リベンジ合格までの道のり
1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり
テレビドラマのHEROを見て検察官にあこがれたのがきっかけで司法試験を目指しました。個々の事案に対する法律の規定の解釈にも面白さを感じた結果、司法試験の受験を決意しました。
私は、法科大学院を卒業してから1年目の受験では失敗してしまいました。敗因分析をした結果、行政法や民法の基礎知識が固まっていなかったことだと考えました。また、コロナ禍ということもあり勉強計画が立て辛い状況であったことも重なりました。そのたのため、2年目は、勉強計画を綿密に立てたうえで苦手科目について基本書に戻り、基礎から集中的に勉強しました。その結果、2年目の受験では、合格することができました。
2 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)
私は、大学4年次から司法試験を意識しました。なので、学部時代は、司法試験を意識した勉強は全くしていませんでした。4年次に、法科大学院に入るための予備校に通い始め、基礎から法律の勉強をしていました。その間には、行政書士試験などを受験し力試しをしつつ、法科大学院に入学しました。
3 法科大学院入学後の学習状況(法律学習)
学部時は周りで法科大学院に進む友人が全くいない状況でした、なので司法試験に関する情報はネットで見るくらいで全く不足していました。私は、未修者コースで入学しましたが、その時点の法律知識は、予備校の基礎講座を一周した程度で、最初は授業に付いて行くのが精一杯でした。なので予習のみで一日が終わるときもありました。
しかし、学部自体とは違い、法曹になるという同じ目的を持っている人達に囲まれていたお陰で、司法試験のための情報交換や知識の確認をできる状況になりました。上級生の先輩方や先生方にわからないところを聞いたり適宜ご指導をいただける環境は、私の法律知識の向上に役立ったと思います。
4 受験対策として辰已の講座利用及びその成果
私は、辰已法律研究所の全国模試を受験しました。全国模試は、相対評価である司法試験の中で自分が今どの位置にいるかを把握することに役立つからです。
また、本番同様の環境で答案を書くことの難しさを知ることができます。具体的には、移動時間を含めた本番の試験のスケジュールと疲労感が実感できるからです。大学院の定期試験とは異なり、一日3科目を約5日間こなすことは非常に疲れます。司法試験という極限状態の中でしっかりと答案を書くことの訓練をすることは非常に有用だと思います。
次に、本試験では、この全国模試で出た論点が出題された場合には、他の受験生も書ける様になっていると考えられるので、他の受験生に書き負けないようにするために受験は必須だと思ったからです。
さらに、模試の結果が一つの基準にもなるので、基本事項が書けていない時には大きく成績が下がるので、基本事項の大切さを肌で感じることも良い点だと思います。
5 受験対策として私がやった事
(1) 短答対策
ア 憲法
演習教材は辰已の『短答過去問パーフェクト』を使用していました。パーフェクトについては一肢ずつ検討し、結論・理由付け共に完璧にしていました。間違った肢と理由づけを答えられない肢には付箋を貼って繰り返し見直しました。また、解答を丁寧に読み込むことを重視し、知識の理解が曖昧だと感じたものは基本書や百選も読み込みました。
イ 民法
演習教材は辰已の『短答過去問パーフェクト』を使用し、憲法と同様に勉強しました。
また、民法は過去問のほかに改正部分が出ると予想していました。また、過去問で出ていない条文問題が出た時の対策として判例六法を使用していました。そこで、条文の素読と一度過去問で出てきた判例をマークして理由づけを書くようにしていました。そうすることにより、短答対策が論文対策にもなると考えたからです。
ウ 刑法
刑法も民法や憲法と同様の方法で、パーフェクトを使用し一肢ずつ検討しました。刑法は、特に学説の理論問題が論文にも生きてくる科目だと思いました。なので、学説対立が激しい論点については、基本書に立ち戻り理解を確認し直しました。
刑法に関しても民法と同様に判例六法にマークと理由づけをしていました。
(2) 論文について
