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正しい方向のシンプルな努力で、確実な合格を

M.Tさん
受験歴: 新試験4回
中央大学法学部
慶應大学法科大学院 【既修】2016年入学・2018年修了
【受講歴】スタンダード論文答練(第2クール) 司法試験全国公開模試 他
リベンジ合格

1 司法試験の受験を決意した経緯

 高校2年生の時に、社会科の課題として年間でレポートを作成するというものがありました。私は、その年に施行された裁判員裁判を取り上げ、レポートを作成していく中で、法曹の仕事内容を学び、裁判傍聴することを通して、法曹に興味を抱くようになり、法学部への進学を決めました。大学進学後は、司法試験受験団体に所属して、3年次より法科大学院への進学のため本格的に勉強を開始し、法科大学院に進学しました。

2 受験を続け、合格に至った経緯

 法科大学院在学時、課題等をこなすのは大変でしたが、3年次より司法試験の勉強に集中することにより、成績は向上していました。しかし、論文対策に時間を割いてしまい、短答が苦手であるにもかかわらず、対策を怠って、結果的に1回目の受験では不合格となりました。
 2回目の受験では、苦手科目である民事系及び短答に対策を行うあまり、得意であると自負していた、刑事系の論文対策を結果的に怠ることとなりました。自分の試験対策の方針設定の甘さから、合格点から30点ほど不足して不合格となりました。しかし、福田クラスの受講の甲斐あって、自分の論文の手応えと成績にはズレはなくなっていました。自分の勉強方針に穴があることを痛感し、不完全燃焼であることから、3回目の受験を決意しました。
 3回目の受験に向けて、福田クラスとの相性の良さ、手応えを実感して、福田クラスを受講し、福田クラスで模範答案に選ばれるために、日々勉強することにしました。すべての科目で「一応の水準」をとることだけに注力し、得意不得意に関わらず、全科目をまんべんなく勉強することを心掛けました。模範答案に常時選ばれるようになり、全国模試でも30番以内に入るようになりました。しかし、コロナ禍による延期を受けて、新しい問題・過去問への答案練習が不足し、本番、2科目で頭がパニックになり、結果的に7点不足して不合格となりました。
 4回目の受験は、令和2年度の試験の延期を受けて、準備期間約3か月での受験となることが決まっていました。パニックになった科目がなければ合格できたことは、数字的にも明らかでしたので、自分には福田クラスで蓄えた論文力がある、本番での状態を整えることができれば合格できる、と感じ短い準備期間ながら、それまでに福田先生から教えていただいたことを実践することだけを心掛けて、令和3年度に合格致しました。

3 原因の克服について(論文対策)

(1) スタ論福田クラス(普段の勉強)
ア 講座について
 福田俊彦先生の講義は、第1回目から、複数回受験生が思い込みがちな、「司法試験は学者の先生が作った、難しい問題を解くものである」という概念を壊してくれます。福田先生の総論レジュメには、日々の姿勢、本番で心掛けること、各科目の試験の傾向と対策、といった、合格の肝が、全て詰まっていると感じます。ときに受験生は、出題趣旨を追って、難しい議論に走りがちですが、合格・不合格の分水嶺はそこにないことを徹底的に叩き込まれました。
 福田先生の講座の良いところの1つには、実際に先生が問題文の読み方・構成の時間と方法・論述の方法を、講義で順を追って解説して下さり、追体験できるところにあります。問題文を読み進める時間や構成の時間には個人差があり、合格者も実際にどのようにやっていたのか、分からないことが多いですが、先生は、講義で、問題文のどこをどのように、どれだけ読んで、構成するのか、といったことからお話して下さいます。私も先生の方法で起案するようになり、点数が安定するようになりました。
 また、福田先生の講座の良いところは、受講生の答案をその場で添削する点です。どうしてその答案が優れているといえるのか、自分の答案と何が違うのか、を徹底して、その場で考えることができ、本番で1点でも多く点数を取るためには本番でどう振舞えばいいのか、を学ぶことができました。司法試験の論文では、自分が考えたり、書いたと思っていることが、実際には読み手に伝わらず、点数に繋がらない、といったことが多々あるかと思うのですが、福田先生の添削を通じて、優秀答案の上手いところを真似する等して、その感覚のズレをなくすことができたと感じています。

イ 答練に向けての勉強について
 福田先生の講義でお話があるとおり、本番で普段の力を出すには、普段の答案練習を本番と同様にこなす必要があります。私も、本番でパニックになって、三段論法を崩してしまったりする弱点があることを感じていたので、普段の答練を本番だと考えて、1点でも多く得点するために、答練までの期間は、各科目の対策を行うように努めました。答練では、上位10パーセントに選ばれること、優秀答案に選ばれること、を目標としました。各科目の学力はもちろん、問題文の読み方からナンバリングや接続詞の使い方といった、普遍的な能力の底上げにも注力しました。毎週の答案をいかに活用できたかが、本番でどれくらい実力を発揮できるか、を決するように感じています。

