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令和6年考査委員公表、出題に係る法令変更等!
令和6年司法試験に関する最新情報

1 令和5年司法試験の結果

令和5年11月8日午後4時、令和5年の司法試験の合格発表がありました。

今年は、法曹コース受験生の受験初年、法科大学院在学中受験の初年であり、出願者数も増加したことから、大きな変化が予想されましたが、それは、予想以上であったと思われます。

まず、合格者数は1781人と昨年と比較して378人も増加し、また、合格者平均年齢が2歳近く下がりました。そして、司法試験受験1回目の合格者が500人以上増加したのに対し、複数回受験の合格者は激減しました。

・令和5年司法試験の採点結果(法務省HP)
https://www.moj.go.jp/content/001405789.pdf

2 令和6年司法試験考査委員名簿の公表

また、先日、令和6年司法試験考査委員(いわゆる出題委員)名簿が公表され、必須科目においては、昨年よりも各教科2名程度、法科大学院教員(いわゆる学者考査委員)が増加されました。これをどう見るかは中々難しいところですが、論文式試験においては、より良質で、特定の学者委員の関心分野ばかりに偏らない出題を目指すものと思われます(特定の学者委員の関心分野に偏った出題が多かったと思われる年として、平成30年、令和4年など挙げることができます。)。また、学者は、例えば、令和5年司法試験論文式試験公法系科目第1問のように、時事的なテーマを好み研究対象をする傾向が強いと思われます。そこで、最新の判例や立法、社会情勢等にもより一層注意が必要となるでしょう。

・令和6年司法試験考査委員名簿 令和5年11月1日現在(178名)(法務省HP)
https://www.moj.go.jp/content/001404972.pdf

3 司法試験の出題に係る法令についての変更

令和5年11月29日に、「令和6年司法試験からは、原則として、当該年の1月1日現在において施行されている法令に基づいて出題されることとなります。」との発表が法務省HPにてなされました。令和5年までは、原則として試験時の法令で実施されていました。

・令和6年司法試験の実施について
https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00203.html

これは、司法試験委員会会議(第178回)議事要旨(令和5年8月2日)の「事務局から、令和5年司法試験短答式試験刑法第6問について、同年7月13日に施行された『刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律(令和5年法律第66号)』による改正後の刑法ではなく、同改正前の刑法に基づいて出題されていたが、その旨の広報がされていなかったこと、及び、司法試験考査委員会議においては、同問の採点に当たり、受験者全員を正答として取り扱うこととされたことが報告され、協議の結果、この取扱いについて、法務省ホームページにおいて公表することとされた。なお、再発防止策については、引き続き協議することとされた。」との協議の結果と思われ、辰已法律研究所で司法試験委員会事務局に電話で問い合わせたところ、委員会での決定であるとのことで回答してもらえませんでした。ただ、今回の決定内容から上記のミスを受けてのことであると想定され、そもそも、刑法の所管官庁は法務省であり、その性犯罪に関する改正法案(内閣提出法案)は、法務省にとって令和5年の目玉法案といえ、それを見逃して性犯罪関連の短答式試験問題を作成したこと自体が重大なミスであると思われます。上記2で紹介した学者考査委員の増員も出題問題のチェック体制の強化の一環かもしれません。

・司法試験委員会会議(第178回)議事要旨(法務省HP)
https://www.moj.go.jp/content/001402869.pdf

4 令和6年司法試験対策の具体的な方法

このような状況で、辰已法律研究所としては、令和6年司法試験論文式対策として、具体的に以下の三段構えの方法を提案致します。

⑴ 基本的な知識・理解を習得するおすすめの方法

辰已法律研究所における現行司法試験の素材分析の結果、現考査委員や考査委員経験者が著者である基本書(例えば、三木浩一・笠井正俊・垣内秀介・菱田雄郷『民事訴訟法』(有斐閣、第4版、2023)など)や演習書(例えば、井田良・佐伯仁志・橋爪隆・安田拓人『刑法事例演習教材』(有斐閣、第3版、2020)など)から同書掲載類似の出題がなされることが多いです。これらの書籍は、考査委員の問題意識を凝縮化しているためです。また、近時の考査委員は、法学教室の演習などの連載経験者から多くが任命されており、書籍においても、事例作成や解説内容が優れていることが多いです。そこで、これらの基本書や演習書を精読し、これを辰已の『趣旨・規範ハンドブック』や各自の論証集にまとめて基本的な知識・理解の習得に力を入れましょう。

