個人的に工夫したことはほとんどなく、 松本先生のおっしゃることを素直に実行

司法書士試験の受験を決意した経緯、合格までの受験状況
私が司法書士の受験を決意した理由は、3つあります。
1つ目は、学歴コンプレックスを克服するためです。
私の学歴は高いとは言えず、社会人になってからずっと学歴にコンプレックスを抱いていました。自信を持てないネガティブな自分を変えたくて、難関資格に合格するという目標を定めました。
2つ目は、特定の分野の専門家になりたかったからです。
前職は2、3年で部署を異動することが多く、広い分野のゼネラリストになることが求められましたが、私は特定の分野を極める方が向いていると感じ、専門的な職業に就きたいと考えるようになりました。
3つ目は、働き方を選べることです。
司法書士は法人で勤務することも独立開業することもでき、開業した場合もバリバリ働く人もいれば仕事量をセーブしてマイペースに働く人もいるということを知り、働き方を選べる魅力的な職業だと思い、司法書士を目指すことを決めました。
勉強法全般
松本基礎講座を選んだ理由
市販の教材の中でリアリテキストが人気だと知り、初めはリアリテキストで独学で学習しようと考えました。しかし可処分時間などを考えると予備校の講座を利用して効率的に学習すべきだと考え直し、リアリテキストを使って講義をしている松本基礎講座を受講することにしました。
勉強法などで工夫した点
個人的に工夫したことはほとんどなく、松本先生のおっしゃることを素直に実行しました。
講義で「ここは今すぐ暗記してください」や「このページをコピーして壁に貼って毎日見てください」などと言われたことは全て即実行しました。
勉強法ではありませんが松本先生が「同じネクタイを数本持っていて、服を選ぶことに頭を使わない」とおっしゃっていたのを真似して、私服可の職場でしたがスーツと白のシャツを数着用意し、毎日ローテーションで着ていました。他にも松本先生が講義の合間にお話しされることやYouTubeチャンネルで紹介している勉強法や生活の工夫は、できるだけ取り入れました。
フルタイム兼業の時の勉強時間は、出勤前1時間半、通勤時間と昼休み1時間半、夜2時間、合計5時間でした(ただし繁忙期の時は2時間程度でした)。
2月下旬に退職し専業になってからは、朝8時から夜20時まで休憩時間を除いて10時間勉強しました。12時間以上勉強した日もありましたが、翌日に疲れが残ってしまい集中力が落ちてしまったので、1日10時間と決めました。
直前期以外は、金曜の夜はオフにし、土日のいずれかで半日以上オフの時間を作りました。直前期も、1週間のうち1回は半日オフにする日がありました(息抜きも大切です)。
インプット段階
令和5年5月~令和6年4月頭の学習
講義ごとに行う「予習・視聴→復習1回目→過去問→復習2回目」のうち、1回目の復習を24時間以内・2回目の復習を72時間以内にできるようにスケジュールを組みました。なお講義は、初期は1・5倍速、慣れてきたら2倍速で視聴しました。
(例)
月曜朝:民法2予習・視聴 夜:民法1復習2回目
火曜朝:民法2復習1回目 夜:民法2過去問
水曜朝:民法3予習・視聴 夜:民法2復習2回目・・・
講義視聴と復習1回目を優先し、過去問や復習2回目ができなかった場合は週末に行うようにしました。
自宅から駅まで歩く時間は、音声学習で雛形の暗記をしました。通勤退勤の電車と昼休みは、テキストの追っかけ復習をしました。
常にテキストを持ち歩き、少しでも時間が空いたらテキストを読んでいました。
一時期、体調を崩してしまい全く学習できない期間が2ヶ月以上ありました。体調が回復してからは、土日にこなすノルマを増やして1週間に講義を4~5コマ消化し、追いつくのに3ヶ月かかりました。
12月~1月は仕事が繁忙期で講義の消化が大幅に遅れてしまったのですが、2月下旬に仕事を退職し専業になってからは1日1講義を消化し、全て4月頭に受講し終えました。4月頭に受講し終え直前期を全て復習にあてることができたのが、合格できた要因だったと思います。
アウトプット段階
直前期(4月~7月)の学習
テキストを、メイン科目は5周、マイナー科目は4周しました。
択一過去問は、午前科目(会社法を除く)は1周+間違った問題を直前にもう1回、午後科目と会社法は2周しました(午後科目と会社法が苦手だったので、解く回数を増やしました)。
答練や模試で、午前択一は25問ほど取れるようになりましたが、午後択一が15問ほどしか取れない日々が続いたので、6月以降は毎日、全ての午後科目の択一過去問を解きました。解く時は必ずストップウォッチを使って時間を計り、最終的に午後科目は1問あたりマイナー1分、不登法商登法1分半以内で解けるようになりました。
記述は、基礎編を2日で3問、基礎編が終わったら本試験形式を2日に1問(直前1週間は1日1問)解きました。午後択一を伸ばすことが最優先だったので、記述の問題演習は少なめになりました。
