相対評価の司法試験を制するために
1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり
留学をきっかけとして専門性を身につけたいと考えたことから、学部4年から司法試験の受験を決意しました。しかし、母校のLS入試で失敗し、拾って頂いた私立大学のLSに進学することになりました。
LS入試で過去問の検討が不十分であったことから、司法試験に向けては既修1年目夏から過去問対策に着手しました。また、既修2年目に初受験した予備試験論文式試験では数点差で落ちてしまい、またもや悔しさを味わうことになり、司法試験は一発で合格できたものの、決して順風満帆な道のりではありませんでした。
2 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)
予備校は特に利用せず、大学の授業を聞いて基本書や演習書を読むことが中心でアウトプット対策は殆ど行っていませんでした。そのため、法科大学院入試段階では恥ずかしながら答案の書き方がよくわからないまま受験してしまうという、信じがたい状況でした。
3 法科大学院入学後の学習状況(法律学習)
まずは答案の書き方を固めるために、某オンライン予備校の答案例付きの講座を受講し、典型論点に関する答案の書き方を身に着けました。その問題集を何度も繰り返しつつ、予備試験の過去問を並行して学習していました。既修1年目の夏からは司法試験の過去問にも取り組むようになり、1年目の春休みには選択科目を除いた直近5年分の過去問は起案したという状態でした。また、既修2年目の5月までは予備試験短答過去問を繰り返し解くことによって、ベースラインとなる知識を固めました。7月の予備試験論文に向けて、7科目の論証を一通り覚えました。以後、3月の全国模試まで司法試験過去問の演習を繰り返し、受験直前期は短答や論証をもう一度頭に叩き込みました。
4 受験対策として、辰已講座の利用方法とその成果
3月に実施された全国公開模試を利用しました。模試を通じて、本番のシミュレーションをすることを主目的にしておりました。本番と同じ会場、時間帯、食事を想定することができ、本番は試験の内容面以外は落ち着いて受験することができました。あえてトイレに立ったり、書きにくいボールペンを使用したり、時間を短めに設定するなどして負荷をかけて臨んだため、いわゆる高山トレーニングにもなりました。
また、優秀答案や採点者のコメントを通じて、司法試験が相対評価であることを実感し、「皆が書けるところは確実に、書けないところは悩みすぎない」という学びを得ることができました。
さらに、模試受講特典として、考査委員の関心分野や刑事訴訟法のヤマ当てレジュメを頂けたので、当該範囲の論証を重点的に見直す等メリハリをつけることができました。実際に、刑事訴訟法でおとり捜査が的中したため、ラッキーでした。
5 受験対策として、私がやって成功した方法等
司法試験は、学力はもちろん、体力勝負でもあると先輩から聞いていました。そのため、2~3日に1回はジムで運動するように努め、食事や睡眠時間等の生活習慣を意識するようにしていました。
また、筆力を少しでも上げるために週2~3通は司法試験過去問を起案するように心がけていました。短答も論文もアウトプット中心に取り組んでいましたが、論証や短答プロパーなど暗記のための時間も一定程度確保するようにしていました。
6 受験対策として、私が使用した本
辰已の短答パーフェクトは何度も繰り返し解くことで、ベースラインとなる知識を身に着けることができました。予備試験論文直前期を除いて、基本的に毎日解いていました。1年分をまとめて解くときを除いて、正答率が低い問題は無視し、正答率が50%を超える問題を優先して解いていました。また、何度も間違えてしまう問題は、ルーズリーフにまとめて直前期に丸暗記しました。
辰已の令和3年ぶんせき本は司法試験直前に確認し、超上位~低評価の答案まで各科目分析することにより、相場観を養いました。採点実感と併せて読むことにより、「一応の水準」と「不良」の境目(=合格ライン)を見極めるのに役立ちました。また、超上位答案でも書けていない事項はたとえ出題趣旨に記載されているのであっても深入りしないようにしていました。
短答・論文ともに上記書籍を用いながらメリハリをつけて受験対策をされるのがおすすめです。
7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
辰已法律研究所 受講歴
【2022年対策】
・司法試験全国公開模試