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失権か合格か
(ロースクール修了5年目の合格体験記)

R.Mさん
受験歴: 4回
神戸大学法学部
関西国公立ロー 【既修】2016年入学・2018年修了
【受講歴】2021年西口小教室 他
既修者リベンジ合格

1 司法試験の受験を決意した経緯

 大学のサークルで法律相談部に入りました。最初は、学部の試験対策で勉強になると思って入ったのですが、OBの弁護士や大学教授と一緒に一般市民の方を対象とする法律相談をしている内に、困っている人の役に立つことができる弁護士に憧れるようになり、司法試験の受験を決意しました。

2 合格するまでの道のり

 法学部を留年等することなく卒業した後は、法科大学院の既修者コースに入学し留年等することなく修了しましたが、司法試験に合格できたのは法科大学院修了5年目の年でした。短答が特に苦手で、短答落ちの経験もあり、短答通過の場合でも今回以外は全て短答合格最低点数しか取れませんでしたが、今回は短答合格者平均点を初めて取り、最終合格も果たしました。

3 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)

 大学1回生の時に、辰已の原孝至先生の基礎講座を受講しました。原先生は、アウトプットを意識したインプット講義をコンパクトながら濃密にして下さいました。
 その後は、他校のアウトプット講義も受け、ロースクール入試に臨みました。

4 法科大学院受験後の学習状況(法律学習)

 ロースクール在学中は、予復習に追われ、司法試験に関係のない科目の勉強と司法試験の勉強を並行することが大変でした。ロースクールの2年間で司法試験の全過去問の起案を2周しかすることができず、短答の勉強は全くしておりませんでした。そのため、1回目の受験では、当時の短答の足切り点ピッタリしかとれず、これが足を引っ張ることになり落ちました。
 2回目は、短答の点数が取れれば最終合格できるという意識の元、短答に重点を置いた勉強をしました。しかし、その短答の勉強は、短答過去問の問題文と解説文の丸暗記に走り、条文の文言や、なぜこれが○×になるのかという思考過程を全く意識できていませんでした。そのため、2回目は、短答の点数が、ノー勉であった1回目よりも大きく下がる二桁しか取れず、短答落ちとなりました。
 その後も、2回も落ちた原因は、インプット不足にあるという浅い自己分析しか行わず、色々な予備校の講義を受講して手を広げすぎることになり、試験直前期においても勉強内容・教材を絞り込むことができず、大量の予備校・市販の教材・演習書を抱え込む羽目になり、勉強の軸がブレブレになっていました。勉強すればするほど短答の点数は落ちていき、論文の方も一科目もA評価を取れなくなり、いよいよロースクール修了5年目・受験の最終回を迎えることになりました。今思えば、効率の悪い勉強ばかりしており、たとえば、ある論点が気になると色んな基本書を引っ張りだして長時間かけて調べ、それで勉強した気になっていました。
 さすがに、5年目の受験となりますと、司法試験の過去問は論文も十何周もしていましたので、落ちる原因が勉強不足にあるという甘い自己分析は通用しなくなります。そこで、冷静になって自分の本棚を眺めると、大量の教材が目に入り、もうこれを断捨離する必要があるなと痛感し、インプット教材は各科目2冊(予備校教材も含めてです。たとえば、民法は予備校テキストと潮見先生の民法全だけにしました。)・アウトプット教材は各科目1冊までと決め、残りの過去問以外の教材は押し入れに封印することにし、もう教材は浮気しないという覚悟を決めました。
 しかし、自己分析がまだまだ甘く、自分では気付いていない弱点が絶対にあると思い、プロの受験指導の先生に答案を添削・指導してもらう必要があると思い、個別指導・答案添削の講座を探すことにしました。最近では、インターネット上で手軽に添削や個別指導が受けられる環境となりましたが、匿名やニックネーム、合格実績も出さない指導講師も多く、最後の受験回数を賭ける自分にとってはあまり信頼できるものではありませんでした。
 そこで、西口小教室を開講している辰已が老舗予備校であることから、司法試験合格のためのノウハウの蓄積もかなりあるのではないかと期待し、司法試験発表直後に実施された西口竜司先生のガイダンスを受けることにしました。
 ガイダンスでは、私が完璧主義者であることや、問題文の読み方が甘く答案に事実を拾い切れていないこと、司法試験を難しいものと捉えすぎており相対評価の意識が抜けていることを弱点として指摘され、目から鱗が落ちました(※ガイダンスを受ける前の時点で教材は既に絞りこんでおりましたので、教材の断捨離についてのアドバイスは求めておりません。)。
 西口先生は、受験指導歴が長いベテラン講師であり、しかも複数回受験者を毎年合格に導いている実績をお持ちなので、どうやって勉強すれば良いのか分からなくなってしまった自分に道筋を示してくれるのではないかと思いました。また、顔写真・経歴(当然ご本名でした。)のみならず各年の小教室生の合格率までも公表されていて、この方なら信頼できると思い、西口小教室の門を叩きました。

