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受験生活を振り返って

瀬戸 勇気(仮名)さん
受験歴: 1回
東京学芸大学教育学部
東京大学法科大学院【既修】2022年入学
2022年予備試験合格
【受講歴】全国公開模試 他
2023年度

1 司法試験の受験を決意した経緯

 私が法曹を目指したきっかけは学部2年次の授業にあります。私は教育学部に所属し、環境教育を専攻していました。学部2年次に公害問題、特に水俣病について学ぶ機会がありました。そこで私は、水俣病患者の方々が身体を侵害され、差別により人権を侵害されたにも関わらず、当時十分に救済を受けることが出来なかったという事実を知りました。また、水俣病は高度経済成長の裏で発生したものであることを知り、公害問題ひいては環境問題は経済発展とは切り離せない問題であることも知りました。そして私は、これらの問題について法的観点から解決、改善を目指したいと考えるようになりました。これが、司法試験の受験を決意した経緯です。

2 予備試験合格までの学習状況(法律学習)

 私は教育学部に所属しており、法律の勉強をしたことがなかったので、予備校を利用して学習することにしました。他の予備校ではありますが、2年間のコースの受講を決めました。このコースでは、1年目に入門講座で基本7科目の基礎知識を学び、2年目で短答・論文・選択科目・法律実務基礎科目の対策を行うというものでした。私は、1年目の受験で司法試験予備試験に合格したいと思っていたため、入門講座を受けながら、学習した範囲の短答過去問に取り組みました。その結果、入門講座を受講し終えた頃には短答過去問すべてを3回ほど解き終えている状態になりました。論文対策は、入門講座を全て受講し終えた頃、具体的には2022年の司法試験予備試験短答式試験終了後から本格的に対策をはじめました。それまでの論文対策は、各科目の入門講座受講後に設定されていた簡単な事例問題を用いた論文初学者向けの答練を各科目3回ほど受けたのみでした。本格的な論文対策は、予備試験の過去問を全て手書きで答案を作成して解いてみて、出題趣旨・解答例等と照らし合わせるという方法で行いました。また、この頃から選択科目のインプットもはじめました。選択科目は、予備試験の過去問がまだ存在しなかったので、司法試験の過去問を用いて論文対策を行いました。法律実務基礎科目については、民事・刑事いずれもインプットにかける時間がなかったので、予備試験の過去問を解くことで対策を行いました。論文式試験受験後は、口述式試験に向け、法律実務基礎科目に重点をおいて勉強を行いました。特に、大島本(上巻)は何度も読み返しました。

 模試は、短答式試験の時は受験せず、論文式試験の時は辰已の模試のみ受験しました。口述模試は、辰已を含めた3つの予備校の模試を受験しました。

3 予備試験合格後の学習状況(法律学習)

 予備試験合格後は、手を広げすぎないよう注意しつつ、司法試験の論文過去問に取り組みました。はじめのころは、予備試験と同様に全年度を手書きで答案作成をして以降と考えていたのですが、司法試験の問題は予備試験に比べて量が多く、時間もかかるので途中で予定を変更し、平成25年の問題まで遡って答案作成をすることとしました。平成24年以前の問題については、答案構成を行うに止めました。司法試験は、予備試験と異なり出題趣旨が詳細に書かれており、採点実感まで存在するので、これらをひたすら読み込みました。また、2023年3月頃からは、短答式試験の対策もはじめました。予備試験の時に用いた過去問集を使い、当時間違えた問題のみを再び解き直しました。模試は3つ受験し、2つは実際に司法試験で用いられる会場で受験しました。

4 受験対策として( 辰已講座の利用方法とその成果)

 私は、辰已の予備試験論文模試、予備試験口述模試、司法試験模試を受験しました。辰已の模試は、採点表の採点項目が細かく設けられており、どこで点数を取りこぼしているかを確認しやすく、効率良く復習することができました。また、辰已の模試は、受験後すぐに採点されて答案が返却されるので、受験時の記憶が残っている段階で復習することができました。もっとも、辰已の模試は下級審判例を素材とした問題があり、これらの問題は難易度が非常に高かったです。模試で解けなくても落ち込まず、復習をして本試験に臨めば問題ないと思います。

 口述模試については、他の予備校の模試と異なり、二人一組になって、一方が模試を受験している際に、他方は横で見学できるので、多くの経験を積むことができました。

5 受験対策として(「私がやって成功した方法」「私のノート作成術」「私のスケジュール管理方法」等々)

 私は、スケジュール管理を徹底しました。具体的には、試験から逆算して、いつまでにどの講義を聞き終わるようにするか、いつにどの年度の過去問を解くか、いつ復習をするか等を1日ごとに定めました。特に、復習はおろそかになりがちなので、復習した箇所を表に記入するなどして徹底的に管理しました。ノートについては、予備校教材の他に自作のノートを作成することはなく、教材にメモを書き込む程度にしました。

6 受験対策として(私が使用した本)

 私は、口述対策として、「完全講義 民事裁判実務の基礎 上巻(第3版)」(大島眞一)を使用しました。この本は、受験生のほとんどが使用している本です。要件事実について非常にわかりやすく記載されているほか、民事訴訟の重要な論点等についての記載もあり、充実した内容となっています。

 また、論文対策として、趣旨規範ハンドブックを使用しました。この本は、重要論点がコンパクトにまとめられており、効率良く復習するのに最適でした。

7 自己の反省を踏まえ これから受験する人へのアドバイス

学部在学生・予備試験受験生へのアドバイス

 司法試験・予備試験は学習範囲が膨大で、合格率も低く、何度も挫折しそうになると思います。勉強を継続するには、メンタルのケアも大切なので、意識的にリフレッシュの機会を設けることをおすすめします。また、難しい論点等に固執することなく、どんどん学習を進めていくことが重要であると思います。はじめは理解出来ない論点でも、他の科目の学習を終えて戻ってみれば簡単に理解出来るといったことは良くあります。

 また、試験本番では、難しい問題が出ても焦らないこと、落ち込まないことが重要です。自分が難しいと感じる問題は、他の受験生も難しいと感じています。相対評価で合否が決まる試験なので、最後まで諦めずに目の前の問題に食らいつくことが大切です。

予備試験合格の司法試験受験生へのアドバイス

 予備試験に合格した方は、司法試験合格に必要な学力を十分に有しています。手を広げすぎず、今まで学習したことの復習を中心に勉強することをおすすめします。もっとも、司法試験は予備試験より試験時間・問題文が長く、答案の記述量が多いので過去問演習は行うべきであると思います。また、時間的・経済的余裕がある場合には、予備校の模試は積極的に受験することをおすすめします。模試で出題された問題と類似の問題が本試験で出題されたときに他の受験生に差をつけられないようにするためです。

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