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時間がない人こそ必要なコツコツ勉強法!

N・Yさん
受験歴: 4回
甲南大学法科大学院修了
【受講歴】スタンダード論文答練 全国公開模試
2024年度

1 司法試験の受験を決意した経緯・合格までの道のり

 弁護士のドラマを見てバッチがかっこいいなと思い、私も欲しいと思ったのが司法試験を受けようと思ったきっかけでした。

 一回の受験資格の失効を経て再ロー後4回目で合格することができました。一回目のロースクール卒業後は自分の実力と司法試験合格までの距離を感じ就職しました。しかし、しばらくして法曹に未練を感じ働きながら通えるロースクールに入りなおしました。再ローだったので単位取得は余裕だと思っていたのですが民法改正や刑法の議論等が進んでいて大変でした。さらに入学したその年に、ロースクールの閉鎖が決まり、受験回数が増えるにつれサポートが減っていったので予備校を利用し合格にたどり着くことができました。

2  受験対策

①辰已講座の利用方法とその成果

 1回目の受験の際にはスタ論や、全国模試を受けていました。その当時の私は実力が足りていなかったので十分に講座を利用し尽くせてなかったように思います。スタ論は初見の問題に対し時間内に論点を発見し論証を書ききれるかのチェックに使うと良いと思います。また、書いてあるつもりではなく相手に自分の書いたことがちゃんと伝わっているかの確認にも最適です。なぜ答練を受けるのかをきちんと考えて利用すると良いと思います。ただの勉強のペースメーカーとして使うだけではもったいないと思います。

②「私がやって成功した方法」「私のノート作成術」「私のスケジュール管理方法」等々

 ノートについては3つを使い分けていました。1つ目は各科目分野ごとにポイントをまとめたもの、2つ目は受験当日に確認できるぺらぺらなもの、3つ目は論証集です。

 ボリュームのある教科書をまとめたようなノートは勉強が進むにつれていらなくなってきます。知識が足りていない段階ではノート作成はしなくて良いと思います。とりあえず基本書の内容の理解につとめるべきです。おすすめなのはこれから使うノートという意識で作成するのではなく1日の最後にその日勉強したことを科目ごとにA4用紙1枚に簡単に要約して書いておくことというものです。次の日は要約を読んでから勉強をスタートすることで簡単に復習ができ勉強がスムーズになります。また、一通り理解できたら単元ごとにA4サイズの紙1枚に論点等のポイントとなることをまとめて記憶喚起材料にします。ポイントは1枚にまとめきることです。複数に渡ってしまうと結局読み直すにも手間がかかり嫌になってしまいます。工夫して省略したものや記号化したものは案外記憶に残り論点の定着にもつながりますし読み返して意味がわからないと思えば自然と分厚い基本書 をめくって確認したくなります。自分の中の勉強したい欲を自然と引き出せるようにすることが大切です。司法試験は必然的に長い時間勉強をすることになります。試験時間が最長7時間ですので普段の勉強は10時間くらいやって当然です。勉強継続に苦痛を感じる人は苦痛を感じずに当たり前にやり続けられるように自分を騙す工夫が必要だと思います。また反対に勉強が好きで深く理解したいと学者のように探求しすぎると試験勉強としては進まなくなってしまうのでバランスが大切です。

 論証集は予備校のものに加筆修正しつつ使っていました。異なる判例の論理を組み合わせて論証として作られているもの等ありますので自分で一つ一つ確認してください。また最新版が出た時は何が変わったのかについては確認するようにしていました。

 試験当日見るノートについては、行政法と民訴以外は昼休み等を挟むので意外に確認できる時間があります。そのため、少し厚めものでも大丈夫です。行政法と民訴は直前に確認できるように特別に苦手な所だけ集めた薄いものを作成し直前の確認用にしていました。

③ 私が使用した本(基本書か辰已書籍の中で役に立ったものに限る)

 辰已書籍としては、短答パーフェクト・肢別本・趣旨規範ハンドブック・えんしゅう本・ハイローヤー 等々

(短答式)

肢別本派とパーフェクト派がいると思いますがどちらでもいいと思います。私自身は短答が苦手でしたので試験と同じ形式の方が良いかなと思いパーフェクトを利用していました。

