司法試験

  1. ホーム
  2. 司法試験
  3. 合格者・受講生の声
  4. 辰巳の書籍を活用し、自分オリジナルのまとめノートを作ったことが高得点に...

辰巳の書籍を活用し、
自分オリジナルのまとめノートを作ったことが
高得点に。

松浦 剛志さん
受験歴: 1回
早稲田大学法学部
日本大学法科大学院 【既修】2020年入学・2022年修了
【受講歴】スタンダード論文答練(第1・2クール) 他
選択科目

1 経済法を選択した理由

 当初、私は仕事で与信管理業務に従事していたことから倒産法を選択科目とする予定でおりました。しかし、学問としての破産法と民事再生法を学びはじめると、とても難しく感じて、瞬く間に苦手意識を持ちました。そんな中、「経済法は刑法に似ており、答案が書きやすい」という話を耳にし、経済法を覗いてみたところ、競争に関する諸問題について、全くアレルギーなくテキストを読み進めることができたので、経済法を選択科目としました。

2 経済法選択のメリットとデメリット

 メリットとしては、倒産法と比べると、用いる条文数が圧倒的に少ないことがあげられます。デメリットとしては、経済法は倒産法や労働法などと異なり、法曹になった後の実務で活かすことができる場面が少ないのでは?と考えていましたが、そんなことはなさそうです。そのため、経済法を選ぶことについて、思いつくデメリットはありません。

3 法科大学院での選択科目学習状況

 どこの法科大学院も大体同じだと思いますが、私が学んだ日本大学法科大学院では「経済法」(2単位)と「経済法演習」(2単位)の2科目しか経済法の授業はありませんでした。必修科目との関係で、私はこの2科目を最終学年である3年の前期・後期で履修しました。法科大学院1年目の間に経済法のテキストを一読しておき、本格的な勉強は3年次から始めました。

4 受験対策

(1) まとめノートを作成したこと
 辰已法律研究所「一冊だけで経済法」をベースにまとめノートを作成しました。
 経済法は、①不当な取引制限、②私的独占、事業者団体、企業結合、③不公正な取引方法に大きくわけることができます。まずは、各パートで覚えなければならない規範や争点の仕組みの正確な理解(例えば、拘束条件付き取引において、どのようなアクションが誰と誰との自由競争をどのように阻害することになるのか等)を手書きのノートでまとめました(一度、手書きのノートが完成した段階で、復習も兼ねて、Wordで電子ファイルにしました。これにより、加筆などの編集もしやすくなりました)。その上で、後述する自分オリジナルの過去問答案集を活用し、答案での「書き方」を加筆していきました。経済法では、特にあてはめ・評価をしっかりと書くことが重要です。そのため、過去問答案集で他の問題で利用できそうなあてはめ・評価の“やり方”を「書き方」として、まとめノートに追記していきました。これにより、まとめノートを復習することで、本番でどのように書くべきかも復習することができ、答案作成力の向上にもつながったと考えています。

(2) 過去問答案集を作成したこと
 「一冊だけで経済法」には全年度の再現答案がついています。どの科目もそうですが、司法試験では過去問を使い、勉強することが不可欠です。ただ、平成18年からはじまった新司法試験・経済法の過去問はすでに16年分×2問構成=32問も蓄積されており、これをすべて自力で解き、模範答案を作るのは至難の業です。そこで、私は「一冊だけで経済法」に掲載されている再現答案と辰已法律研究所「司法試験論文合格答案再現集」に掲載されている再現答案を一部写しながら、自分で書ける文量や本番で実際に書けるレベルのものであるかを意識して、自分オリジナルの過去問答案集を作成しました。なお、再現答案については年度により、4枚でおさめるべきところを8枚くらい書いてあるものもあります。そのため、丸写しすると、本番で自分が書くことができない答案となってしまいますので、枚数オーバーとなっている再現答案を利用するときには出題趣旨や採点実感にもあたり、自分の答案作成力のレベルや筆力との関係でカットしても大丈夫なところを確認した上で、4枚以内におさまっている答案を作成していました。