ウ 過去問対策について
 福田先生の講義(スタ論福田クラス第2C)で、私が受講した時は過去問2年分を扱いました。通常の講義は、答練の問題解説ですが、司法試験本番の問題は、答練の問題とは難易度が異なります。司法試験の問題で、実際に、どのように書けば「一応の水準」となり、「不良」とならないのか、どこから先が「良好」の議論なのか、を再現答案・出題趣旨・採点実感を使って明確にお話して下さるので、「一応の水準」を肌で感じることができました。そして、いかに「すべらない答案」を書くことがシンプルなことで、不合格者がいかに問題を難しく考えて、すべる答案を書いてしまっているか、を学ぶことができました。
 先生の過去問への接し方を学ぶことで、答練や全国模試でも、他の受験生に書き負けることがなくなりました。実際の結果にも直結していると強く感じています。

(2) 全国模試(本番に備えて)
 福田クラスで日々訓練してきたことを、本番を想定して、どれくらい発揮できるか、を試す絶好の機会でした。受験者の中で、自分の立ち位置がどこにあるかを確認することができるのはもちろん、答練で日に2-3題解くのとは異なり、本番は中日を含めて5日間あることから、長い試験期間でどれほど力を出せるか、また、今の自分には何が足りていないか、を検証することができました。
 また、辰已の全国模試は、司法試験本番で出題される可能性の高い論点が出題されます。全国模試でうまく立ち振る舞えなくても、講義や添削を通じて、論点理解を深めることができ、本番では対策の効果を発揮できたと感じています。
 そして、全国模試の特典である、試験委員の関心のある分野の解説講座は必聴です。司法試験も試験委員が作成する試験問題である以上、作成者の意向が反映されているので、各試験委員がどういった分野に関心を寄せているのか、直前期に目を通し、ある程度の予測の下、対策を行ったことは、本番までの準備期間のメンタルの安定のためにも、とても有用だったと感じます。

4 その他の対策について(短答対策)

(1) 短答パーフェクト(辰已)
 短答対策は、短答パーフェクトか、肢別か、という議論がありますが、私は、福田先生がおっしゃるように短答パーフェクトで対策すべきであると考えます。短答パーフェクトは、受験者の正答率が記載されています。また、私が持っている年度の短答パーフェクトには、合格者上位30%の選択肢の正答率も記載されていたのでそれも参考にしました。受験者の中で下位に入らず、足切りを逃れて、論文の添削に進むことが、試験対策として最重要である以上、やるべきことを絞ることは必須です。そのため、対策すべき問題を取捨選択することは、非常に大事だと思います。
 また、論文試験同様、短答試験も、試験委員が受験生にききたいことは、毎年変わらないので、実際の試験問題を通して(民法であれば、消去法等で肢を絞って、正解肢を選ぶ等)、対策することは重要であると思います。

(2) ぶんせき本(辰已)
 受験生でぶんせき本を使わない方はいないと思うのですが、福田先生の講座を受講して、実際に答案を書き、ぶんせき本の答案と比較することをとても有用です。法科大学院在学中・修了直後は、答案集のはじめに記載されている、上位答案ばかりに目が行っていましたが、福田先生の講義を通して、合格・不合格の分水嶺は、C答案やD答案にある、ということを実感し、ぶんせき本の後半にあるC答案とB答案等を比較するようになりました。現実的な答案の量や論述の流れを把握することができ、司法試験の問題でこのように立ち振る舞うと、このような評価になる、という実際のものを見ることができる貴重な資料であり、ぶんせき本を通して、個人でこの検証を行うことは必須だと思います。

5 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

 複数回受験生の方は、先に合格した大学や法科大学院の同期の姿を見て、様々な思いを抱かれていることと思います。また、支えてくれる家族や友人に対しても、情けない気持ちや、何とも表現し難い、もどかしい気持ちを感じられていると思います。
 それでも、みなさんが周りの方々に合格でお返したい、友人のように司法試験に合格したい、という気持ちが少しでもあるのであれば、やはりやり抜くべきだと思いますし、言い古された言葉ですが、正しい方向に正しく努力すれば、必ず合格できます。もちろん、司法試験には時間もお金もかかりますし、体力や精神力が強く求められる試験だと思います。苦しいことをあげたらきりがないかもしれませんが、正しい方向感覚を身に着ければ、自信がつきますし、法的思考力といった学力だけでなく、困難に立ち向かいそれを乗り越える、かけがえのない経験を得ることができると思います。
 合格したいけれど、方向が分からないという方は、ぜひ福田先生の講座を受講して頂きたいなと思いますし、ある程度の方向が分かっている、という方でも、受講することで周りの受験生よりしずまないことはおろか、大きく上にいく方法を学ぶことができると思います。
 合格者と不合格者には、大きな差はありません。だからこそ、リベンジ受験生の方は正しい方向で努力を積み上げ、来年必ず、合格者になってください。心から応援しています!!
 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

辰已法律研究所 受講歴

【2021年対策】
・スタンダード論文答練(第2クール)
・スタンダード短答オープン
・司法試験全国公開模試

【2020年対策】
・スタンダード論文答練 福田クラス(第1・2クール)
・直前フォロー答練 福田クラス
・スタンダード短答オープン
・司法試験全国公開模試

【2019年対策】
・スタンダード論文答練 福田クラス(第1・2クール)
・直前フォロー答練 福田教科クラス
・選択科目集中答練
・スタンダード短答オープン
・司法試験全国公開模試

【2018年対策】
・スタンダード論文答練(第1・2クール)
・司法試験全国公開模試

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