「一冊だけで」倒産法対策
1 自分が倒産法を選択した理由
過去の司法試験において、倒産法を選択する受験生が多く、予備校のテキスト・講座が充実しているため、勉強しやすい点、また、在籍するロースクールにおいて、秋学期に倒産法を履修している最中であった点から、最もロースクールの勉強と司法試験の勉強を両立しやすい科目であると考え、倒産法を選択しました。
また、予備試験ルートだと5月の司法試験本番までに選択科目に対してさほど時間が割けないため、民事系科目との関連が強く、実質的には0.5科目であるとも言われる倒産法に魅力を感じました。
2 倒産法選択のメリットとデメリット
メリットは、上述のように民事系科目との関連が強いため、倒産法を勉強することで民事系の科目の理解も深まることが期待できる点、実務でも使える点だと思います。また、特定の分野の出題が繰り返されており、トリッキーな問題も少ないため、対策がしやすく、しっかり勉強すれば点数が取れる科目だと感じました。条文さえ引ければある程度答えられる問題も多く、記憶すべき論証の数も他の科目に比べて限られています。
デメリットとしては、かなり手続的な学習が多いため、人によっては勉強に面白さが見出しにくいかもしれません。
3 法科大学院での選択科目学習状況・予備試験合格後の学習状況
法科大学院では、予備試験に合格した年の秋学期に倒産法(4単位)を履修しました。それまで倒産法を自分で勉強したり、学部で倒産法の授業を履修するという経験もなかったのですが、法科大学院の教員の中でも分かりやすいと定評があり、百選の編集者でもある先生の講義でしたので、試験対策に必要な知識はほぼその講義で習得できました。履修が終わってからは、新司法試験の過去問を全年度分解き、分からない点は百選や講義ノートを参照して確認しました。
4 受験対策として私がやって成功した選択科目攻略法
予備試験合格から司法試験まではとにかく時間がなかったため、選択科目対策の時間はあまりとれませんでした。しかし、倒産法はかなり出題される分野が限られ、同じ論点が聞かれることも多いため、過去問対策には時間をケチらずに割き、新司全年度について目を通しました。他の科目についてもよく言われることですが、倒産法については特に、手を広げすぎず、過去問を繰り返し解くことが重要だと思います。倒産法は、最初の条文選択が決め手となる問題も多いため、条文選択を間違えた問題については迷わず選択できるようになるまで繰り返し解きました。
また、重要判例を素材に問題が作られることが多いため、過去問の素材になった判例については百選で事案の概要と判旨・解説を確認しました。
5 受験対策として私が使用した本;一冊だけで倒産法、百選
一冊だけで倒産法は、合格答案作成ガイド、趣旨規範、司法試験過去問(H18〜R3)・出題趣旨・合格者再現答案、論点表が1冊にまとまっている辰已法律研究所発行の参考書です。
倒産法は選択科目の中でも参考書が充実してはいるのですが、この「一冊だけで倒産法」のように倒産法の論証がまとめてある参考書は他に見当たらず、また、周りの受験生も多く使用していたことから、この本をベースに倒産法を対策しました。倒産法・民事再生法の対比の表が多く掲載されていたため、共通点と相違点を意識しながらインプットすることができましたし、内容についても倒産法について一通りの内容がコンパクトにまとめられていたため、何度も周回して記憶を定着させるのに便利でした。
また、合格者再現答案が順位とともに掲載されており、上位者はどのレベルまで書けているのか、逆にどの程度書けていれば十分なのかを把握しながら過去問演習に取り組むことができました。
百選については①に書いたように、過去問の素材になった判例について確認し、解説を読んで気になった点などを「一冊だけで倒産法」の該当ページに書き込み、知識の一元化に努めました。
結果として、「一冊だけで倒産法」をベースとして倒産法対策をすることになりましたが、予備校の講座や大学の授業等でインプットができていれば、内容としても十分ですし、下手に分厚く難しい基本書や参考書に手を出すより確実だと思います。