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アカデミックな法律学習によるコツコツ勉強

E.Tさん
受験歴: 新試験1回
一橋大学法学部
予備試験2018年合格
【受講歴】2019年司法試験全国公開模試
予備試験ルート合格

1 司法試験の受験を決意した経緯

 私が司法試験の受験ひいては弁護士として働くということを決意したのは、大学2年生の秋です。それまでは世界の開発問題や人権問題に関心があり、将来的には開発の分野で働きたいと考えており、大学では国際関係論や国際政治経済を学んでいました。大学2年生の秋に、国際的な人権問題に携わっておられる弁護士の先生にお会いし、法律を用いてお仕事をされる姿に強い感銘を受け、弁護士を志すようになりました。

2 予備試験合格までの学習状況(法律学習)

 勉強をはじめたころは、予備校の基礎講座を受講し、重要論点を自分のノートにまとめて、それをひたすら記憶していました。当時は、判例や基本書をまったく読んでおらず、論点だけを詰め込んでいたので、知識が非常に浅かったように思います。また、受験勉強に専念していたわけではなく、アルバイトや海外旅行をしつつ、卒論にも取り組んでいました。そのため、短答試験は通過できても、なかなか論文試験に合格することができませんでした。
 論文試験に合格したのは、3回目の受験のときでした。そのときは、ロースクールに入学し、主にアカデミックな法律を勉強していたため、知識を深めることができただけでなく、法律の勉強がおもしろいと思えるようになっていました。これまでの知識を暗記するだけの学習ではなく、問題背景や制度趣旨の理解にまで踏み込んだ学習ができるようになっていたように思います。また、判例を読み込むようにもなりました。論文試験の直前期は、予備試験のための勉強(予備校の答練を受講していました)だけでなく、ロースクールの授業の復習も怠らずに取り組んでいました。しばしば、ロースクールの授業は予備試験や司法試験の受験勉強に役に立たないという意見を目にしますが、私個人の意見では、そのようなことは決してないと思います。判例を踏まえて丁寧に勉強する姿勢が身についたことは、論文試験や、後の司法試験では、ロースクールの授業が非常に役に立ちました。

3 予備試験合格後の学習状況(法律学習)

 司法試験の答案を書けるようになるために、ひとつひとつの論点に関する知識を深めることを意識して勉強しました。具体的には、司法試験の過去問だけでなく、適宜演習書などを用いて事例演習を行いました。答案の書き方についても、上位答案を参考にして、端的で洗練された表現を勉強するなどしていました。特徴としては、あまり答案を書かなかったことが挙げられると思います。答案をしっかりと書いたのは、下記で申し上げる辰已のスタンダード論文答練の時だけでした。過去問や演習書では、答案構成をするにとどめました。このような勉強方法をしていた理由としては、予備試験合格から司法試験までの限られた時間の中で、答案をたくさん書くよりも、知識を深めて固めていくことに注力していたからです。

4 受験対策として、辰已講座の利用方法とその成果

 スタンダード論文答練と選択科目集中答練、全国模試が役に立ったと思います。
 まず、スタンダード論文答練は、実際に答案を書いて、それを添削してもらう良い機会となりました。答案を書くのは、添削してもらい自分の足りないところを知るためと割り切っていたので、完璧な答案を書くことを目指すよりも、そのあとの復習に重点を置いていました。解説も充実しているので、効率よく勉強することができました。また、答練の受講においても、上位答案には常に目を通していました。上位答案は、論点の網羅性はもちろんのこと、表現方法についても学ぶことが多かったためです。知識面だけでなく、知識をいかにして答案上で表現するかという点も、答練を受ける際には意識するとよいと思います。答練の受講の必要性については、たしかに、答案を書いて誰かに添削してもらう機会を自ら設ければ代替できるので、マストとまでは言いませんが、充実した解説や他の受験生の答案に触れることができるので、答練は受講するとよいと思います。実際、私自身、答練の受講を通じて、知識のインプットとアウトプットを効率よく行うことができたと思います。
 次に、選択科目集中答練は、選択科目の学習に役に立ちました。私は予備試験合格後に選択科目の勉強を始めたので、他の科目に比べて選択科目の演習量が非常に足りていませんでした。そこを、集中答練でカバーできたと思います。
 全国模試は、辰已の模試を4月中旬に受講しました。4日間(5日間)にも及ぶ試験をこれまで受けたことは当然ないので、本試験前に試験の大変さを体験できるという点で、模試は非常に有益でした。ただ、模試を受験した時点では学習が追い付いていない科目もあったので、成績はあまり気にしませんでした。

