、全国模試で唯一、E評価がついてしまったのが行政法でした。行政法は書くことが多い科目で、全国模試のときは時間管理でミスをしてしまい、落としてはいけない点を書き漏らしたり、厚く書くべきところを時間が足りず、浅く書くにとどまってしまったことが原因でした。本試験では、全国模試での失敗を活かし、時間管理をミスすることなく、無事にA評価をとることができました。
 総択は、全2回のうち、最初の回の点数が芳しくなく、少し焦りましたが、無事に2回目のほうでそこそこの点数を取ることができ、ホッとしたのを覚えています。

(2) 私がやって成功した方法
 私は過去問を中心に司法試験対策をしていました。理由は、すでに過去問が相当数蓄積されており、過去問で問われている点が何度も繰り返し出題されていると聞いていたからです。プレから全科目の論文を解いて、答案を作ることはさすがにできないと考え、まずは「ぶんせき本」や「論文合格答案再現集」に掲載されている合格者答案をあさり、自分でも本番で書けそうな答案を見つけ、これをWordを使って写す作業に取り組みました。自分オリジナルの過去問答案集の土台ができた後、「趣旨規範本」で規範の書き方の統一化を図るなどして、ブラッシュアップしていきました。例えば、行政法の原告適格の規範などは人によって微妙に書き方が異なるので、「趣旨規範本」にあたり、間違いのない規範を答案集に反映させていました。

(3) 私が使用した本(辰已)
 上述の通り、「えんしゅう本」は法科大学院入試で、「ぶんせき本」「論文合格答案再現集」は司法試験対策で使用しました。いずれも、本番で再現できないいわゆる完全解ではなく、受験生でも十分手が届くレベルのものばかりで、本当に試験対策としては秀逸なものでした。また、試験本番前の1か月はあれもこれもと新しいものに手を出しがちですが、私は「ハイローヤー4月号」と心中することとし、自分の作成した過去問答案集以外ではこれしか使用していません。「ハイローヤー4月号」では「論文大ヤマ当て!R4合格カレンダー」でデイリーベースで無理なく、重要判例・論点を解説しており、とても試験直前期に役立ちました。そのおかげで、他に浮気することなく、合格に直結する勉強を本番直前まで集中することができました。
 択一対策としては、憲法・民法・刑法の「肢別本」を使用しました。日本大学法学部では学部生を中心とした短答式試験の練習会が週に1度開催されており、それに参加していましたが、通勤時間を最大限活用できる「肢別本」はとても勉強しやすく、択一の勉強がとてもはかどりました。具体的には、3年次の年明け1月から開始し、すべての肢を解いた後、2回目からは間違った肢だけに絞り、計3回、回しました。総択を通じて、最新判例問題を中心に押さえておけば、短答式では十分な点数(短答合格者平均点)を取得できると思います。なお、「肢別本」はスマホ用アプリも出ています。私は問題文の一部に線を引く癖があったので、アプリ版ではなく、書籍のほうを利用していました。

5 これから受験する人へのアドバイス

 択一を疎かにしないことが実は重要だと考えています。択一試験は試験最終日(5日目)ですが、いくら論文が出来たとしても、最後でズッコケたら全て終わりだと心配になると、できるものもできなくなります。ですので、択一に関しては体調がいくら悪くても絶対に足切りにはあわないと思える自信をつけておくことが重要と考えます。なお、コロナの影響で、本試験では長机に一人着席となり、隣に受験生が座ることはありません。これからも当面はコロナ対応が必要とされると思いますので、本試験で隣の受験生の貧乏ゆすりや強い筆圧による揺れや音などに悩まされることはないかと思います。
 また、試験後、やりたくはないと思いますが、再現答案は作ることを強くお勧めします。私は論文である程度の手応えがあり、再現答案を作成しましたが、成績評価と照らし合わせるときに大変役立ちました。やはり本試験はみな極限状態で受験しており、普段は絶対にしないようなミスもしてしまう可能性が高いと思います。実際に、私も手応えがあったものの成績があまり良くなかった科目もありました。合格すれば取り越し苦労になるかもしれませんが、万が一、不合格となった場合に敗因分析のための最も有益な資料となると思いますので、試験後、少なくとも2週間以内に再現答案を作成することをお勧めします。
 私は、司法試験受験の王道ともいえるスタ論、全国模試、総択を利用し、法科大学院で学んだことをさらに昇華することができ、おかげさまで、日本大学法科大学院修了後、一回目の司法試験に合格することができました。これから司法試験を受験する方も、是非、辰已を信じて、合格を勝ち取っていただければと思います。頑張ってください。

辰已法律研究所 受講歴

【2022年対策】
・スタンダード論文答練(第1・2クール)
・司法試験 総択
・司法試験全国公開模試

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