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複数回受験の結果合格した私が行った勉強法

中田 佳祐さん
受験歴: 新試験4回
中央大学法学部
首都大学東京法科大学院 【既修】2014年入学・2016年修了
【受講歴】2019年スタンダード短答オープン(第1・2クール) 他
既修者リベンジ合格

1 司法試験受験を決意した経緯

 私が、法曹を目指し、企業法務に興味を持ったのは大学3年から4年にかけて所属していたゼミの教授との会話がきっかけでした。
 私は、大学3年生まで外国語のクラシック音楽を扱う部活動に所属しており、3年生の時に部活動に所属している生徒を歓迎している教授のゼミに所属しました。その当時、私は法曹に憧れて法学部に入ったにもかかわらず部活動をしている自分の立場に悩んでおり、将来の進路を悩んでいることを教授に相談したところ「悩んでいるのであれば、私の開いている法曹志望者が受けるゼミに兼ゼミして、勉強してみてから決めてはどうか」と言っていただき、その兼ゼミをきっかけに法曹を目指す勉強を始めました。

2 法科大学院受験前・入学後の学習状況

 大学時代は、大学の法曹養成団体に所属していましたので、大学主催のゼミに参加し、勉強をしていました。特に学生主体でゼミをすることはありませんでした。また、大学のゼミの教授に直接答案添削指導を行っていただいたり、卒業生のOBに直接答案を見ていただいたりと、指導者の下で答案作成を行っていました。LS受験の直前は毎日一通以上の答案作成を心がけていました。
 LS入学後は、1年の夏以降、学生主体のゼミを行っていました。基本的には朝に短答を解くゼミと司法試験の過去問を解いて添削検討するゼミを行っていました。そのほか判例を読むゼミや演習書を解くゼミを行っていました。
 LS卒業後はあまりゼミをせず、辰已のスタ論中心に勉強をしましたが、合格した今年は改めて司法試験の過去問を全年度分答案作成し検討するゼミを行いました。

3 辰已講座の利用方法

 私は一年目で不合格だった際に、基礎学力の低さを痛感したため、旧司法試験の問題等から基礎的な指導をしていただけるスタ論福田クラスの強化クラスを受講しました。結論的には、基礎力はついたのですが、ペースについていくことができず効率的な学習は出来ませんでした。強化クラスは通常のスタ論よりもペースが早いので、不合格直後からすぐに切り替えをして、受験にフルコミットする覚悟がないと消化不良を起こしてしまうでしょう。
 三年間通して福田クラスのスタ論を受けました。福田俊彦先生の授業はとにかく、滑らないことを目標としており、方針がぶれないため受講していて安心感があるのが大きなmeritだと感じました。最低ココまでは出来ないといけないという必達目標を挙げてくださり、受験生のレベルを意識した解説をしてくださるので、学習状況に応じて自分の学習方針の修正がしやすく、点数が低くても落ち込まないようにしていただけたのは心の安定剤になりました。もちろん、出来ていなければならないラインに達していなければ、厳しい言葉を受けることもありますが、それがやる気に繋がったので福田先生のクラスはとても有益でした。
 通常のスタ論を受けた年もありましたが、福田クラスのように講師が固定ではないので、講師によって方針が違い、混乱することがあると感じました。いろいろな視点から指摘が入ることで、どのような採点官が見ても伝わるような答案を書くという姿勢を意識することができますが、同時に不安な受験生は、色々な視点の意見を聴かされることで、自分の意見は正しいのか確信が持てなくなることもあるだろうなと感じました。私も実際その様な時期がありました。
 スタ短は10月から12月にかけての短答のモチベーションが上がらない際のペースメーカーとしてはかなり有益でした。しかし、問題の難易度が高く、ある程度短答に自信のある人が実力を保つために受けるのがちょうどよいくらいだと思いました。
 直前福田クラス答練は必ず受けるべきだと思っています。まず直前期に指導者がいる指導が受けられるのは心の安定につながります。また、真剣に予想を当てに行く問題や、難しいけどここだけは理解しておけば必ず差がつく問題をピックアップしていただけているため、直前に危ないところが見つかりやすいです。ここでいい点を取れば自信にもつながります。仮に悪くても、そこを重点的にやるべきという方針が定まるので、いいことしかありませんでした。特にこの時期、複数回受験者は精神の戦いになるので、福田先生のお話で心を落ち着けられたのは本当に良かったと思っています。

