経済法のすすめ
1 選択した科目と理由
私は、選択科目として、経済法を選びました。理由は2つあります。
一つ目は、インプット量が少ないという点です。経済法は、他の科目に比べて、暗記や理論的な理解が占めるウエイトが小さく、予備試験ルートであり、かつ大学でも選択科目についての勉強を一切していなかった自分に向いていると考えました。
2つ目は、当てはめの評価が大きい点です。経済法は、よく刑事系に似た科目であると言われますが、私は、憲法に似た科目であるようにも感じます。適用する条文選択や当てはめでいかに事実を抽出・評価するかが評価の分かれ目になるといった点が理由です。私は、こういった当てはめ勝負には自信があったため、経済法を選択しようと考えました。
2 経済法選択のメリットとデメリット
まず、メリットとしては、選択理由でも述べた通り、インプット量が少ないという点です。私は、大体1ヶ月で試験範囲の勉強を終えることができました。この点は、当時は予備試験に選択科目がない影響で、時間のない予備合格者にとっては大きな利点でしたし、そうでなくても、アウトプット中心の勉強をしている人にはメリットになるかと思います。
デメリットとしては、成績が安定しにくいという点です。経済法は、特に①条文選択②当てはめで差がつく科目だと思いますが、両者ともに、感覚的な部分が多分に含まれていることもあり、本番に、いわゆる「爆死」する危険があると思います。もっとも、この点もある程度演習を行えば、「少なくとも平均点は取れる」といった程度までは安定すると思います。あくまで、「高得点を安定して取る」のが難しいといった感覚です。
3 予備試験合格後の学習状況
私は、予備試験論文式試験後、翌年から予備試験でも選択科目が導入されるということもあり、合格でも不合格でも勉強の意義があると考え、選択科目の学習に着手しました。選択科目を決めるのに約1日情報収集したのちは、基本的には独学で学習しました。予備校の利用も考えましたが、7科目の学習を通じて法律の勉強方法が確立していたこともあり、予備校の利用は見送りました。
その後は、一ヶ月ほどかけて、インプットを済ませたのちは、ひたすら過去問の答案構成を行い、直近の2年間分だけフル起案を行いました。過去問の答案構成は、全年度3回ほどは繰り返したかと思います。
4 受験対策として、「私がやって成功した選択科目攻略法」
この点については、過去問の答案構成をひたすらこなしたことに尽きると思います。具体的な方法は、下記の5にて記載していますが、この勉強がもっとも実力のついた勉強方法だったと思います。最近はケーススタディがよく用いられていますが、アウトプットの段階においても、過去問の具体的な設例とその要点を、素早く、確実に習得できる方法として答案構成は優れた方法だったと思います。
5 受験対策として、私が使用した本
私が、受験対策として用いた本は、辰已の『論文対策 一冊だけで経済法』、いわゆる一冊だけでシリーズです。この書籍は、市販本の中では数少ない、選択科目の再現答案が、各年度分掲載されているもので、その点だけでも有用な書籍ですが、それに加え、論点集、論証集、出題趣旨や採点実感もまとめられており、選択科目対策としては必携の一冊だと思います。
私は、特に、この本を答案構成による学習と組み合わせて使用しており、優れた成績の答案と比較してどこが良いか悪いか自己添削したり、当てはめ・条文選択についてのストックを得たりしていました。
6 受験対策として、辰已講座の利用方法とその成果
私は、全国公開模試により辰已講座の利用をしました。私は、他の予備校も含め、答練等は受講していなかったため、これが、周囲の受験生との相対的評価を知るための唯一の手段でした。加えて、辰已の全国公開模試の問題は、本試験との傾向も近く、出題予想も踏まえた充実の内容であり、取り立てて不満はありませんでした。
私は、模試のうち、選択科目のみ成績が悪く、さらに答案用紙の取り違えをするというあり得ないミス(本番なら0点になります。気をつけましょう。)をしており、直前期の学習の指針になるとともに、「こういった失敗をしないよう本番は気をつけよう」と心構えをするきっかけにもなりました。
7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
辰已法律研究所 受講歴
【2022年対策】
・全国公開模試