誤った方法を採用しないために定期的な自己分析が必要。でも一人では難しい作業なので、松本先生に何度も手伝って頂いた。

はじめに
私は元々システムエンジニアとして働いていましたが、体調を崩してしまい転職を考えました。万が一今後も体調を崩したとき再就職が容易になる方法は無いかと模索した結果、司法書士を発見するに至りました。法律は大学の一般教養程度の経験でしたが、国語と社会が元々得意だったのと、松本先生のリアリスティック民法を試しに読んだところ理解が進んだため受験を決意しました。
私のとった勉強方法
市販のリアリスティック民法の感触がとても良かったため、2018年目標の松本基礎講座を受け始めました。楽観していた受講前とは打って変わって、膨大なテキストと過去問の量に圧倒される毎日でした。勉強は基本的には松本先生の指示通り、テキストを理解し、過去問を解き、再度テキストを思い出しながら読むという流れを繰り返していました。ただし、音読はあまりしていませんでした(外で勉強することが多かったため)
苦労した択一の勉強
択一の勉強には相当難儀しました。結論から書くと、テキストの暗記から逃げていたことが原因でした。上記の通り松本基礎講座を受け続けてはいたものの、1年目の司法書士オープンでは平均13問程度しか得点できず、合格への道のりがあまりにも長いことを思い知りました。2年目も勉強を続けてはいたものの、2019年本試験では午前17問、午後9問と惨憺たる有様で、撤退が頭によぎりました。
何が悪かったのか。冒頭に記載の通り暗記から逃げていたことでした。テキストをなんとなく理解して、なんとなく思い出せれば良いと勝手に解釈して、甘い勉強を自分に課していたことが原因でした。一応は先生の指示通りアウトプットしながらテキストを読んでいたつもりであったので、自分では当然見つけられず、松本先生に勉強方法の相談を幾度となく繰り返してやっと気づけたことでした。その後は想起することを最重要視して、時間はかかっても過去問をじっくり解き、テキストもじっくり想起することで徐々に成績も伸びました。2020年本試験は午前32問・午後23問の成績で、午後が足切りだったものの手ごたえを感じていました。この頃2020年7位合格者(リアリスティック出身)と直にお会いして、その方の記憶精度の高さに驚きました。一方で、自分の勉強を突き詰めれば理屈の上ではその方に追いつけるとも実感できました。もはや迷いはなく、2021年本試験は午前31問 午後27問 記述53.5点 総合227.5点で余裕をもって合格することができました。
上記のテキストと過去問の勉強に並行して、答練模試を多く解いていました。毎年4月からは司法書士オープンと全国公開模試を受験しました。細かいながらも出題可能性のある肢に毎回悩むことで、テキストを暗記する精度を高めることができました。疑義問ではないかと思って質問をした際にも丁寧に回答していただき、文句はありませんでした。リーズナブルな値段に設定されていることもありお勧めです。
勉強法(記述)
択一とは違い、記述の勉強に苦労しませんでした。必要な暗記量が択一と比べて少なかったからだと思います。とはいえ解法は基礎講座でじっくり学び、松本基礎講座の問題に加えて各種答練模試の記述問題を合計200問以上、繰り返し解いたので合計数百回の練習をしたと思います。記述の問題を解く際、答案構成だけで止めてしまう方や、模範解答とちょっと違う答案を書いても緩く正解にしてしまう方など多くいますが、自分の回答には極力厳しい態度でいてほしいと思います。本試験の採点基準は年によって相当厳しく、ちょっとした書き漏らし等のわずかなミスが溜まり、大減点となることもあります。練習の時点では繰り返し解き、文句の無い満点答案を目指してください。
勉強法を定める前に
択一記述の勉強法を書いてきましたが、そもそもこの勉強法は万人に当てはまるものではありません。仮に万人に当てはまる方法だとしても、自分で納得した上で導入する必要があります。そのために必要なことが自己分析です。
勉強法に限った話ではありませんが、定期的に厳しく自己分析をしないと誤った方法採用することがあります。自己分析とは自分に足りない箇所と、それがなぜ足りないかを探求することです。
具体的には、本試験である問題を間違えた際の分析が挙げられます。そこで足りなかったのが知識なのかメンタルなのか現場思考能力なのか。仮に知識だとすると使っていたテキストが悪かったのか、覚え方が悪かったのか、思い出し方が悪かったのか等々考えるべきことは山積しています。記述式では、例えば時間が足りなかった理由を考えます。ひな形を思い出すのに時間がかかった、問題文の読み取りに時間がかかった、書くのがそもそも遅い、等々様々な原因があります。仮に問題文の読み取りに時間がかかるのであれば、定番の注意事項は全て暗記できているか、記述式で頻出の問われ方を事前に頭に叩き込んでいるか、一字一句読もうとしていないか等々です。
