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二度目の受験資格で1回目の受験で合格する方法

山田 大地(仮名)さん
受験歴: 6回
法政大学法学部法律学科
専修大学法科大学院 【既修】
既修者リベンジ合格

1 司法試験の受験を決意した経緯と合格までの道のりについて

 わたしが、司法試験の受験を決意したのは、子供の頃に父が法的紛争に巻き込まれ、その紛争を解決するために、仕事が終わった後に、深夜まで慣れない法律書や資料を調べている姿を見て助けになりたいと考えたからです。
 次に、合格までの道のりについては、私は子供のころから、法律家になりたいと思っていたものの、その合格の難しさから、受験をするかどうかで悩んでしまい、大学3年生から司法試験(現在の旧試験)の受験を決意して、勉強を開始しました。
 私は、経済的に豊かな環境にいなかったため、アルバイトをしながら勉強をしていましたが、結局旧試験では択一にすら合格できませんでした。
 そして、旧試験がなくなった事から、意を決して、お金を工面し、法科大学院に入学しました。その後、司法試験を受験しましたがアルバイトをしながらの受験は厳しく5回の受験で合格出来ませんでした。
 その後、予備試験を受けると同時に、もう一度法科大学院の奨学生試験を受験し、入学しました。二度目の法科大学院は、授業料の免除と、学校から奨学金が支給されるということもあり、アルバイトの回数を減らすることが出来たので、勉強を開始して以来、初めて勉強に専念することが出来ました。
 そして、そのおかげもあり、卒業1回目の司法試験で合格することが出来ました。

2 一度目の受験資格の関して

(1) 一度目の法科大学受験前の学習状況について
 一度目の法科大学院受験前の学習は、まず司法試験予備校で基礎講座を受講して、その後は、答練を受けながら勉強をしていました。
 深夜のコンビニで、アルバイトをしながらの勉強でしたので、勉強は思うように進まず、基礎知識の定着にもだいぶ苦労しましたが、隙間時間を活用してどうにか、法科大学院に入学できる程度の学力をつけることが出来ました。

(2) 一度目の法科大学院入学後の学習状況について
 とにかく、授業についていくので必死でした。アルバイトをしながら、毎日のようにある授業の予習・復習と課題をするのが大変でした。
 そのために、予習・復習・課題の全てにおいて先輩のレジュメを活用し、十分に自分で検討をすることをしませんでした。
 その結果、一度目の受験資格では、受験2回目までは壊滅的な成績で、2回目以降は2000番台くらいになり、どうにか合格できるのではないかと考えていましたが、4回目の受験で合格点まで、残り20点、5回目の受験で、合格点まで残り3点取れず不合格になりました。
 特に、5回目の試験結果は、あまりにも衝撃的で、合格発表で不合格を知った時は、心臓に杭を打ちこまれるような衝撃を受けました。そして、さらに成績発表を見た時は、合格のチャンスを逃してしまったという衝撃の大きさに、本当に目の前が真っ暗になりました。

3 二度目の受験資格に関して

(1) 二度目の法科大学院入学前の受験状況について
 一度目の受験資格を喪失した後に、私は予備試験の受験をすることを決意し、予備試験の学習を始めました。この時も昼と深夜のアルバイトを掛け持ちしながら勉強をしていましたので、勉強時間は十分に取れませんでしたが、予備試験の択一をクリアし、論文試験までは進むことが出来ましたが、論文試験に合格することは出来ませんでした。そのような中、友人に奨学生制度のある法科大学院を紹介してもらい、奨学生試験に合格し、二度目のロースクール入学を決意し、奨学生試験を受験し、合格して入学しました。

(2) 二度目の法科大学院入学後の学習状況について
 二度目の法科大学院では、一度目の法科大学院で考える勉強をしなかったという反省を活かして、与えられた課題について、基礎知識から自分の頭で思考を組み立てることにこだわって勉強をしました。課題等の評価も悪い点を取ることが多く、復習も大変だったのですが、徐々に良い評価を取れるようになり、期末試験や答練、予備試験の論文試験の成績も入学前より上げることが出来ました。