普段の勉強の最後に、同じ単元の部分の短答を解くようにしていました。全部で何周回すというよりも苦手な範囲をコツコツやっていった感じです。

(論文)

趣旨規範ハンドブックを主に使いました。欲しい情報がまとまっており非常に使いやすかったです。出題趣旨等の記載があるのも良く熟読するきっかけにもなりました。ただどこから来た定義なのか不明なものもあったりするので丸覚えではなく出典を確認して判例の定義か学説か理解してから使うことをおすすめします。

3 自己の体験を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

①LS在学生へのアドバイス(在学中にやっておくべきことなど)

 ローには先生がいますので、先生に答案の添削をやってもらってください。深い議論をやり始めると試験まで時間がなくなるのでとりあえず何度も基本書を読んで基礎を定着させてください。

②来年初めて受験する方へのアドバイス(試験当日までの過ごし方など)

 めちゃくちゃ緊張をすると思うので試験中の時間の使い方についてシュミレーションをしておくといいと思います。ホテルに泊まる人は一年前から予約が取れるホテルも多いので早めに取ることをおすすめします。一日前は緊張で眠れないかもしれません。しかし二日目は試験で疲れて必ず眠れます。そのため、このまま眠れないかもしれないと心配して睡眠導入剤等飲む必要はないと思います。試験直前はいつも通りを心がけて生活してください。

 試験の際は、普段しないようなミスをしてしまうものです。失敗してもあきらめず最後まで淡々とやりましょう。一科目失敗しても次で挽回できればなんとかなります。引きずらないように気分転換できるアイテムを用意しておきましょう。私は試験中に飲めるように水と甘いドリンクを用意していました。わからない問題があって焦ってしまったら甘いドリンクを読んで落ち着かせてから答案を書くようにしていました。

③来年のリベンジ合格を目指している方へのアドバイス(試験当日までの過ごし方など)

 令和7年受験は、筆記で受けられる最後の年です。パソコン受験になると論文戦略がガラリと変わります。今までこの試験形式で戦略を練ってきたと思うので余すことなく発揮できるように準備しましょう。

 まず、今年どこがだめだったのかは分析しましょう。例えば私なら当日の精神面はどうだったのか、それが論文作成の精度にどれほど影響したのかの分析から始めます。分析は各科目それぞれ個別でやるべきです。自分の感覚と実際の評価にどれほど乖離があったか、なぜ乖離したのかの分析もしましょう。

 次に出題趣旨と採点実感を熟読しましょう。特に上記の乖離が大きかった人は先入観を持たずにしっかりと読んでみて下さい。自分は書いたという気持ちで読むと都合の良い読み方になってしまいがちです。フラットな視点できちんと読んで下さい。最近はとても丁寧に書かれているのでなぜ乖離が起こっているのか理解ができるはずです。

 最後に論点落ちがある人は勉強不足なので基本を入れ直してください。年々問題文が短くなり規範を書いてくれているものや小問が増えています。問題自体の難易度は下がっていると思います。その代わり求められる答案の質は上がっていると思います。書けて当然という問題が多いですので書き負けないようにすることが大切です。筆力のある方は量を書くべきです。筆力のない方は量を書いてくる人と同等の点数を取るために各内容の精度をあげるべきです。それには判例をうまく利用してください。

④社会人受験生へのアドバイス(限られた可処分時間の有効な活用法)

 限られた時間しか勉強が出来ないので効率的に時間を使ってください。仕事をしている日はたった3時間勉強しただけでとても勉強をしたと思いがちですが、勉強しかしていない受験生にとって3時間の勉強の日は全然勉強していない日と認識します。自分は勉強時間が足りていないということをいつも頭に置いておきましょう。

 論証等記憶しなければならないものについては、何度も見る時間はありません。そのため、隙間時間をできるだけ早いうちに覚えきってください。座って勉強できる時間はインプットではなくアウトプットのために使ってください。社会人はアウトプットの勉強が取れないことが多いように思います。特に即日起案を行って誰かに添削してもらい自分の文章の意味がきちんと伝わるか確認してください。

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