テキストの色分けは勉強を進めていく中でとても助かった

司法書士の受験を決意した経緯
大学卒業後、民間企業で営業職をしていましたが、自分の性格的に1から何かを生み出す仕事より、専門知識を活かして人の役に立てる仕事の方が向いているだろうと感じ、何か自分に合った資格はないか探し始めました。その中で、以前から相続について漠然と興味を持っていたこともあり、司法書士or税理士の二択まで絞られました。税理士は文系の私には向いてなさそう、かつ法学部出身(とはいえ、授業にもほぼ出席せず趣味とバイトに明け暮れた不真面目学生だったので、知識レベルはほぼ初学者に近い)なので、司法書士の方が現実的だと思い、司法書士を志しました。当初は兼業での合格を目指していましたが、仕事と勉強を両立出来るだけのキャパシティが私にはないと感じ、早々に専業で一発合格目標に切り替えました。落ちたら再度兼業でもう1年、それでもだめなら潔く諦める、このようにタイムリミットを設けて目指すことにしました。
勉強法全般
択一対策
テキストの見出しだけで書かれている内容を思い出すというやり方で、ひたすらテキストを回しました。模試や本試験の際、「この表の右側にこれが書かれていたから…」とテキストのイメージを頭に思い浮かべることも出来たのでおすすめです。また、午後はとにかくタイムアタックなので、直前期は午後択一の過去問を中心に回し続けました。午後択一のマイナー科目は1問1分以内、不登法と商登法は1問1分半以内で回せるように、常にタイマーで時間を測りながら問題を解き続けました。最初この目標時間を松本先生から聞いたときは自分には無理だ…と諦めそうになりましたが、とにかく無心で毎週解き続けると、「この文言がきたらこれが聞かれるな」とパターンが見えてくるようになりました。また、過去問が一問一答形式で出題されるアプリも全科目分購入し、移動中はもちろん、髪を乾かしている間などとにかくスキマ時間を見つけては解くようにしていました。
記述対策
私は直前期の模試でも70点満点中23点を叩き出してしまうほど、不登法の記述が苦手だったので、直前期に松本先生に相談をしました。先生からは、①間違いノートを作ること。②いろいろな問題に手を出すのではなく、既に解いたことのある問題の中で間違えたものを何回も解いてパターンを覚えること。この二点のアドバイスをいただきました。
①については、2回以上間違えた問題について、間違えたポイントを記録していきました。不登法については前のページから、商登法については後ろのページから、ミニサイズのノート1冊に書き、どこにでも持ち歩けるようにしました。模試や本試験の始まる直前まで見直すことが出来たので良かったです。②については、記述の講義で扱った問題、過去の模試、答練で出題されたもの、過去問10年分を最低でも3周は解いていました。
インプット段階
講座の受講に至った経緯
周りの受験生から「選択肢が限られる地方の予備校の対面講義を受けるよりは自分に合った選択が可能な通信講座の方が良い」とアドバイスを受けていたので、通信で受講できる講義を探していました。松本先生の講座を受講することにしたのは、業界で有名な先生方の出版されたテキストを何冊か読んだ中で一番頭に入ってきやすいなと感じたことと、YouTubeで視聴した体験講義の内容もとても分かりやすかったためです。決して安くはない受講料を払う上で、先生との相性を一番重視しました。
講座活用法
私は2023年5月の本講義から受講をし、まずは松本先生に言われた通り、7月のお試し受験でその時までに習った範囲で9割正解することを目標にしていました。ただ、6月までは兼業であったため、その頃は勉強時間も思うように確保できず、講義に追いつくのに必死でした。結果的にお試し受験で目標達成は出来ましたが、自分にとっては奇跡に近いような感覚でした。とはいえ、目標を達成したことでこの講義で進めて間違いないなと、確かな自信になったのも事実です。7月より専業受験生となりましたが、最初の頃は新卒から続いていた社会人生活から解放された嬉しさで、勉強時間より遊びや趣味を優先してしまっていました。毎日の勉強時間をアプリで管理していましたが、9月までは月に125時間(1日平均4時間)しか勉強しておらず、専業受験生としては、恥ずかしくなるくらいの勉強量でした。そこで「まずは1カ月無理をする、そうすることで勉強習慣が身につく」という松本先生の教えに従った結果、徐々に勉強習慣がつき始め10月は173時間、11月は240時間と勉強にあてる時間が増えていきました。
受講してよかったと思うこと、講師のよかった点
これは松本講座受講生の皆さんがおっしゃることだと思いますが、テキストの色分けは勉強を進めていく中でとても助かりました。特にテキストを何回も回さなければいけない直前期には、とてもじゃないですが膨大な量のテキストを1ページずつ読んでいる時間はありません。その時に最終的には赤と緑で引いたところを回せば良かったので、テキストの周回スピードをあげることができ有難かったです。また、こちらからの質問に対する松本先生のレスポンスの速さに大変助けられました。どうしても通信講座の受講生はリアルタイムで質問出来ないという欠点がありますが、無料の質問サービスを使って分からないことを聞くと、早ければ数時間後には返答が来るので、対面講義の受講生と大差なく疑問点を解消することが出来ました。毎日ご多忙の中、ここまで即レスしてくださる先生もいらっしゃらないと思っています。
アウトプット段階
答練、模試