5 受験対策として、私がやって成功した方法等

 予備試験および司法試験の受験対策として、一番有効だったと思うのは、まとめノートの作成です。私は、勉強をはじめたころから全科目について、適宜情報を加えつつ、ひとつのノートに論点をまとめていました。まとめノートの作成でよかった点は、まとめの過程で頭の中が整理されることと、個人的に自分自身の文章の方が頭に入りやすい点です。また、司法試験は受験科目数も多く、一つの科目の範囲も広いため、覚えるべき事項が非常に多いと思いますが、まとめノートに覚えるべき事項を一元化することで、反復学習が可能となり、確実に知識を構築することができたと思います。
 私がノート作成に関して心がけていたことは、そのまま答案に書けるくらいに簡潔な記載にとどめることです。分量は、各科目B5のキャンパスノート2冊分でした。せっかくノートにまとめたとしても、内容が冗長になってしまえば、答案を書く際に、情報の取捨選択を行わなければなりません。覚えるべきことは最低限に抑えて、それをベースにしつつ事案に即して適宜論証を加えていくことで、効率よく学習ができたと思います。

6 受験対策として、私が使用した本

 主に基本書と演習書を使用していましたが、中でも以下の書籍が役に立ったと思っています。

① Law In Context
 憲法の基本書や判例だけでは、具体的な事案においていかなる条項が問題になるのかがなかなか判断できなかったのですが、本書では、現代的な問題を事例にして憲法的問題が分かりやすく解説されていたため、具体的事案における思考方法の学習に非常に役に立ちました。

② 基礎から学ぶ民法演習
 民法も、具体的な事案においていかなる条文が問題になるのかイメージをつかむのに苦労していたところ、本書を読むことで、そのようなイメージをつかむことができるようになりました。本書は比較的簡潔な文章で書かれているのですが、その内容は非常に深く、考えさせられるものだったので、民法の勉強が楽しいと思えました。

7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

(1) 学部在学生・予備試験受験生へのアドバイス
 すべての科目について、重要論点を優先的に学習するとよいと思います。予備試験で問われる論点は限られていますし、細かい知識はあまり必要になりません。そのため、なにが論点になるのか、あるいはならないのか、メリハリをつけて勉強を進めると効率がよいと思います。

(2) 予備試験合格の司法試験受験生へのアドバイス
 私の個人的意見ですが、予備試験と司法試験は全く別の試験だと思います。そのため、なるべくはやく司法試験の問題に触れて、どのようなことを問われるのかを知るとよいと思います。
 予備試験の最終合格から司法試験までは半年しかありませんが、私自身は半年がちょうどよかったように思います。選択科目の勉強は予備試験後に始めましたが、それでも十分間に合いました。予備試験と司法試験は別物と申し上げましたが、予備試験に合格しているということは、司法試験で求められる知識のベースは備わっているということを意味すると思います。あとは、その知識を拡充していくだけです。ですので、焦らずに、ご自身のペースで勉強をしていくことが大切のように思います。

辰已法律研究所 受講歴

【2019年対策】
・司法試験全国公開模試

【2018年対策】
・スタンダード論文答練
・選択科目集中答練
・短答総択

【2016年対策】
・スタンダード論文答練

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