令和2年
判例年月日 (裁判所HPにリンク) | 抜粋 | 関連規定(司法書士試験科目関連) |
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最判令和2年12月15日 | 同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において,借主が弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは,当該弁済は,特段の事情のない限り,上記各元本債務の承認(民法147条3号)として消滅時効を中断する効力を有すると解するのが相当である | 民法 147条3号 |
最大判令和2年11月25日 | 普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰の適否は,司法審査の対象となるというべきである。 | 憲法 76条1項等 |
最判令和2年9月11日 | 請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし,他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴が係属中に,本訴原告が,反訴において,上記本訴請求債権を自働債権とし,上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは許されると解するのが相当である。 | 民事訴訟法142条 |
最決 令和2年9月2日 | 担保不動産競売の手続において,最高価買受申出人が受けた売却許可決定に対し,他の買受申出人は,特段の事情のない限り,民事執行法71条4号イに掲げる売却不許可事由を主張して執行抗告をすることはできないと解するのが相当である。 | 民事執行法 71条4号 |
最判令和2年7月9日 | 交通事故の被害者が事故に起因する後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合において,上記目的及び理念に照らして相当と認められるときは,同逸失利益は,定期金による賠償の対象となるものと解される。 | 民法722条1項, 417条, 民事訴訟法117条 |
最判令和2年4月7日 | 強制執行の申立てをした債権者が,当該強制執行における債務者に対する不法行為に基づく損害賠償請求において,当該強制執行に要した費用のうち費用法2条各号に掲げられた費目のものを損害として主張することは許されないと解するのが相当である。 | 民法709条 |
最決令和2年3月11日 | 性同一性障害者につき性別の取扱いの変更の審判が認められるための要件として「現に婚姻をしていないこと」を求める性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項2号の規定は,現に婚姻をしている者について性別の取扱いの変更を認めた場合,異性間においてのみ婚姻が認められている現在の婚姻秩序に混乱を生じさせかねない等の配慮に基づくものとして,合理性を欠くものとはいえないから,国会の裁量権の範囲を逸脱するものということはできず,憲法13条,14条1項,24条に違反するものとはいえない。 | 憲法13条, 14条1項, 24条 |
最判令和2年3月10日 | 刑法を改正して強制わいせつ罪等を非親告罪とした本法の経過措置として,本法により非親告罪とされた罪であって本法の施行前に犯したものについて,本法の施行の際既に法律上告訴がされることがなくなっているものを除き,本法の施行後は,告訴がなくても公訴を提起することができるとした本法附則2条2項は,憲法39条に違反せず,その趣旨に反するとも認められない。 | 憲法39条 |
最判令和2年2月28日 | 被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え,その損害を賠償した場合には,被用者は,上記諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について,使用者に対して求償することができるものと解すべきである。 | 民法715条 |
最決令和2年1月23日 | 婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚したとしても,これにより婚姻費用分担請求権が消滅するものとはいえない。 | 民法760条 |