上記の択一勉強法で、私は暗記軽視のため問題が解けないと分析しました。しかし人によっては、暗記を重視し理解を軽視しているため問題が解けないこともあります。そのような人が私の勉強法を聞いて、やはり暗記していれば良いのかと自己分析を放棄すれば、良い結果はでないでしょう。
自分一人では難しい作業なので、私は松本先生に何度も手伝って頂きました。この作業がなければ合格はあり得なかったでしょう。本当に感謝しています。
本試験当日
この日に備えて体調管理も万全、当日の体調も悪くなく迎えることができました。最近の夏は気温がとても高いため注意していましたが、当日は雨であり問題ありませんでした。気合は特になく、単にソワソワしながら試験開始を待つ受験生であったと思います。
午前試験
民法第4問目から解き始めました。いきなり判断に迷いましたがその後問題は無く進めました。憲法が苦手で例年1問しか正解しないのですが、今年は簡単で運が良かったと思います。刑法の観念的競合の箇所は苦手で、結局逃げてしまっていた箇所なので甘さが仇になったなあと後悔しながら会社法を終えました。(31問正解)
午後試験
午後択一試験は本年度最大の難所だったと思います。マイナー科目は民訴からわからない問題が2問(うち1問ミス)民保民執も簡単ではなく(うち1問ミス)供託法もやや難題だったと思います。そのあと商登法に入りましたが、確実に正解できていると思える問題は少なく、35問目の計算問題は大急ぎで計算したものの、当初問題午後択一試験は本年度最大の難所だったと思います。マイナー科目は民訴からわからない問題が2問(うち1問ミス)民保民執も簡単ではなく(うち1問ミス)供託法もやや難題だったと思います。そのあと商登法に入りましたが、確実に正解できていると思える問題は少なく、35問目の計算問題は大急ぎで計算したものの、当初問題文を逆に見間違えたりしておりすでに消耗しておりました(商業1ミス)。今年はマイナーと商業がやや難で差をつけてくる構成かなと思いましたが、それらの難易度を不登法が遥かに上回ってきて、大混乱に陥りそうになりました。実際12~16問あたりは相当な難問だったと思いましたが、今までの練習や松本先生に不登法はかなり難しいことがあると忠告されていたことを思い出し、なんとか踏みとどまれました(不登法5ミス)。想定を超える難題が続くことも想定しておかないと、午後択一で実力以下の点数になってしまうことも珍しくありません。(27問正解)
14:10頃に商業記述に移りました。特に語ることもない平易な問題で、相当厳しい採点がされることを予想し、丁寧に答案を作成しました。このような簡単な問題が最後にあることも多いので、時間無くて途中答案になることを防ぐ準備は必須です(商業31点)
15:00頃に不登法記述に移りました。名変や本店移転、会社分割が入り乱れた問題であり、答案構成用紙に整理することで適格な実体判断を行いました。本問は2欄の根抵当権債務者の会社分割による共有状態を見抜けたかがポイントだったかと思います。根抵当権で当然に共有状態になる論点は司法書士オープンでも出題されており、大いに助かりました。ただ問題文の指示により登記不要の申請を当初全て書いてしまい、後で気づいて消したものの時間をロスしてしまいました。また分割譲渡の枠があまりに小さいことから疑心暗鬼になって細かいミスを連発しました。結局マークチェックをしないまま試験終了となりました。以後三か月以上不安な状態で過ごす羽目になったので、余裕のあるうちにチェックをしておくべきだったと反省しています。(不登法22.5点)
試験後
無我夢中で試験を終えたものの、答案用紙の回収中に無残な手ごたえの択一を思い出し、涙が止まらなくなりました。結局解散後も中々立ち上がれず、暗澹たる思いでトボトボと帰りました。あれほどの落胆は人生初であり、それほどこの本試験に懸けていたものが大きいと実感した次第でした。
最後に
以上書いてきた中で最もわかりにくいと思うのが「勉強法を定める前に」の部分かと思います。しかし最も大切な箇所でもあります。がむしゃらに毎日10時間勉強しても方向性を誤っていれば容赦なく落とされます。また、自己分析をすることなく勉強法を沢山調べても良い結果は生まれません。独りよがりな勉強では合格は遠のくので、ぜひ講師の方々と相談して方向性を見誤らないようにしてください。







