司法試験には攻略法があります
1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり
高校生の頃から漠然と法律を使う職業につきたいと考えていました。大学1年生の頃から予備校の基礎講座を受講し勉強を開始しました。大学在学中に予備試験の合格はできませんでしたが、早期卒業をすることができたので、そのままロースクールへ進学しました。ロースクールで素晴らしい勉強仲間に出会い、2018年に予備試験合格、翌年の司法試験に合格することができました。
2 法科大学院受験前の学習状況
当時は、予備校の基礎講座を終わらせるので精いっぱいで、司法試験の過去問を解くなどアウトプットが十分にできていなかったです。
3 法科大学院入学後の学習状況
ローの授業をこなしつつ、同じクラスの友人らと自主ゼミを結成し、司法試験の過去問を解いていました。自主ゼミでは、お互いに読みあって各々の問題点を指摘し、学習法についての情報交換をしていました。2年次はまだまだインプットの方が多かったものの、3年次からはアウトプット中心の勉強方法にシフトしていきました。
4 受験対策として、辰已講座の利用方法とその成果
(1) 辰已のスタ論は、他の予備校の答練と違い採点基準が細かく明記されているため、なぜ自分の点数が低いのかを理解できます。例えば、定義が書けていないのであれば、インプットがまだまだ足りないということが分かりますし、またあてはめで点が取れていないのであれば、自分が規範を使いこなせていない、あてはめがおざなりになっているということが分かります。
自分の場合は、あてはめの分量が少ないため点が伸びなかったパターンだったので、規範への理解を深め、どのような事情があてはめに使えるのかを意識しながら日々の論述に取り組みました。
また、採点基準の存在を意識することで、どうすれば司法試験において自分が得点を伸ばせるのかを真剣に考えるようになりました。司法試験の採点実感には触れてほしかったのに触れていない受験生が多い点等が指摘されています。会社法の仮処分や刑法の故意などがその一例です。
そこで、私は、このように必ず点が取れるであろう点を辰已の趣旨・規範本の該当欄に書き込み対策をしました。
以上の結果として、私は得点ポイントを押さえ充実した論述を本番でも行うことができ、司法試験に合格することができました。
(2) また、辰已の全国模試は受験者が多く、本番の司法試験の会場で、本番と同じ曜日から行われ、かつ問題の質も高いため、全国模試でよい判定をいただけると本番に対する自信になります。
私も模試でA判定をいただけたので、自信になりました。
5 受験対策として、私がやって成功した勉強法
私は、司法試験に直接必要な勉強と他の受験者に差を付けられないための勉強をしました。
(1) 司法試験に直接必要な勉強
司法試験を受けるのに必要な能力は問題文の読み取り、時間配分、読みやすい文章構成、得点の取り方、三段論法を守ることだと考えました。
これらを身に着けるのに手っ取り早いのは、過去問を実際に解き、出題趣旨・採点実感と照らし合わせること、他の人の答案を評価してもらうことです。
私も自主ゼミでの過去問検討を通じてこれらの能力を身に着けました。
(2) 他の受験者に差を付けられないための勉強
他の受験者に差を付けられない勉強とは、みんながやっているであろう演習書を解いたり、模試答練を受講したり、論点集を押さえることです。これを行うことで本番に知ってた知らないで差を付けられる可能性を限りなく低くすることができます。これを行ったおかげで本番でわからない問題が出た場合でも自分が知らないということは皆も初見の問題であると意識でき、取り乱さず三段論法を守って論述することができました。
6 受験対策として、私が使用した辰已の本
上述のように論点の網羅は差を付けられないために必須です。そこで、私は趣旨規範本を使用していました。趣旨規範本は司法試験に出うる論点が網羅的に記載されているため論点の網羅に大変有用です。また、趣旨規範本には余白が多いので、過去問検討や答練で新たに得た知識を書き加えることができ、直前期に見直すためのまとめノートにすることができます。
短答対策には肢別本を利用しました。肢別本を3周解けば短答の足切ラインを、余裕を持って突破することができます。
また、憲法の書き方が確立できずにいましたが、司法試験論文過去問LIVE解説講義本のおかげで憲法の書き方を身に着けることができました。
7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
① LS在学生へのアドバイス
なるべく早く司法試験の過去問を解くことをお勧めします。私は、自分の実力不足を自覚するのが嫌で過去問を解くのを避けてきました。しかし、上述のように過去問を検討することで得ることは多いです。また、早期に自分に何が足りないかを自覚し残りの時間を自分の足りない部分を補うことに使えます。
② 来年初めて受験する方へのアドバイス
(1) 当日までの過ごし方
私は、ロースクールの卒業後は近所に自習室を借りて勉強していました。何もない環境で勉強には集中できたのですが、友達と話す機会が少なく孤独やストレスを強く感じました。なので卒業後も大学で勉強を続けるなど、試験までの間も友達と話す機会を設けた方がよかったと思っています。
また、直前になるとどうしても答案を書くことよりも暗記に重点を置いてしまいがちです。私も試験3週間前には答案を書くのをやめました。しかし、答案を書く感覚は書かないとどんどん鈍くなり、本番でその感覚を忘れていないかとても不安になります。そのため1週間前くらいまでは答案を書き続け感覚を鈍らせないことをお勧めします。
(2) 体調管理・メンタルの重要性
体調は思考力に直結します。そして、司法試験は体調が万全でなければ自分の実力を100%発揮することはできません。私は、緊張と不安で試験前日から寝れなくなりました。そのため睡眠不足で試験を受けることになり、結果合格はしましたが普段しないようにミスを多くしてしまいました。そのため、どうすれば自分がベストな体調で試験を受けられるかをよく考えることをお勧めします。
また、司法試験突破には精神力が必要です。というのも、友人らが社会に出て活躍している中、ロースクールを卒業すると自分が何者でもなくなります。そのため、もし落ちてしまったらどうしようというプレッシャーはかなりあります。そして、精神的に不安定だと本来しないようなミスをすることに繋がります。そのため、どうしたらフラットなマインドで司法試験を受けることができるかを今のうちから考えることをお勧めします。
(3) 問題文をよく読むこと、三段論法を守ることの重要性
問題文をよく読むのは当たり前のことですが、司法試験という極限の緊張状態においては読み間違えることがあり得ます。なので問題文は慎重に読みましょう。
三段論法は法曹の共通言語です。それ故三段論法ができている答案とそうでない答案の評価には雲泥の差がでます。未知の問題がでると三段論法を崩してしまう人が多いです。だからこそ未知の問題に置いては三段論法を守るだけでも他の受験者と差をつけることができます。
辰已法律研究所 受講歴
【2018年対策】
・スタンダード論文答練(第1・2クール)
・選択科目集中答練(経済法)
・司法試験全国公開模試