⑵ スタンダード論文答案練習会、辰已司法試験全国公開模試などで応用力を強化

このようにして習得した知識・理解をもとに、スタンダード論文答案練習会などで実際に時間を計って答案を書き、添削を受けて直すべき点は直しておきます。こうして、応用力が強化され、司法試験考査委員が求める基本的な知識・理解とその応用能力を身につけることができます。

⑶ スタンダード論文答練などの復習をしっかりと行う

そして、辰已では、毎年、スタンダード論文答練第1クール、同第2クール、辰已司法試験全国公開模試、福田ファイナル予想答練など多くの演習の機会を設け、さらに、適宜、参考資料となるレジュメなどを配布しおります。その演習問題や参考資料の作成に際しては、考査委員の関心分野、判例や立法の動向、学界や学術論文の動向、社会的な関心の高い法律問題、出題の周期性などを緻密に総合衡量して出題しており、毎年高い的中率を誇っております。令和5年対策の答案練習会でも多くのズバリ的中を出しましたが、例えば、令和5年辰已司法試験全国公開模試や同福田ファイナル予想答練で扱った「令和5年刑事訴訟法出題大予想」で掲載した領置の適法性に関する東京高判平30.9.5(高刑集71-2-1、令和元年度重要判例解説刑事訴訟法1事件、川出敏裕(令和5年・同6年考査委員)『判例講座 刑事訴訟法〔捜査・証拠篇〕』(立花書房、第2版、2021)P.179~185)などは、知っているか否かで50点程度の差が付く判例といえます(令和5年司法試験の出題趣旨刑事系科目第2問における領置の適法性の記載量参照。)。今年もこの他にも多くのズバリ的中を出しましたが、受講した答案練習会で出題された問題などがズバリ的中し、当該問題をしっかりと復習していた場合、失敗したと思った科目の分を取り戻すことができると思われます。

なお、具体的な対策方法に関しましては、下記の辰已YouTube動画を参照願います。

・2024司法試験学習戦略座談会
https://www.youtube.com/watch?v=7kURot0kQm8

・2024司法試験学習戦略座談会(補遺)
https://www.youtube.com/watch?v=x8A3I1N4AU0

5 2024スタンダード論文答練(第1クール)通信部追加決定!

2024スタンダード論文答練(第1クール)は、東京通学で令和5年11月25日から開講しています。しかし、来年複数回の受験となる方にとって、そもそも来年も受験するか否かの方針をご自身で決め、ご家族などと相談し、予習をしてから答案練習会を受講しようとしても、ある程度の時間の必要な方も多いかと思います。そして、幸いにも2024スタンダード論文答練(第1クール)は、受講生から好評を頂いていることから、通信部1月コースを増設することに致しました。是非、ご受講願います。

また、この通信部1月コースの日程では、法科大学院在学生の皆様にとって、期末試験と重なるという指摘があると思います。ただ、スタンダード論文答練受講経験がある今年の合格者や有力法科大学院修了者5名程に聴いてみたところ、確かに中規模な法科大学院では、期末試験の過去問が役立つのでスタンダード論文答練の受講が直接期末試験を有利にしないとの意見もありました。もっとも、大規模な法科大学院では、司法試験を意識してか、司法試験類似の長文で優れた内容の期末試験が出題されることも多く、この時期にスタンダード論文答練を受講して基本的な知識・理解の確認と答案の書き方を習得するのは、期末試験にも有益であるとの意見が多数を占めました。法科大学院在学生の皆様にも、来年1回目での合格を確実にするために、2024スタンダード論文答練(第1クール)通信部1月コース、それに続く第2クール、司法試験全国公開模試のご受講をお勧めします。

最後に、この記事を読んで頂いた司法試験受験生の皆様のこれからのご健闘を、お祈り申し上げます。

・2024スタンダード論文答練1月スタートのご案内(辰已HP)
https://service.tatsumi.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/12/23121901-shsutaron.pdf

・2024スタンダード論文答練のご案内(辰已HP)
https://service.tatsumi.co.jp/shin/kouza/4846/

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