過去問中心主義のすすめ(労働法編)
1 労働法を選択した理由
①選択者の多さ②実務で使う頻度が比較的高い科目③自身が興味を持てる科目、という3点を考慮した結果、私に合う選択科目は労働法だと思い、労働法を選択しました。
また、元々興味のあった選択科目である労働法・倒産法・知的財産法の3法について入門書を読んだところ、労働法が一番取り組みやすく感じたことも理由の一つです。
2 労働法選択のメリットとデメリット
メリットは、難解な内容が少ない点と基本書・演習書の数が他の選択科目に比して多い点です。私は、前述の通り、労働法以外の選択科目である倒産法・知的財産法についても一定程度学習しましたが、これらの科目に比して、労働法は論点理解が難しい分野が明らかに少なく感じました。また、労働法選択者が多いためか基本書や演習書の数が豊富です。そのため、労働法は、独学がしやすい科目であると感じました。
デメリットは、暗記量が多い点です。労働法は、他の選択科目に比して内容量が多く、覚えるべき規範が多いです。そのため、暗記が苦手な方や選択科目の勉強に時間を割けない方には向かない科目かもしれません。
3 法科大学院での学習状況
2年生~3年生になるタイミング(法科大学院で労働法の授業を履修する前)で、入門書を1冊読んだ後、他の予備校の基礎講座を受講しました。そして、一通り労働法の概観を掴んだ上で、3年前期に授業を受けました。授業を受けた後は、司法試験の過去問を解きました。その際、出題趣旨・採点実感・過去問の解説本を利用し、自主ゼミで答案の書き方・疑問点等を話し合って、互いの答案を添削しあいました。
予備試験論文式試験合格後~予備試験口述式試験の間は、いったん司法試験過去問を解くことは休止しました。そして、口述式試験が終わった後、再開しました。直近7年分は起案し、その他の年度は答案構成に留めました。結果的に、司法試験本番までに全年度最低2周し、直近5年分は3周しました。
また、年明け~司法試験本番(5月)までの間で、司法試験過去問で出題のない分野を『事例演習労働法』という演習書を使って、演習しました。この本は、評判が高いうえ、解答例もついており、独学でも使いやすい非常に有益な本だと思います。
4 効果的な勉強法
私は、論証集をまとめ本代わりに使用し、授業や過去問等で学んだ知識をその本に一元化していました。労働法は、判例知識が重要であることから、判例の中で重要性の高い部分を抜粋して記載するといったことをしていました。こうすることで、試験直前や移動時間に見直しができるようにしていました。