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辰已の課外講座で大学在学中合格!
記述式は早めの対策がお勧め!

R.Sさん
受験歴: 2回
令和 5 年度合格者
2023年度

はじめに

 私は大学 1 年生から勉強を始め、大学 4 年生で受けた 2 回目の本試験受験(令和 5 年度司法書士試験)において合格しました。
 私が初めて司法書士について知ったのは、高校2年生の頃でした。将来について母親に相談したところ、司法書士という仕事はどうかと勧められました。司法書士試験を勉強するため、法学部を調べるうち、日本大学法学部には司法書士研究室というものがあることを知りました。日本大学にはこのような経緯で入学し、入学後すぐに司法書士研究室に入室し、1 年生から辰已の課外講座を受講し始めました。これが司法書士試験を受験するに至った経緯です。
 受験勉強に本腰を入れたのは、2 年目からです。このころから自分の勉強時間を毎7、8時間確保するようになりました。1 年目の頃は、課外講座メインで勉強していたのに対し、この時期からは、自分の勉強時間を軸に勉強するようになりました。本試験を初めて受験したのは、3 年生(令和 4 年)でした。この試験では、午前 24、午後 21、記述は不登法が 3 分の 2 ほど書け、商業は全く書けないといった結果でした。私は大学在学中の合格を目指していたため、残り 1 年という状況でこの結果を見た時は、非常に焦りと不安を覚えました。このような状況から、3 年の試験から 4年の試験までの1年間は必死に勉強し、令和 5 年度の試験で合格することができました。

私の取った勉強方法

(択一編)
テキストをできるだけ多く回す
 私が択一対策として行っていたのは、テキスト(参考書)を何週もする方法です。合格した先輩や講師の方から話を聞くと、合格までにテキストを 20 週や 50週、人によっては 100 週ほど回したといった話を聞き、テキストを回すことが重要だと考えたためです。過去問を解くこともある程度必要だと思いますが、テキストの方が網羅性が高く、視覚的に覚えやすいといったメリットがあるため、どちらかというと過去問は最低限解き、テキストメインでの勉強をしていました。テキストは全ての科目においてリアリスティックテキストを使っていました。理由としては、リアリスティックテキストは構成がよく考えられており、表や図が沢山使われているため、視覚的に記憶するにはとても使いやすいテキストだと思ったからです。また、初学者に分かり易いようかみ砕いて説明されており、初学者が使うのに最適だというのも理由の 1 つです。人によっては、リアリスティックテキストだと情報量が少なすぎると考える方もいるようですが、私はリアリスティックテキストは合格するのに十分な情報量を扱っているテキストだと感じています。過去問や答練、オープン等でテキストに記載のない知識は、テキストに書き込むようにしていたため、それで十分に補完できていたと思います。

(記述編)
 まず、記述の対策として重要なのは、早めに始めることです。記述の対策は、試験に合格する以上、最後までつきまといます。何年も勉強している受験生で、択一は午前午後共に 30 問以上解けるのに毎回記述で落ちてしまうという方の話はよく耳にします。だからこそ早い段階で解法を確実に身につけ、合格するまで対策を続けるといったことをお勧めします。
 記述の対策は不動産登記法の対策から入りました。記述の勉強を始めるにあたり、まず、記述の雛形を覚えるのに特化した参考書を読み込み、一通りの雛形を暗記しました。その後、田端先生が執筆なされている記述の基礎を学べる問題集を 1 週ほど回し、辰已のパワーアップ答練や司法書士オープン、過去問に入りました。パワーアップ答練を始めたころは、まだ択一知識が身についていないこともあり、内容が全くわからなかったため、解法を身につけることに集中しました。解法を身につけるだけでもかなりの時間を要してしまいましたが、早い段階で解法の重要性を知ることができたのは、とてもありがたいことだったように思います。なぜなら、解法が身についているかで記述を解く上での速さや正確性が圧倒的に変わるからです。また、令和 5 年の不動産登記法の記述は特にそうでしたが、年度によっては、出題形式や難易度が大きく変わることもあり、試験中に戸惑ったり、焦るといったことが起こり得ますが、解法を身につけることでその戸惑いや焦りが低減するといったメリットもあります。解法を身につけた後はひたすら答練や司法書士オープン、過去問を解いていましたが、ほとんどミスなく解けるようになったのは、合格年本試験の 1,2 カ月前でした。かなりギリギリでしたが、商業登記法に比べて不動産登記法の記述は解けるようになるまでにとても時間がかかるので、早めの対策をお勧めします。
 商業登記法の記述対策については、ほとんど独学で身につけました。不動産登記法と同じように、雛形を覚えるのに特化した教材で雛形を暗記し、田端先生の記述の過去問を解き、松本先生の商業登記法の記述用の参考書で解法を身につけ、過去問を 2 週しました。解法は松本先生のものを参考にしましたが、ところどころ自分流にアレンジを加え、自分の解法を作りました。その後は、解法を身につけるのと兼ねて過去問を2 週ほど回しましたが、これを始めるのが 3 月頃だったため、解法が身につくのもミスなく解けるようになるのもかなりギリギリでした。