答練は辰已のパックで受講し、模試は他校のも含めて12月に1回、3月に3回、直前期に6回受験しました。辰已の答練は午前科目、午後科目を隔週で受験するので、その週に受ける科目に絞って集中的に勉強出来る点が良かったです。本試験当日のルーティーンをいくつか試すためにも、複数回受験することをおすすめします。12月の模試の時点ではまだ記述の講義も受けていなかったので模試の受験自体迷いましたが、直前期の記述対策の一教材として使うことが出来るので、もし余裕があれば受験される方が良いかと思います。12月の模試ではE判定でした。ただ、全ての講義を受けていない状態であったため、必要以上に判定を気にすることはせずに、直前期の模試ではS判定を取れるようにと年末に気合を入れ直すことの出来る良い機会だったと思います。
合格に至るまでの出来事
体力作りについて
一日中机に向かって勉強だけをする生活を続けると、想像以上に体力や筋力が衰えます。最初の頃は模試の翌日にベッドから起き上がることができず、布団の中で択一アプリを回すので精一杯で寝込んでしまう日もありました。そこで、夕食後に1日30分程度近所を散歩する習慣をつけました。音楽も聴かずに無心で歩くことで、体力がつくだけでなく、脳内での考え事も整理され、スッキリした気持ちで勉強に臨むことが出来ました。
生活リズムについて
直前期には試験当日のスケジュールを意識した食事管理も行いました。起床して約3時間後に脳の冴えがピークに達するので、毎日遅くても6:30には起きるようにしていました。そこから2時間程度勉強し朝食にホットコーヒーを飲みながらパンを食べていました。昼食は12時頃とっていました。午後に眠くならないようになるべく炭水化物は避け、量も取りすぎないように制限をしていました。全く取らないのも一度試しましたが、お腹がすきすぎて頭が働かなくなってしまったので、某ゼリー飲料と軽めのお菓子を食べていました。普段の学習では午後も集中できるように、昼食後30分程度の仮眠を取ることが多かったです。ただ、模試の時は本番を想定して仮眠は取らず、自分の好きな曲を聴きながら15分程度散歩をしていました。朝、昼と食事に気をつけている分、試験終了時刻である16時以降は特に気にせず、夕食は好きなものを食べるようにしていました。夜の勉強に支障が出ないように夕食も軽めにとるという方法もありますが、朝型の私は夜遅くまで勉強することはほぼなかったので、あえて夕食は多めにとり、良い具合に睡魔が来るように調整していました。また、1日の勉強時間が11時間を超えたあたりからあまり頭が働かなくなっていたので、翌日に脳疲労を残さないために、模試と試験前日の夜は一切勉強せず、湯船に浸かりながら好きな動画を見てリラックスするようにしていました。これは松本先生が雑談の中でおっしゃっていたのですが、休憩中見る動画は笑える動画が良いそうです。私は好きな芸人の動画を数本見るようにしていました。このように試験当日のスケジュールや自分の体質などを考慮した上で、1日のルーティーンを何パターンも試すことをおすすめします。
SNSとの向き合い方
SNSとの向き合い方も人それぞれかと思います。私は周りの受験生の動向を知るためにSNSを活用していました。ただ、どうしても模試の後にタイムラインで、S判定の結果報告を見ると、自分の成績と比較し、自信を失い自己嫌悪に陥ってしまうことがありました。どの受験生も良い成績しかポストしないと頭では理解しているものの気にしてしまうため、私は容赦なく自分より良い成績のアカウントをミュートしていました。自分の心の平穏を保つための対策は必要だと思います。
SNSをやるもう一つの目的として、モチベーションの向上に繋げるというのもありました。特に憧れている先輩司法書士の方々だけのリストを作り、「自分もこういう生活をする!そのために今頑張る!」と士気を高めていました。その他に司法書士以外の士業受験生の方のリストも作っていました。他の士業であれば他人の成績が気になることもないですし、目指す所は違えど同じ志を持つ受験生に刺激を受けることが出来ました。
このように明確な目的を持った上であれば、SNSは決して悪ではないと思っています。
後進へのメッセージ
ここまでお読みいただくと分かっていただけるかと思いますが、私の勉強法は何のオリジナリティもなく、松本先生や過去の合格者の方々の勉強法をそのまま取り入れたものばかりです。
私が合格できた要因は、不必要なプライドを捨てて、先生からのご指導や合格者の方々の勉強方法や生活リズムをそのまま取り入れて、自分にあった方法を試してみたことだと思います。最初から「この人は元のスペックが高いからこの方法で受かった」「この方法は自分には合わないだろうと」先入観を持たずに、柔軟に取り入れたことで、この高い壁を乗り越えることが出来ました。そして、この難関試験に合格できたという経験が、今の自分の一番の支えになっています。元々自己肯定感が低く人生における成功体験も少なかったのですが、合格した現在は日々生活する中で「自分は司法書士試験に受かるくらい頑張れたんだから、何でも出来るはず!」とこの経験が大きな自信になっています。
司法書士試験は決して簡単ではないですが、松本先生の指導に従ってこつこつ努力することで合格への道は開けると思います。
どうか健康に気を付けて頑張ってください。皆様のご健闘を心よりお祈り申し上げます。
そして最後になりますが、松本先生をはじめ、辰已法律研究所のスタッフの皆様、本当にありがとうございました。