前日に間違えた問題やテキストでアウトプットできなかった箇所は、翌日の最初に復習をしました。時間をかけすぎないよう、復習は1時間以内と決めていました。4月は1時間かかっていた復習も、徐々に短くなり、最終的には10分以内に終わるようになりました。
合格に至るまでの出来事
仕事、家族や友人
兼業時代は毎朝5時に起き、仕事が繁忙期の時でも朝の勉強は死守していましたが、それでも残業を避けることができず勉強時間が足りないと判断し、仕事を退職することを決意しました。絶対に令和6年に合格したかったので、背水の陣でした。司法書士試験の受験を決意した当初は「仕事は辞めない方がいい」と言っていた夫でしたが、私が毎日勉強する姿を見て、ベストな状態で試験に臨むのが1番だと言って退職に賛成してくれました。
直前期には家族に不幸があったり避けられないトラブルがあったりして勉強が手につかない日もありましたが、司法書士試験を諦めるという選択肢はありませんでした。泣きながら勉強した日もありました。
友人には「来年司法書士試験に合格するから、試験が終わったら遊ぼう!」と宣言して、令和5年の11月から令和6年本試験まで会いませんでした。実家にも1年以上帰省しませんでした。
模試
私は地方在住なので、模試は会場受験できる他校のものを2回利用しました。服装、持ち物、昼食などは本試験当日と同じものを用意し、問題がないか確認しました。前年にお試し受験をしたときにエアコンが効いていて寒かったので、脱ぎ着できるものを2枚用意して温度調節は特に気をつけました。
本試験当日
試験会場に到着したら、緊張を解くために、会場の周りを散歩したり、廊下で軽くストレッチしたり、他の受験生の様子を観察したりしました。緊張が和らいだら、松本先生の直前期のヤマ当てのレジュメやテキストを読んで過ごしました。リアリテキストはお守りとして、1番薄い供託法・司法書士法を持って行きました。
午前科目は順調に終わり、2回見直しをしても30分程時間が余りました。全くわからない問題がありましたが「これはみんな分からないやつだ」と思って全く焦りませんでした。
昼休憩はおにぎりを2個と缶コーヒーを摂りました。昼食後は机で10分仮眠した後、歯磨きとストレッチをして目を覚まし、レジュメを眺めて過ごしました。
午後は最後まで不安があったので、始まる前はとても緊張して胸がバクバクと鳴って手も震えていました。択一はマークの見直しを含めて予定通り60分で終わりましたが、不登法記述の問題を何度も読み返してしまい70分かかってしまいました。更に名変を落とすという大失態をしてしまいました。しかし、択一で上乗せに余裕があったことと名変以外は大きなミスがなかったことが幸いし合格することができました。
自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
明確な達成目標(「4月頭までに講義を全て受講し終える」「4月から7月までにテキストを5周する」等)を立て、その目標から逆算して学習スケジュールを必ず立てるようにしてください。引っかかる論点などがあっても立ち止まらず前に進み、設定したノルマは必ず完了させる「完了主義」になることが重要です。
睡眠時間を削ると体調を崩したり記憶の定着に悪影響が出るので、できるだけ睡眠時間以外から時間を捻出することをおすすめします。ウォーキングやストレッチなど適度な運動もできるだけ行ってほしいです。とにかく体調には気をつけてください。
記述はとにかく慣れが必要なので、直前期は本試験形式の問題演習を増やすべきだったと反省しています。
私は本番でとても緊張してしまったので、模試を受ける際は「これは本試験だ」と思い込んで受験した方がよかったと思います。
直前期に「合格できなかったらどうしよう」と不安になったら、「落ちた時のことは本試験が終わってから考えよう」と開き直ってみてください。私は雑念が減って勉強に集中できました。
後進へのメッセージ
覚えたはずのことを忘れるたびに「自分は記憶力が悪い」と嫌になってしまうかもしれません。でも、合格者もみんなそうです。2、3回テキストを読むだけで記憶できる人なんてほとんどいません。反復と継続、これに尽きます。
私は模試と答練で、午前択一は最高でも25問取れる程度、午後択一は1回しか基準点を超えることができませんでした。それでも当日までテキストと過去問を繰り返し、本試験では午前32問、午後30問を取ることができました。最後の1週間でも点数は伸びますので、最後まで諦めないでください。
司法書士試験は正しい勉強法を愚直にこなすことで突破できる試験だと思います。松本基礎講座では正しい教材やアドバイスは与えられますので、あとはあなたが実行するだけです。根性論になりますが、最後は自分との戦いになります。本試験日16時まで諦めずに最後まで戦い抜いてください。応援しています!