インプット段階

 インプットの方法としては、主にリアリスティックテキストを周回する方法です。辰已の大澤クラスではテキストにラインを引きましたが、自分で勉強する際には、このラインの引かれている部分を目印に勉強していました。勉強の進度によってテキストの読み方は変えましたが、具体的には、勉強初期の段階では、基本的に全ての文章を読むことで理解に努めました。全て読むため、非常に時間がかかりますし、進む速度も1 時間に 10 ページほどなので、この時期が一番苦しかったような気がします。1~3 週ほど読み込み、何となく理解できてくると、4 週目あたりからは、ラインを引いた部分だけを読み込み、重要な部分の暗記に努めました。講座で線を引いた部分以外でも、過去問等で出題されている知識があれば、自分でラインを引いたり、テキストに書き込むようにしていました。

アウトプット段階

 アウトプットの方法としては、過去問、答練、オープン、テキストでのアウトプットを行っていました。答練やオープンは主に記述対策として、毎週 1,2 問のペースで解くようにしていました。答練やオープンは、過去問よりも論点が多く、答練やオープンが解けるようになれば、本試験の記述は余裕をもって解けるようになるだろうと思っていたので、記述対策に用いていました。実際に、令和 5 年度の記述では、例年では見られないほどの分量と難易度だったように思いますが、答練やオープンで少し難しめの問題にも慣れていたので、冷静に対応することができました。択一対策としては、過去問をアウトプット用に解いていましたが、主に択一のアウトプット用に行ったのは、テキストでのアウトプットです。テキストを読みながらアウトプットすることで、インプットとアウトプットを兼ねていました。具体的には、要件や表が出てきたら暗唱してみたり、関連する話を思い出したらそれをまた暗唱するといった方法です。テキストでのアウトプットをメインにしていたのは、過去問を解くよりも、圧倒的に早いからです。この試験はとにかく量が多く時間がないので、直前期は特にそうでしたが、できるだけ時間をかけずに全科目を 1 周するようにしていました。

本試験当日まで

 本試験当日は多少の緊張感はありましたが、そこまでの緊張感はありませんでした。むしろ最も緊張していたのは、試験日の 1,2 週間前だったような気がします。残り 1,2 週間ということで、勉強もかなり追い込んでおり、精神的にも体力的にもしんどい中、大きな不安と焦りを感じていました。この頃は、「なるようになる」「受かっても落ちてもいったん休める」「こんなに勉強したんだから大丈夫だ」といったことを自分に言い聞かせていました。また、試験に合格し、司法書士になれるかもしれないことを強く意識しました。その結果、不安や緊張といった感情が薄れ、むしろ本試験の日が少し楽しみになっていました。気持ちが沈みやすいときほど前向きに考えることで、ある程度はポジティブになれました。もちろん勉強方法も大切ですが、この試験は長いので、気持ちの切り替え方だったり、モチベーションの保ち方といった精神面での工夫も重要だと思います。

後進へのメッセージ

 この試験は難易度が高く、必要な勉強量においてもかなりの時間を要するといったことは、受験生の方なら誰もがご存じのことだと思います。しかし、しっかりと勉強量を確保し、勉強方法を多少工夫することで、基本的には合格することが可能な試験でもあると思います。勉強量を確保する上で何よりも重要なのは、勉強する習慣をつけることです。この曜日はこの場所でこの時間やるといったことを決め、とにかくやり続けることで勉強習慣をつくります。習慣になれば、勉強に対する抵抗がなくなり、何も考えずに勉強しているといった状態になります。この状態をどれだけ早く持ってこれるかで、合格できる年度も変わってくるかと思います。

最後に

 合格まではとても長い道のりですが、しっかり勉強を続けていれば合格できる試験だと思います。
 皆さんの合格を心より祈っています。

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