子育て中の主婦でも一発合格できる
1 司法試験の受験を決意した経緯
私は以前アメリカ合衆国に2年間住んでおりました。その際、子供がいる主婦でも大学院で勉強している女性が大勢いることに感銘を受けました。そこで、国際離婚や相続で困っている人を助ける弁護士になりたいと考え、帰国後、下の子供の手が少し離れたタイミングで法科大学院に入学しました。
2 辰已を選んだ理由
司法試験の受験勉強は、法科大学院の最終学年の2019年9月中旬から始めました。同じ法科大学院でその時一発合格した友人から辰已のスタンダード論文答練(スタ論)を勧められたことがきっかけです。
勉強方法は人それぞれです。私は司法試験の勉強方法に対して、特にこだわりはなかったので、短期合格した友人のアドバイスに素直に従うことにしました。司法試験の勉強をしたことがなかった私は、答案の書き方、いわゆる型を何も身に着けておらず、友人の勧めもあり、辰已専任講師・弁護士の福田俊彦先生の指導にしたがって勉強することにしました。
3 論文式試験の勉強方法
(1) 2019年9月中旬~12月31日まで
1日最低1通は論文式本試験の過去問を書きました。最初はこの作業は大変で、3時間かかってしまうこともありました。過去問を書いたら、採点実感や、辰已のえんしゅう本の参考答案などを読んで、自分がこの年この問題で合格するには、何が足りなかったのかを考え、絶対に書かなければならなかったのに、書けなかった定義や、簡単な論証、キーワードを、ハンドバッグに入る小さ目な(縦10cm横5cm程度のもの)メモ帳に書いておきました。そして、そこに書いたものは、今後問題で出たら、二度と書き漏らすことが許されないものなので、その手帳を毎日かならず読みました。メモ帳は実際に司法試験が行われた11か月後の2020年8月中旬の段階で9冊になっていましたが、これだけ見返せばたいていの答練や模試で、知識で他の受験生に書き負けることはない、という心強い味方になってくれました。慣れてきたら、1日に書く過去問の数を2通、3通と増やしていきました。2019年の12月31日までには、平成18年から令和元年までの8科目全ての司法試験の過去問を書き終えることができました。
過去問と並行して、10月からスタ論福田クラス第1クールを受講していました。スタ論福田クラスの素晴らしいところは、自分の法科大学院の中ではない、一般的な受験生との中での相対的な立ち位置が分かることと、何といっても、“できなくてもいいこと”をはっきり教えて頂けることです。一人で問題集などを利用して勉強していると、下手をすれば完全解答を全て覚えようとする等といった、時間がいくらあっても足りない勉強に陥りがちです。もし最短で合格したいのであれば、そのために必要不可欠な道具だけを合格請負人の福田先生に選んで頂いて、自分はそれをひたすら習得することに努めることが、最も効率がよいと思います。確かに答練等にお金がかかることは間違いないのですが、1年でも早く合格すれば、(理屈では)1年分の年収が多く手に入ると考えて、ここに投資することを怠ってはいけないと思います。
また、私の受講していた福田クラスは、改正民法と商法をロープラクティスを使用して教えてくれる強化クラスでした。これがまた素晴らしく、試験に出そうな判例をベースにした知識のみ、無駄なく効率よく教えて頂きました。おかげで、勉強量が多いといわれている民法、商法が短期間で習得でき、早めに得意科目にすることができ、実際に本試験でも高得点をたたき出すことができました。
(2) 2020年1月1日~4月中旬まで
年明けからは、スタ論福田クラスの第2クールを受講しつつ、それ以外の日は司法試験の2回目を福田先生に言われた通りに時間を短縮して1通90分で書いていました。そして、えんしゅう本等で確認し続けました。同じように司法試験予備試験の論文式過去問や、平成18年から22年までの旧司法試験の論文式過去問も、同じように2回ほど書きました。
そして迎えた全国公開模試では、約半年の勉強にもかかわらず、B判定を頂くことができました。
また、一回目の受験になる私は、さらにアウトプットが必要であると考え、直前フォローアップ答練も受講しました。
(3) 4月中旬から試験日まで
コロナで司法試験の延期が決まってしまい、やることがなくなってしまいました。そこで、新しい問題を解く練習がしたかったので、スタ論スタート2020を、在宅で受講することにしました。