5 辰已講座の利用方法とその成果

(1) 西口小教室
 西口小教室は、3対1のゼミ形式のものもありましたが、殆どは1対1の個別指導で行われ、その人個人の弱点をあぶり出してカイゼン(矯正)するものでした。
 問題文の読み方が甘く答案に事実を拾い切れていない点を矯正することが、私の一番の課題であり、長年染みついてしまったクセを矯正するには長い時間を要してしまいました。3月の全国模試の時点でも答案に事実を拾い切れていない弱点が露呈してしまった科目があり、この弱点を意識して本番に臨んでいなければ、今年も合格できず、失権してしまったと思います。

(2) スタ論西口care特別クラス(以下、西口クラスとします。)
 第1クールは、プレcare講義とスタ論が科目別で進行されていました。科目ごとに、週の始めにプレcare講義を受講し、金曜日にスタ論を受けるという形となり、予習・復習がとてもしやすかったです。プレcare講義では、西口先生が独自にAランクと指定した論点を短時間で一気に講義するというもので、短時間で当該科目をおさらいすることができました。なお、年明けからの第2クールは、法系別の進行でした。
 西口クラスでは、通常のスタ論で行われる各講師の解説の他に、毎回西口先生による解説講義(アフターcare講義)がありました。アフターcare講義では、通学・通信関係なく西口クラス生が答練当日に提出した起案を叩き台として、この答案はここを直した方が良い、ここの書き方は素晴らしい、ここは皆ができない所だけどここは攻める所など、相対評価の感覚・相場観をレクチャーして下さいました。
 最後に、スタ論は、辰已がこれまでのノウハウを元に本気でヤマ当てにきております。パンフレット等にも記載されておりますが、今年もヤマが当たっており、スタ論を受講していればかなり有利だったのではないかと思います。

(3) スタンダード短答・答練(第2クールのみ)
 私は、短答の過去問は問題文や解答自体を丸暗記している状態にあったため、新作が揃っているスタ短を使うことで丸暗記学習からの脱却を図ることにしました。答練前には、判例六法で条文・判例を復習し、条文・判例から思考できるよう訓練を行いました。
 そのおかげで、2回目受験以降は3桁を取れなかった短答が、本番では短答合格者平均点を取ることができました。

(4) 司法試験公開模試
 辰已のスタ論・全国模試は、他校と違い採点基準が緻密なため、自分の答案のどこが記述できていないのか評価されていないのかがハッキリします。特に、問題文の事実・評価に点数が多く割り振られておりましたので、論証を長々と書いてしまうクセがある自分にとっては良い矯正の機会になりました。
 全国模試も、スタ論と同じく、辰已がこれまでのノウハウを元に本気でヤマ当てにきております。今年もヤマが当たっており、全国模試を受講していればかなり有利だったのではないかと思います。

(5) 選択科目集中答練
 選択科目は論文7科目と比べて周りの受験生の勉強が手薄になりやすく、選択科目をしっかり勉強すれば良い点数が取れるのではないかと思い、受講しました。集中答練は、8回合計16問分用意されており、こちらも辰已がこれまでのノウハウを元に本気でヤマ当てにきております。私が調べた限りでは、ヤマがかなり当たっており、集中答練を受講していればかなり有利だったのではないかと思います。

6 おわりに

 私は、ロースクール修了5年目最後の受験でしたが、最後の最後でやっと合格することができました。しかも、A評価が主要論文7科目の内3科目もとれ、総合順位もなんとか3桁の順位をとることができました。辰已法律研究所様・西口先生に出会わなければ合格できなかったと思います。ありがとうございました。

辰已法律研究所 受講歴

【2021年対策】
・西口小教室(スタ論・スタ短・選択科目集中答練・全国模試含む)

【2012年対策】
・原孝至基礎講座

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