(1) まとめノートを作成したこと
辰已法律研究所「一冊だけで経済法」をベースにまとめノートを作成しました。
経済法は、①不当な取引制限、②私的独占、事業者団体、企業結合、③不公正な取引方法に大きくわけることができます。まずは、各パートで覚えなければならない規範や争点の仕組みの正確な理解(例えば、拘束条件付き取引において、どのようなアクションが誰と誰との自由競争をどのように阻害することになるのか等)を手書きのノートでまとめました(一度、手書きのノートが完成した段階で、復習も兼ねて、Wordで電子ファイルにしました。これにより、加筆などの編集もしやすくなりました)。その上で、後述する自分オリジナルの過去問答案集を活用し、答案での「書き方」を加筆していきました。経済法では、特にあてはめ・評価をしっかりと書くことが重要です。そのため、過去問答案集で他の問題で利用できそうなあてはめ・評価の“やり方”を「書き方」として、まとめノートに追記していきました。これにより、まとめノートを復習することで、本番でどのように書くべきかも復習することができ、答案作成力の向上にもつながったと考えています。
(2) 過去問答案集を作成したこと
「一冊だけで経済法」には全年度の再現答案がついています。どの科目もそうですが、司法試験では過去問を使い、勉強することが不可欠です。ただ、平成18年からはじまった新司法試験・経済法の過去問はすでに16年分×2問構成=32問も蓄積されており、これをすべて自力で解き、模範答案を作るのは至難の業です。そこで、私は「一冊だけで経済法」に掲載されている再現答案と辰已法律研究所「司法試験論文合格答案再現集」に掲載されている再現答案を一部写しながら、自分で書ける文量や本番で実際に書けるレベルのものであるかを意識して、自分オリジナルの過去問答案集を作成しました。なお、再現答案については年度により、4枚でおさめるべきところを8枚くらい書いてあるものもあります。そのため、丸写しすると、本番で自分が書くことができない答案となってしまいますので、枚数オーバーとなっている再現答案を利用するときには出題趣旨や採点実感にもあたり、自分の答案作成力のレベルや筆力との関係でカットしても大丈夫なところを確認した上で、4枚以内におさまっている答案を作成していました。
(3) 私が使用した本
私は上記のとおり、経済法の試験対策として、「一冊だけで経済法」と各年度の「司法試験論文合格答案再編集」を活用し、自分オリジナルのまとめノートと過去問答案集を作りました。本番前の全国模試を受験して思ったのは、司法試験の最初の試験科目が選択科目であり、選択科目で自信をつけることはとても重要だということです。全国模試では、選択科目で自分なりに満足のいく出来栄えだったので、そのあとの試験も「他の科目もこれまで学んできたことを活かせば大丈夫だ」と自信を持って臨むことができました(全国模試では58.66でA判定でした。なお、本試験は誤差がぴったり1点の57.66点だったので、全国模試と本試験の相関性は高いと考えます)。
また、私は選択科目のスタ論をとっていなかったため、注意すべき争点(出題される可能性が高い論点)を確認する必要がありました。そこで、「ハイローヤー」(2019年4月号)に『選択科目大ヤマ当て・重要テーマ』という企画が掲載されており、この記事を参照し、確実に押さえておくべき争点・論点を確認しました。なお、私は基本科目のスタ論で手一杯であったため、選択科目のスタ論をとりませんでしたが、余裕がある方は選択科目についても複数回、答案練習することで、書き方を確立することができるとともに、本試験で問われる可能性が高い争点・論点の問題を事前に解くことができる貴重な講座であると考えます。