(3) 私が使用した本
 私は上記のとおり、経済法の試験対策として、「一冊だけで経済法」と各年度の「司法試験論文合格答案再編集」を活用し、自分オリジナルのまとめノートと過去問答案集を作りました。本番前の全国模試を受験して思ったのは、司法試験の最初の試験科目が選択科目であり、選択科目で自信をつけることはとても重要だということです。全国模試では、選択科目で自分なりに満足のいく出来栄えだったので、そのあとの試験も「他の科目もこれまで学んできたことを活かせば大丈夫だ」と自信を持って臨むことができました(全国模試では58.66でA判定でした。なお、本試験は誤差がぴったり1点の57.66点だったので、全国模試と本試験の相関性は高いと考えます)。
 また、私は選択科目のスタ論をとっていなかったため、注意すべき争点(出題される可能性が高い論点)を確認する必要がありました。そこで、「ハイローヤー」(2019年4月号)に『選択科目大ヤマ当て・重要テーマ』という企画が掲載されており、この記事を参照し、確実に押さえておくべき争点・論点を確認しました。なお、私は基本科目のスタ論で手一杯であったため、選択科目のスタ論をとりませんでしたが、余裕がある方は選択科目についても複数回、答案練習することで、書き方を確立することができるとともに、本試験で問われる可能性が高い争点・論点の問題を事前に解くことができる貴重な講座であると考えます。

5 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

(1) 選択科目初学者へのアドバイス
 私は当初、ほとんど何も考えずに倒産法を選択科目としていましたが、あまりに難しく感じて、経済法に切り替えました。ですので、初めから「絶対に●●法で臨むんだ」と決めつけるのではなく、まずはいくつか興味のある科目を覗いてみることとどんな科目があり、どんな特徴があるのかをネットなどで調べてみることをお勧めします。

(2) 予備試験受験生へのアドバイス
 すでに予備試験に本試験と同様の選択科目受験が課せられておりますので、予備試験対策で選択科目をしっかりやっておくことで本試験対策としての選択科目に割く時間を大幅に圧縮できると思います。

(3) 来年受験する方へのアドバイス
 来年受験される方はもう経済法に決めている方がほとんどだと思います。これまで学んでみて、経済法にアレルギーを感じていないのであれば、経済法で本番に臨むことをお勧めします。経済法については、おそらく知らない論点(教科書にほとんど記載されていない論点)は出題されません。また、不公正な取引方法についての問題で取引形態を誤っても、ちゃんと選択した取引形態の要件に該当することを記載すれば、点数はもらえます。ただし、点数はもらえますが、出題者が考えている取引形態ではないので、事実のあてはめ・評価において点は伸び悩むことにはなります。本試験で、合格者のほとんどが選ぶであろう解答筋を掴み、問題文にある事実をしっかりあてはめ、評価することで、選択科目は60点代を十分狙うことができます。私は、令和4年度の司法試験では、上述の学習により選択科目は57.66点をとっておりますので、この学習法は概ね正しいだろうと考えております。合格目指して、頑張ってください。

辰已法律研究所 受講歴

【2022年対策】
・スタンダード論文答練(第1・2クール)
・司法試験 総択
・全国公開模試

関連記事

安定して高得点を狙える科目「国際私法」の勉強法

Y.A
受験歴: 1回
慶應義塾大学法学部法律学科
慶應義塾大学法科大学院【既修】2022年入学
【受講歴】書籍利用 他
選択科目

短期間で合格を掴み取るには

Y.A
受験歴: 1回
慶應義塾大学法学部法律学科
慶應義塾大学法科大学院【既修】2022年入学
【受講歴】書籍利用 他
2023年度

模試をペースメーカーに勉強に取り組みました

E.N
受験歴: 4回
早稲田大学文学部
明治大学法科大学院【既修】2018年入学
【受講歴】全国公開模試 他
2023年度

完璧主義からの脱却

池田 新平
受験歴: 2回
慶應義塾大学法学部法律学科
慶應義塾大学法科大学院法務研究科【未修】2019年入学
【受講歴】全国公開模試 他
選択科目
各種サービス
  • YouTube
    チャンネル

  • メルマガ登録

  • 辰已のアプリ

Page top