行政書士試験ガイド
行政書士試験の概要
行政書士試験は例年11月の第2日曜日に実施されます。受験資格に制限はなく、年齢、学歴、国籍等に関係なく、誰でも受験できます。令和6年4月現在、過去3年間の合格率は約11%~ 14%弱で、受験者数は約4万7千人、そのうち約6千人前後が合格しています。一般財団法人行政書士試験研究センターが公表しているデータによると受験者全体の約半数を40歳代、50歳代が占めており、働き盛りの社会人が果敢に挑戦している様子が伺えます。
ただ、行政書士試験の出題形式は5肢択一式、多肢選択式、記述式とあり、とりわけ記述式は配点が高く、暗記に頼った学習では得点に繋がりにくいのが特徴です。加えて、3つの合格基準点(以下行政書士試験の配点と合格基準点(令和5年度試験)をご覧ください)が設けられており、そのいずれも満たしていないと合格できません。例年、試験当日夜に各受験指導校が5肢択一式と多肢選択式の解答速報を公表しますが、記述式は模範解答に留まり、具体的に自己採点をすることができません。自己採点の合計得点が合格基準点を超えているのか否か、「記述式」の採点評価次第という受験生は少なくありません。
詰まるところ、ただでさえ試験勉強に充てる可処分時間の少ない社会人にとって、短期で合格の栄冠を勝ち取るためには「出題形式」と「合格基準点」をしっかりと意識して戦略的な学習計画を立てる必要があります。
行政書士試験の配点と合格基準点(令和5年度試験)
【合格基準点】
以下の3つの要件の、いずれも満たさないと合格できません。
要件1:行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122 点以上である者(50%以上) |
要件2:行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24 点以上である者(40%以上) |
要件3:試験全体の得点が、180 点以上である者(60%以上) |
行政書士試験のスケジュール
・受験資格
年齢、学歴、国籍等に関係なく、誰でも受験できます。
・願書配付
例年7 月下旬より配付開始
・受験申込受付
インターネットによる申込み もしくは 郵送による申込み
・受験願書受付期間
例年7 月下旬~ 8 月下旬
・受験手数料
10,400 円
・試験日及び時間
毎年1 回 11 月第2 日曜日 13 時00 分~ 16 時00 分(3 時間)
・合格発表
例年翌年1 月下旬
令和6年度 行政書士試験「一般知識」から「基礎知識」へ
令和6年度行政書士試験より「一般知識」は「基礎知識」へ変わります。では具体的に何が変わるのでしょうか。
全体の出題問数は14 問のまま変わりません。「情報通信・個人情報保護」と「文章理解」もこれまで同様に出題されます。
これに対して、令和6年基礎知識から新たに①一般知識と②行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令が加わりました。ここが総務省の公式発表では非常に分かりづらいところですが、令和6年度「基礎知識」に含まれる①一般知識はこれまでの「一般知識」と何が違うのか?
「行政書士試験の施行に関する定めの一部改正について」を見る限り、おそらくこれまでの「政治・経済・社会」が「一般知識」として出題されることが予想できます。
②行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令については、『現行試験において「一般知識等」の範囲内で出題しうるとしていた行政書士法、戸籍法、住民基本台帳法等行政書士の業務に必要な諸法令』とし、少なくとも「行政書士法」、「戸籍法」、「住民基本台帳法」は新たに学習する必要があります。
基礎知識は直前期にまとめて学習する方も多いですが、合格基準点(足切り点)が設けられていることを考えると時間に余裕があるうちに「出題分野」に応じた学習計画を立てることが重要です。