4 受験対策としての辰已講座の利用方法とその成果について

 私は、受験対策として、スタンダード論文答練を受講しました。スタンダード論文答練の良い点は、前半の基礎的問題から後半の応用的な問題へと進むので、試験までの学習のペースメーカーとできる点と、論文本試験での的中率が高い点にあると思います。
 残念だと思うのは、参考答案が長く、2時間の試験時間で4枚から6枚くらいしか書くことのできない私にとっては、あまり真似のできる代物ではなかった点です。もっとも、全く参考にならない訳ではなく、自分でどうやったら短くかけるか考える資料としていました。

5 受験対策としてのノート作成方法

 私は、特に受験対策として独自にノートを作成するなどはしていませんでしたが、辰已の趣旨規範ハンドブックをノートとして利用していました。趣旨規範ハンドブックは、最低限押さえるべき、定義、論点がまとめられており、これを最低限押さえるべきベースと考えていたからです。また、A5版で持ち運びしやすく気になる時に電車の中などで知識の確認が出来利用しやすかったからです。
 そして、私は、趣旨規範ハンドブックの中に、授業や、自習、答練で、押さえた方がいいと思う知識を書き込んで何度も繰り返し読んでいました。
 趣旨規範ハンドブックについては、情報量が少ないなどと批判がありますが、最低限の知識をベースに自分のノートを作る土台と考えれば、かなり利用しやすい教材だと私は考えています。

6 受験対策として私が使用した辰已書籍について

 主に使用していた教材は、えんしゅう本と趣旨規範ハンドブック、刑事訴訟法のみ新庄健二先生のプロフェッサー本を使用していました。
 司法試験の問題は、問題文が長いですが、設問との関係で考えると、短い問題を組み合わせたものに過ぎないと私は考えていたので、受験対策としてえんしゅう本が使いやすいと考えてを使用していました。
 えんしゅう本は、旧試験や予備試験の過去問がまとめられていて、一冊を解き終わるとほとんどの重要論点を網羅できる点と、なんといってもA5サイズで持ち運びやすく電車の中などでも、読みやすいという点がおすすめです。
 具体的な活用方法としては、えんしゅう本は各科目40問程度なので、その問題を10日間で解くように計画を立てて、通学の行き帰りの電車の中で行きの1時間で2問、帰りの1時間で2問解いて、気になる所をメモして、学校についてから3時間ほど時間をとってメモの内容を中心に復習し、抑えた方がいいと思う論点や、忘れやすい定義などは、記憶用の資料として使っていた趣旨規範ハンドブックにまとめて繰り返し読んでいました。
 刑事訴訟法については、司法試験の刑事訴訟法は、設問中の行為者の意図を考えて問題を解く必要があると私は考えていたのですが、設問中の捜査官の行為がどのような意図に基づいて行なわれているかをえんしゅう本では理解できなかったので、この点について詳しく説明している新庄先生のプロフェッサー本を利用していました。

7 最後に来年以降受験する人に対して

 司法試験は、とにかく疲れます。なので、中日の休みは絶対に休みましょう。そして、中日にちゃんと休めるような、計画を立てて試験に臨むのが良いと思います。
 私は、中日の休みまで、学校に来て勉強した結果、三日目の刑事で疲れ果ててしまい、刑法、刑訴で問題を読み違えたり、出題意図を読み違えたりするミスをしてしまいました。
 また、この疲れを引きずった結果、択一も思うような点を取ることができませんでした。
 しっかり、休む時は休んで、万全な状態で試験に臨めるように準備することをお勧めします。
 次に、私のように一度失権した人に対しては、とにかく新しい資格での初回受験は緊張するので、その緊張に負けないようにして下さい。私は、一緒に予備試験の受験をしていた友人から「司法試験は予備試験と違って択一をクリアすれば半分以上が合格するでしょ。」と言われたことが変なプレッシャーになってしまい、死ぬほど緊張して試験に臨んでしまいました。
 緊張すると、問題文がよく読めず、頭にも入らないし、いくらトイレに行ってもトイレに行きたくなるし、良いことは一つもありません。なので、試験場に行ったら、後4回も受験できると思って、できるだけリラックスして試験に臨むのが良いと思います。

8 最後に

 色々と勉強方法などについて書いたのですが、あくまでも私の意見なので、これが全てという訳ではありません。また、刑事系については、派手に失敗してしまったので参考にしない方が良いかもしれません。とにかく、読んでくれたみなさんが自分にとって相性の良い勉強方法を見つけて下さい。
 皆様の司法試験合格を心から祈っております。

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