そこから8月の試験日までは、今まで受講したスタ論や全国公開模試の問題を、時間を短縮して2回書き、過去問を書きながら、スタ論スタート2020の新しい問題も書いて淡々とすごしました。毎日4通くらいは答案を書いていたと思います。その甲斐があってか、第2回の全国公開模試では合格点を頂くことができました。
本番の問題は、答練や模試と比べればやはり難しいものでしたが、普段から書きなれていたので、特に時間切れになることもなく、福田先生が何度もおっしゃった、“相対的に他の受験生に書き負けない振舞い方“ができたと確信しました。
4 選択科目について
最初に述べたように、私は国際離婚などに興味があったことから、迷わず国際私法を選択しました。ただ、国際私法は労働法等と比べると教材数が圧倒的に少ないです。そこで、過去問だけでなく、辰已の選択科目集中答練(計8回)を受講し、この問題とスタ論、全国公開模試の問題を合計3回書きました。得点源になるかどうかは本試験当日の問題との相性次第だと思いましたが、ここまで国際私法の問題を書いている人もそんなにたくさんいないでしょうから、足切りにはならないだろうといった自信につながりました。実際の本試験は、11か月しか勉強していない私にとって、あまりやったことがない問題が出題されましたが、多分周りのみんなもそこまで書けないだろうと思い、落ち着いて書くことができました。
5 短答式試験の勉強方法
短答式試験は得意な方で、法科大学院時代に法科大学院経由で受けた短答式試験全国模試では偏差値60を下回ったことはありませんでした。具体的な勉強方法としては、辰已の短答過去問パーフェクトの正答率50%を下回る問題は完全に捨て問にして、正答率70%を超える問題について、すべての肢について○か×、あるいは△をつけ、間違った、もしくは曖昧な肢の解説のみ読みました。解説を読む際はあまり時間をかけすぎないようにしました。その分回数多く繰り返した方が、結果的に記憶として定着しやすいと思ったからです。それ以外の問題は、短答の模試の直前に余裕があれば解説のみ軽く見ました。
6 使用した教材
憲法 LIVE本 えんしゅう本
行政法 基礎演習行政法、えんしゅう本
民法 民法全 ロープラクティス1・2
商法 ロープラクティス LIVE本 えんしゅう本
民事訴訟法 民事訴訟法概論(高橋)LIVE本 えんしゅう本
刑法 基本刑法(総論・各論)LIVE本 えんしゅう本
刑事訴訟法 リーガルクエストLIVE本 えんしゅう本
国際私法 CASE30
7 生活習慣
家事・育児をしながらどうやって法科大学院に入ったり、司法試験の勉強をしたりできるのか、とよく質問を受けます。最も大切なことは、破綻しない勉強の仕組みを整えることだと思います。まず、法科大学院にはもっと早く入学したかったのですが、アメリカとは違ってちゃんとした仕事がないと保育園にすら入れない日本社会においては、実家の親の手伝いがない限り法科大学院に通うのは不可能に近いです。そこで、法科大学院には下の子供が学習塾に入れる時期に入学しました。今の学習塾は夜の9時くらいまでは面倒を見てくれますので、自分もその間安心して勉強できます。
もっとも、4月の緊急事態宣言時には、夫と二人の子供が家におり、法科大学院の自習室も閉鎖になってしまった為、勉強スタイルの変化が必要とされました。私は、論文の答案を分けて書く方法を考えました。つまり、2時間まとまった時間がとれなくても、書けるところまで書いて、夫や子供に呼ばれたり、机やテーブルが奪われたりしたときは、残り時間35分、といったように問題用紙と解答用紙に記載しておきます。そして、チャンスを伺い、残りを書きます。隙間時間を全て答案作成に使う方法です。まとまった時間がとれないから勉強を諦めるのではなく、偶然まとまった時間がとれたらラッキーくらいに考えておくと、ストレスもたまらず、勉強もどんどん先に進むことができます。
最初は全て自分のために時間が使える学生さんが羨ましくもありましたが、時間がない方が、むしろ集中できる場合もあるのかなと思います。
8 さいごに
司法試験の合否はたった2時間の答案で判断されてしまいます。いくら知識があっても、それをきちんと答案に示し、さらに点数として評価されなければ意味がありません。福田先生はそのことの大切さを何度も教えてくださいました。辰已の講座を受講しなければ、私の短期合格はなかったと思います。福田先生を始め、辰已のスタッフの皆様に心よりお礼を申し上げます。
辰已法律研究所 受講歴
【2020年対策】
・司法試験全国公開模試
・スタ論スタート2020
・スタンダード論文答練 福田クラス(第1・2クール)
・選択科目集中答練
・直前フォロー答練