司法試験

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インプットとアウトプットの相乗効果が重要である。

R.Kさん
受験歴: 新試験1回
中央大学法学部
東京大学法科大学院 【既修】2019年入学・2021年修了
【受講歴】司法試験全国公開模試 他
一発合格

1 司法試験へ向けた学習生活

 司法試験の過去問は、長期休暇等を利用して、学部のうちから演習と分析を計画的に進めてきました。選択科目(経済法)については、相対的に演習量が少ないため、新司以来全ての過去問を演習・分析しましたが、基本7科目については、むやみに演習量をこなせばよいというのではなく、演習年数は傾向を掴むために必要な年数に留めつつ、演習実施年度の自己分析を徹底させ、自身の欠点の解析に注力することをお勧めします。判例百選は、学部のうちから解説までくまなく熟読していました。また、毎週の答練といった小規模の演習だけでなく、毎年の予備試験の受験を通して、本気で知識をアウトプットする機会を欠かさず取り入れてきました。短答対策については、毎年の予備試験の受験の他、短答問題集をじっくり解いて理解の質を上げる周期と、短答問題集の演習量をとにかくこなす周期とに分類して、単なる暗記に終始しない学修を心掛けました。司法試験の択一試験は、民法・刑法・憲法だけですが、予備試験の短答対策をそれ以外の4科目についても本気で取り組んでいたため、司法試験の論文式試験における条文操作等や小問として問われる択一知識の解答に際しても、大いに役に立ちました。また、短答対策・論文対策を問わず、判例百選は、基本7法及び選択科目(経済法)の全科目について、事案の概要・判旨だけではなく、解説まですべて読み込みました。ただ漠然と読み込むのではなく、なぜ判例がそのようなことを判示したのか、判例の射程、事案の分析等を常に考えながら、しっかりと読み込んでいました。それにはかなりのまとまった時間が必要となるため、百選の読み込みは、主に学部時代に行っていました。法科大学院時代は、改訂され追加された百選の事件や、授業で重要視された判例、自分の理解が足りないことが判明した判例について、解説まで復習するとともに、少しでも気になった判例やゼミで扱った判例については、調査官解説まで遡ったり、判例百選の意短縮された判例文ではなく原文にあたるなどの工夫をしていました。自主ゼミをしていて不明な点や、授業の予習をしてて理解が曖昧だった点は、手持ちの基本書だけではなく、大学や法科大学院の附属図書館で複数の基本書の該当箇所を斜め読みして、使える知識として確実に定着するよう、しっかりと調べる癖をつけていました。また、少なくとも、短答の科目である民法刑法憲法については、条文の素読も欠かさずに行いました。そのおかげで、論文においても、細かい条文操作を迷うことなくスムーズに展開することができたと考えています。
 法科大学院では、授業の予習・復習や期末対策で時間が取られてしまう傾向にあるため、私は学部のうちから、上記学習方法を取り入れていました。また、法科大学院の授業で学んだ新たな知識を、どのように自身の答案表現や答案戦略に取り込むことができるかという観点から、主に法科大学院の授業に臨んでいました。そして、法科大学院の期末期間を除いては、上記の論文対策と短答対策を、ほぼ毎日欠かさず行い、いずれか一方のみしか実施できない日をなるべく作らないようにするというのが、法科大学院最終学年の1年間で特に重視していたことでした。その結果、司法試験に一発合格することができました。

2 活用した辰已の講座等

 学部中の初学段階から、辰已の「趣旨規範ハンドブック」民事系・刑事系・公法系を使用していました。特に、民法・刑法各論・憲法統治分野を重宝しました。民法は論点の幅が広く、網羅性をある程度は意識しなければならず、改正対応も併せて、論点を整理し、頭の中で体系づけるのに非常に有用でした。刑法各論や統治分野では、覚えるべき定義がコンパクトにまとまっており、試験直前期に復習したり、知識をまとめるのに有用でした。憲法統治は、予備試験憲法において統治が出題される年度の対策学修や、東京大学法科大学院のロースクール入試で利用しました。いずれの系も、論点ごとに司法試験の出題年度が記載されており、出題頻度や出題の直近性を把握することができる点で、大いに助かりました。経済法では、趣旨規範部分と再現答案部分が一冊にまとまっている「一冊だけで経済法」をベースとして、自分が過去問を解く中で記憶に鮮明に留めておくべき事項等を加筆し、自分だけの最終復習教材として作り上げていくことができる、大きな利便性がありました。経済法は演習書が少なく、誰かの答案を見て学ぶという機会を作りにくい科目であったために、再現答案をコンパクトに一読できる「一冊だけで経済法」は、最初から最後まで全て注読しました。えんしゅう本は、論文を書き始めるための最初の練習教材として汎用性が高く、ほぼ全科目にわたって使用しました。特に、民法の旧えんしゅう本は、民法の答案で主張反論を考える際の引き出しを自分の中で多く作り上げるための良本であり、数え切れないほどの回数だけ解きました。そして、参考答案や解説の記載を基にして、自分なりの論文の書き方を確立する貴重な道しるべとなりました。
 また、私は、司法試験の5日間という本番と同じ試験開始時間と現場を体験し、試験中の時間のやりくりは勿論、休憩時間や移動時間、朝の時間の使い方等を自分なりにシミュレートすることにも重きを置いていました。そのため、法科大学院2年次と3年次の2回、司法試験全国公開模試を受験し、時間の有効活用のトレーニングを積んでいました。予備試験の短答・論文・口述模試においても辰已を受験していましたが、辰已の模試は、出題内容が非常に練られており、解説や採点基準も詳しく、様々なことを多く学べる場として、学部以来長きにわたって活用していました。
 過去問対策としては、「司法試験 ぶんせき本」を多年度利用していました。上位答案はもちろんですが、私は講師アドバイスの欄やコメントの欄を重視して学習の手助けとしてきました。また、「改正民法で書いた民法論文過去問」も、改正民法で挑まなければならない自身の司法試験の受験を見据えた学習に有用でした。加えて、直前期には、ハイロイヤーの山当て記事等も参考にしていました。
 短答対策としては、学部中の予備試験対策から司法試験対策まで継続して、辰已の肢別本とパーフェクトを使用してきました。パーフェクトは、主に刑法の学説問題や憲法の見解問題の形式に慣れ、頭の使い方を習得するために有用でした。肢別本は、民法刑法憲法の全般に渡り、択一知識のインプットとアウトプットを効率よく循環させて知識の定着化を図り、短答対策としてだけでなく、論文知識としても使える学力の向上に役立ちました。

3 令和4年司法試験を受験する受験生へのメッセージ

 令和3年司法試験では、問題の出題傾向が変更し、令和4年司法試験に向けた学習方法に変更を余儀なくされる科目もあることでしょう。ただ、司法試験の受験で要求されている水準に大きな変動はないと思われるため、論文式試験で自身が展開しようと準備している判例や論証に対するしっかりとした理解をもって臨めば問題ないです。後は、時間配分など、本番で焦らないように計測して過去問演習をする、朝や移動時間の使い道などを模試等を通じてシミュレートしておくことも意外と重要です。
 皆さんの努力が結実するよう、応援しております。

辰已法律研究所 受講歴

【2021年対策】
・司法試験全国公開模試

【2020年対策】
・司法試験全国公開模試

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