司法試験

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司法試験逃げ切り戦略

M.Rさん
受験歴: 1回
東京外国語大学
慶應義塾大学法科大学院【既修】2023年度入学 同年退学
2023年予備試験合格
【受講歴】予備試験スタンダード論文答練(松永クラス) 他
2024年度

1 はじめに

 私は予備の口述試験後、勉強に身が入りませんでした。司法試験のために勉強をしなければいけないという気持ちと就活に対する漠然とした不安に折り合いがつかなかったためです。試験勉強に身が入らず結果として順位を大きく落としました。そこで本稿では、予備試験までの習熟状況と予備試験後の学習量を出来るだけ正確に記載し、一助となればと思います。

2 予備試験論文受験時の状況

[過去問]
 直前5年分は時間を測って解いたことがあります。受験歴が長かったため、直近の一年で解いたことがあったわけではないと記憶しています。

[答練、模試での成績]

・予備試験受験3回目の年のスタ論での点数(系統別の1科目あたりの平均点) 50〜41: 0割

40〜36: 0.5割

35〜31: 1.5割

30〜25: 7割

24〜20: 1割

・直前スタ論2回が約30点、公開模試が約25点

[インプット面]

・論証
 趣旨・規範ハンドブックを軸に、基本書、百選を論点ごとに参照し自作の論証を加筆していました。

・基本書
 通読した本は一冊もありませんでした。大島本だけ論証集のように使用していたため5回程通読していたと思います。

・百選
 行政法、商法、民訴法、刑訴法は趣旨・規範ハンドブックに引用されている判例について百選の判旨と解説を読みました。
 行政法の処分性、原告適格、訴えの利益については掲載判例を全て読みました。

[主観的な認識]
・公法系、刑事系、民実、経済法
 出題されたら困る分野(例えば、社会権、統治、典型以外の伝聞、概括的認定など)については不安はありました。しかし、受験生が全体的に苦手分野なので相対的に沈むことはないという認識でした。
 それ以外の頻出分野については、当てはめや周辺判例についての知識で書き負けることはないという意識でした。

・民事系
 特に民法は苦手意識が強くAは絶対取れないだろうという実力だと思っていました。

 全体として見ると、本番での出来や出題される分野の当たり外れを加味して、8割くらいの確率で合格するだろうという認識でした。

3 口述受験時の状況

 口述対策で悩みどころの各論と、刑訴の手続きに関する基本書を通読しました。それ以外はロースクールの授業の予習だけです。

4 司法試験対策に行ったこと

[短答対策]
 2月ごろから始め、憲法2周、刑法2周、民法1.5周

[論文対策]
過去問の答案構成を各科目5〜7年分刑法事例演習教材

民法事例演習教材

刑法総論の悩みどころ

過去問の時間を測っての演習2年分

5 過去の勉強での良かった点

 趣旨規範ハンドブックに一元化していたことが一番良かったです。ルーズリーフのような横線が印字された付箋を切り貼りして使い、何度も書き直せるように出来たことも良かったです。

 そして、百選や判例を詳しく解説してるタイプの参考書(判例講義  川出、基本判例行政法など)を参照し、重要判例の要旨やそれと若干事例の異なる関連判例との異同を見極めた上で自分なりの規範を作る作業は良かったです。(判例の理解、類似判例同士の整合性が試験でそのまま出題されるため)

6 良くなかった点

 過去問演習を疎かにしたことが司法試験で大きく点数を落とした原因だと思います。司法試験の過去問を初めて見た際に、採点実感等で指摘された論点のうち比較的重要でないものを拾えるようになろうと知識を広げるための勉強をしてしまいました。試験対策時期が早ければ問題ないですが、3ヶ月半という期間で短答と並行してやらなければいけないことを考えれば潔く切り捨てる決断をすべきでした。今まで予備試験までで知らなかった知識を付けに行って、それが定着し正確に論述できるかどうか、そして実際に出題されるかどうかの2点においてコスパが悪かったです。

7 最後に

 予備合格後、司法試験はどうせ受かるだろうとたかを括っていました。しかし試験日が近づくにつれて、予備試験よりも高度なことを求められているにも関わらず自分の完成度が低いことや勉強に身が入らず時間を確保できていないことに対する苛立ちや焦りが増していきました。

 今冷静になって振り返ると、司法試験の受験者とその前年の予備試験の受験者の内訳はさほど変わりがなく、予備試験は自分の当時の立ち位置を測る上ではいい指標だったのではと思います。上位ロー在籍者で予備試験を受験しない人がたくさんいるため、予備試験の順位×2〜2.5=司法試験受験者の中での立ち位置くらいな感覚です。

 直前の2ヶ月はとても焦りながらかなり詰め込んで勉強しました。焦っている分定着率も良くなかったですし何より勉強していて楽しくありませんでした。ぜひ皆様には、予備試験の合格発表前から司法試験の過去問に目を通し余力を残しつつ学生生活と勉強をどちらも楽しんでいただけたらと思います。

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