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知的財産法の制し方

佐藤 達也(仮名)さん
受験歴: 1回
京都大学法学部
同志社大学法科大学院 【既修】2020年入学・2022年修了
【受講歴】全国公開模試
選択科目

1 知的財産法を選択した理由

 私が司法試験を意識して学習し始めたころに、たまたま特許事務所でインターンをしていたこと、漫画村をはじめとする著作権法が話題になるニュースを見て面白そうだと感じたことという二つの理由から知的財産法を選択しました。

2 知的財産法選択のメリットとデメリット

 メリットとしては、著作権法の場合、美術や漫画など比較的身近な問題が素材になることが多く、とっつきやすいことです。また、条文を手掛かりにして素直に当てはめる問題が多いことから、比較的答案を書きやすいと思います。さらに、主張反論型の問題は、民法の要件事実の考え方を応用して取り組むことができます。
 デメリットとしては、発明という特質上、特許法で理系分野と親和性の高い問題が出題されることがあり、理科が苦手な方にはあまりおすすめできません。ただ、問題を解くためには理系知識は不要なので、慣れれば問題ないと思います。また、特許法も著作権法も改正が多く、フォローが必要です。

3 法科大学院での知的財産法の学習状況

 既修1年目の春学期に特許法と著作権法の入門講義を受けました。その際、答案の書き方を固めるために、答案例付きの市販問題集を用いて、期末試験前にその問題集を何回か繰り返すことで典型論点に関する答案の書き方を身に着けました。法科大学院のカリキュラム上、既修2年目の秋学期まで知的財産法の演習形式の授業がなかったため、既修1年目の秋学期から既修2年目の春学期の間は、令和3年予備試験論文対策(当時は選択科目の代わりに一般教養科目がありました。)に注力し、知的財産法の学習はストップしていました。既修2年目の春学期終了後、夏休み中に司法試験の過去問を全問答案構成し、秋学期の演習の授業に備えました。既修2年目の秋学期に特許法、著作権法ともに演習の授業が始まったことに併せて百選を読み込みました。法科大学院の授業で扱う問題と類似した過去問については起案して授業と過去問の関連性を意識づけていました。その結果、秋学期終了後時点で平成23年から令和3年までの過去問は全て起案できました。3月の全国公開模試に向けて論証を一通り覚えました。司法試験受験直前期は過去問の出題履歴を踏まえて自分で分析した重要度の高い過去問を答案構成しました。

4 受験対策として私がやって成功した選択科目攻略法

 7法に比べて選択科目の学習が遅れている受験生が多いことを知り、司法試験受験半年前から選択科目の学習割合を増やしました。また、百選を素材とした標準的な問題が多いことから、百選を読み込みました。

5 受験対策として私が使用した本

 知的財産法に関しては、入門書や入門講義を済ませた後、分からなくともすぐに過去問の答案構成をして、出題趣旨や採点実感、入手できる場合は解答例を読むのがおすすめです。
 出題趣旨や採点実感が丁寧に書かれているので、過去問中心で問題ありません。過去問復習のときに出題の素材となった百選判例は解説含めて読み込んでおくと、理解が深まると思います。なお、辰已の一冊本が出版された段階では既に他の予備校の論証集を持っていたため、一冊本は使用していませんでした。ただ、仮に初学者として知的財産法を学習する場合、過去問の再現答案や論証等がまとまっている一冊本を使用すると思います。
 また、選択科目の学習を本格的に始めたのが司法試験受験の半年前だったので、辰已のスタ論や選択科目集中答練を受講する余裕がありませんでしたが、余裕がある方は答練を受講して重要論点を網羅しておくとよいと思います。

6 受験対策として辰已講座の利用方法とその成果

 3月に実施された全国公開模試を利用しました。法科大学院の演習の授業でも起案をしていましたが、司法試験に向けてきっちりと時間を計って答案を本番と同じ会場で練習できたので、良いシミュレーションになりました。また、著作権法が参考答案に選ばれたことで、自信をつけることができました。

7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

(1) 選択科目初学者へのアドバイス
 入門講義を受け終わったらすぐに司法試験や予備試験の過去問を見ておくとよいと思います。

(2) 予備試験受験生へのアドバイス
 司法試験の傾向からすれば、選択科目は受験生の対策が遅れがちになることが想定されます。そのため、予備試験受験段階から司法試験過去問のうち、頻出分野や重要な問題を解いておくとよいと思います。さらに余裕がある場合は、百選にも目を通しておくと穴がなくなると思います。

(3) 来年初めて受験する方へのアドバイス
 予備試験を含めて過去問が大量に蓄積されているので、まず過去問を潰すことを最優先事項とされるのがよいと思います。直近年度の問題は受験生の相場観を養うために、年度の古い問題や予備試験問題は焼き直し対策にそれぞれ使用されるのがおすすめです。過去問で一度も出ていない分野は百選や答練を使用して穴をなくしておくとよいと思います。さらに、今年は昨年の重要判例から出題されていたので、余裕があれば直近数年分の重要判例解説にも目を通しておくと心に余裕が生まれると思います。
 また、司法試験で最初に解く科目が選択科目であることから、普段の学習で自信をつけておけば、よいスタートダッシュを決めることができると思います。

辰已法律研究所 受講歴

【2022年対策】
・全国公開模試

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