4 私の受験対策

 複数回受験者として、皆さんにお伝えしたいのは、まず過去問を消化しきることです。今の司法試験は過去問から同じ論点の問題が出ることが非常に多いです。そのため、辰已のぶんせき本やLIVE本など、司法試験の過去問を題材とした教材を使用し、何度も問題を解き、その問題を理解しつくすことが大切です。今年の受験に際して、改めて全年度の過去問を解いた際にも新たな発見をいくつもしました。過去問をやる際には、出題趣旨や採点実感を読み、どこまで書けば合格ラインなのか、今の受験生はどれだけ書いてくるのか、を厳しい目で見て考えることが大切です。問題を見ただけで論点が浮かび、その論点の要件や規範が浮かぶくらいにしておかなければ一般的な受験生に競り負けると思っていいと思います。
 また、一定の科目は旧司法試験や短答の論点から論文に出題されることがあります。民事系は余裕があれば旧司法試験の問題も解いておきたいところです。会社法・民訴法は判例理解が非常に重要なので百選判例の問題を題材にした演習書を使い、百選判例にある判例は大体理解できている状態にしていました。また、民法・刑法・憲法は短答対策の際に、これが論文で出たらどう書くかを頭の中で整理しながら勉強しました。
 今年の受験を経験した感想として、論文は辰已の趣旨・規範ハンドブックに書いてあることを全て網羅していれば、ほぼすべての教科で合格点を得ることができたように思います。そのため一元化ツールとして趣旨・規範ハンドブックを使うのはおすすめです。趣旨・規範ハンドブックに書いてあることは出ないように思えても全て覚えるくらいの姿勢で受験に臨むべきでしょう。私は、要件事実や最新判例の動向、自分のオリジナルの論証を趣旨・規範ハンドブックに書き込みながら使っていました。
 わたしは知的財産法選択でいわゆる辰已の一冊本に一元化していたのですが、知的財産法は重判に掲載されるような最新判例等の理解が重要な教科であり、判例変更も多いため、これを使うのであればそれなりに自分で研究して書き込みをしなければなりません。
 短答が私の毎年の課題だったので、今年の受験開始直後は辰已の短答過去問パーフェクトを使っていました。しかし、隙間時間で勉強するため、今年は辰已の肢別アプリを購入しました。最近の短答はやや内容が旧司法試験レベルになりつつあり、新司法試験の過去問だけだと対応しきれない気がしますので、旧司法試験の過去問が掲載されている肢別アプリは有用でした。しかし、リリースが非常に遅いので、何度も繰り返してやる時間があまりとれないのがネックです。一応重要問題のみピックアップしたりもできるのですが、機能的な使いやすさはそこそこという感じです。間違った問題などにチェックがしやすく、間違った問題だけ回答するなどのやり方も採れるので、リリース時期が気にならなければ使ってみる価値はあると思います。
 民法の短答が致命的にできない方(40-50点から伸びないなど)は民法の条文構造を頭に入れるべきだと思います。そのためには辰已の条文判例本などを利用して、条文と趣旨だけの素読をしてみるとよいと思います。私はこれを直前期に行ったおかげで、民法の短答が20点伸びました。

5 リトライ受験生に向けて

 受験に当たっては、まずは基礎的な理解を早めに終わらせることです。LS在学中に基本的な知識をつけ、司法試験の過去問を深く理解できればそれだけで合格することができると思います。
 リトライする際には、基本事項の理解が不足していると感じたなら12月までにその知識の確認は終わらせなくてはなりません。どのような勉強をするにしても、不合格からできるだけ早く立ち直り、一年間の計画を立てて行動しましょう。その際10月~12月、1月~3月、4月~5月と3クールに分けて計画を立て、クールごとに微調整を掛けていくべきです。
 最終的にはプレッシャーとの戦いになると思いますので、できるだけ早く誰にも負けない自信がつくくらい勉強にコミットしてください。私が受からなければ誰が受かるくらいの余裕を持てれば必ず受かります。合格する人ならばどのようにふるまうかを常に意識して行動してください。
 ここまで読んでくださってありがとうございます、皆さんの合格を祈っています。

辰已法律研究所 受講歴

【2019年対策】
・スタ論ゼミ
・スタンダード短答オープン(第1・2クール)
・直前答練福田クラス

【2018年対策】
・スタンダード論文答練(第1クール)
・スタンダード論文答練 福田クラス(第2クール)
・直前答練福田クラス
・短答直前駆け込みゼミ
・司法試験全国公開模試

【2017年対策】
・スタンダード論文答練 福田クラス(第1・2クール)
・直前答練福田クラス
・司法試験全国公開模試

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