司法試験の勉強は「見極める」ということ
1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり
5歳の時に亡くなった父が弁護士であったことから、弁護士という職業が幼いころから身近にありました。そして、8歳の頃に母から、父が自分の子供も弁護士になることを望んでいた、という話をきいて私も弁護士になることを決意しました。その頃から、進路を本格的に考えるようになる高校2・3年生になっても思いは変わらず、ずっと弁護士になることが夢でした。その後、大学の法学部から法科大学院の既修コースを経て、5回目の受験で合格いたしました。
2 法科大学院受験前の学習状況
私の場合は、受験勉強から解放されて大学生活を満喫していたということもあり、大学入学当初はあまり勉強をしておらず、本格的に勉強を始めたのは大学2年生から3年生にかけての春休み頃からだったと思います。また、法科大学院入試対策の勉強しかしておらず、入試に必要な科目以外の勉強はしていませんでした。今となっては、法科大学院入試の勉強も兼ねて、はやくから予備試験の短答等の勉強を始めておくべきだったと思います。
3 法科大学院入学後の学習状況
既習コースでしたが、法科大学院に入って初めて本格的に勉強する科目が複数あったので、授業についていくだけでも精一杯でした。また、ソクラテスメソッドの授業にもなかなか慣れずに苦労しました。猛勉強の末、なんとか定期試験では満足する成績が取れたものの短答対策にはほぼ手がまわらず、後に苦労することとなりました。
4 複数回受験となってしまった原因
私は、短答がとても苦手で、現に1回目の受験では短答落ちでした。その後、4回目の受験まで、なかなか安定しませんでした。論文でも、途中答案は出さないものの少しあっさりした答案になってしまう傾向があり、さらに初見の問題に対する対応力がなく、大きな失敗をする科目が過去の受験で毎年2科目ほどありました。短答落ちが怖く短答に勉強時間を費やしすぎて論文は過去問対策にしか手が回らないという負のスパイラルを繰り返していたのが複数回受験の原因だったと思います。
5 受験対策として行った方法及び合格できた原因
6 受験対策として活用した辰已の講座及び書籍
7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
6年間司法試験と向き合い一番強く感じたことは、短答を一刻もはやく、最低120点は安定してとれるように完成させることです。出来れば、法科大学院入学までに足切りには余裕を持ってならない状態にしておくと、司法試験への負担がかなり少なくなると思います。
次に、司法試験の勉強は見極める力が大事な試験だと思います。短答と論文の勉強時間のバンランスを見極めること、全部完璧にすることは不可能なので自分が合格するために必要な勉強が何かを見極めること、自分の弱点を正確に把握して克服する方法を見極めること、です。これらは個人差があり、千差万別で一番難しいことではありますが、この三つを見極められれば、突破することが可能な試験だと合格した今思っています。
幼少期から大学の頃までは、今思えば私は司法試験を少し楽観的に甘く捉えていましたが、司法試験は本当に厳しいものでした。お金も時間も体力も精神力忍耐力も必要な過酷な試験です。また、周りの友人が社会に出て働いたり遊んだりしている中、机に向かって孤独に勉強し続けなければなりません。その中で強い覚悟を持って挑むべき試験だと思います。そして、このような過酷な試験に5回も挑戦させていただいた周囲の支えや環境には感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです。
私は今回がラストチャンスでしたが、開き直っていたこともあり、試験前から発表まで「これで落ちても全てが無駄になるわけじゃないし、私の価値がなくなることもない。これだけ一つの勉強をやり切ったんだからこれからも前を向いてしっかり生きていける。」という前向きな気持ちでいました。複数回受験の方は、不合格を何回も経験されて本当に辛いとは思いますが、「やらない後悔よりやる後悔」といいますし、受験を悩んでいるのであれば環境等が許される限り、是非最後まで受験することをオススメします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。読んでいただいた皆様の合格を心からお祈りしております。