私は、民法の論文対策において、辰已の趣旨規範ハンドブックを使用していました。趣旨規範ハンドブックに情報の一元化をする様にしていました。なぜなら、趣旨規範ハンドブックが一定の基準になると考えたからです。ここに載っていない事項は、応用または未知の問題だと割り切れると思ったからです。
また、憲法を除く全科目については、過去問を解く様にしていました。過去問については、一日2問を目標に問題を解いていました。また、過去問演習をするにあたっては、出題趣旨と採点実感をしっかり読み込むようにしていました。そして、次に同じ問題を書く際には、「一応の水準」に触れられるように意識をして書いていました。また、過去問を検討する際には、「司法試験論文過去問答案パーフェクトぶんせき本」(辰已法律研究所)や「司法試験論文合格答案再現集」(同)も適宜参照させてもらい、どの程度書ければ合格水準になるか、ということを確認することをしていました。
(3) 選択科目
私は、経済法を選択科目で選択しました。選択科目については、受験生が一番勉強していないと先輩方から伺っていたので、できるだけ時間をかけずに学習しようと考えていました。
そこで、私は、予備校が出している薄い経済法の本を3から4回程度読んで全体像を把握することにつとめました。
また、経済法は、覚えるべき定義が少ないですが、当てはめで差が出る科目だと思います。なので、アウトプットメインで勉強をしていました。具体的には司法試験の過去問と『論点解析経済法』という演習書でアウトプットを行いました。そして、辞書的に『条文から学ぶ独占禁止法』『独占禁止法「第6版」』を参照することもありました。
6 私が使用した本
前述の通り、演習教材は辰已の『短答過去問パーフェクト』を使用していました。特に民法について、改正民法に対応していただけでなく、改正によって結論が変わったものに注釈などがつけられていました。そのため、その都度改正点を確認する手間が省け、効率よく勉強することができました。
さらに、辰已のハイローヤーという本も適宜見る様にしていました。ハイローヤーでは、本番に出そうな論点が載っており端的に指摘してあります。そのため、短時間でその論点を確認することができました。
また、前述した様に「司法試験論文過去問答案パーフェクトぶんせき本」(辰已法律研究所)や「司法試験論文合格答案再現集」(同)も適宜参照させてもらいました。
7 これから受験する人へ
(1) LS在学生へのアドバイス
私は、答案を沢山書くことをお勧めします。できれば、司法試験の過去問を土日等の授業のない日に1問解くことをして欲しいと思います。そこで、自分の答案の癖や評価の仕方などをしっかりと修正していきながら勉強することをお勧めしたいです。
勉強方法に迷っているのであれば、合格者の方から聞いた勉強方法を色々と試すことも大事だと思います。私は、色々な勉強方法を試しながら、自分にあった勉強方法を見つけるのに苦労した方だと思います。なので、一度は、「やってみる」ことをしても良いと思います。
(2) リベンジ合格を目指している方へのアドバイス
私は、リベンジ合格を目指している方には、短答については合格者水準以上にすることをお勧めします。在学生と異なりリベンジ合格を目指す方(専業受験生に限る)は、比較的時間がある方も多いと思います。なので、今一度、過去問を解く際に理由付けなどもしっかりと押さえて知識を盤石にしていくことを勧めています。短答でのアドバンテージは、最終合格にも繋がると思います。また、短答の知識が論文にも活かせると思うので、まずは短答の点数を向上させることを目指してもらいたいです。
論文式については、今一度立ち止まって、何が良くなかったを合格者等の人に確認してもらってください。そして、そのアドバイスを「素直」に受け入れてみてください。実際に私は、合格者の方に言われたことをしっかりと聞き答案に反映させたら、驚くぐらい答案の出来が変わりました。
(3) 最後に
司法試験は、計画性が大事な試験だと思います。試験当日から試験半年前までの期間については、特に大事になると私は思います。皆さんは、試験半年前から試験本番までの期間について、一日一日をどのように過ごすかを特に意識して過ごして欲しいと思います。
最後になりますが、自分自身が積み重ねた努力を信じて、最後の最後まで諦めずに頑張ってください。最後の頑張りで結果は必ず変わると思います。
皆さんの合格を心から、お祈り申し上げます。
辰已法律研究所 受講歴
【2020年対策】
・スタンダード論文答練(第2クール)
・司法試験全国公開模試