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時間内に書かないと不合格になりますよ!

空田 晃典さん
受験歴: 新試験2回
中央大学法学部法律学科
慶應義塾大学法科大学院科 【既修】2016年入学・2018年修了
【受講歴】2019年司法試験全国公開模試 他
既修者リベンジ合格

1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり

(1) 司法試験の受験を決意した経緯について
 司法試験の受験を決意した経緯は、日本社会全体の役に立つ仕事がしたいと考えたことと、社会に存在する紛争を、法曹ならば終局的に解決できることに魅力を感じたことにあります。前者について説明すると、企業法務を扱う弁護士となれば、大企業の経済活動を予防法務・臨床法務の面で支えることで、達成できると考えました。後者について説明すると、紛争は、一般人同士ならば、言い争いで互いの主張をするだけで終わってしまいますが、弁護士ならば、法規に当てはめて解決することができます。

(2) 合格までの道のりについて
 慶應義塾大学大学院法務研究科を修了後、司法試験を受験するも1度目の受験では、時間切れのために不合格に。2度目の受験で合格。

2 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)

 中央大学在籍中は、1年生の頃から6つある学研連研究室のうちの1つである済美会研究室に所属し、学習していました。

3 法科大学院入学後の学習状況(法律学習)

 授業の予習を基本として学習していました。また、中間試験や期末試験前にはそれなりに勉強していました。したがって、本格的に司法試験論文式試験対策を始めたのは、3年後期の期末試験が終わった直後である2月1日でした。なお。短答式試験対策は、その前の12月初旬くらいから始めていました。

4 受験対策としての辰已講座の利用方法とその成果

 私が、辰已法律研究所の講座で利用したのは全国公開模試です。なぜ、他にも多数の講座があるのにも拘わらず、全国公開模試しか利用していないのかといいますと、他の講座は、あまりにも価格が高いからです。全国公開模試の価格が安く、なおかつ割引制度が充実しているのは、受験者数が非常に多いという事実が原因であろうと推察しています。全国公開模試は、実際の司法試験の会場を使用する日程も複数用意されているため、自分の都合にあった日程を選ぶことができ、助かりました。日程のうちの一つは、慶應義塾大学大学院の学位授与式の日程と重なっていたため、模試に別日程があったことで、学位授与式を欠席せずにすみました。全国公開模試を受験したことによる一番の成果は、司法試験の4日間の日程での体力の消耗程度を把握することができたことです。そもそもの試験時間が長いのに加えて会場となる五反田TOCは、長机にパイプ椅子という環境で受験することになるため、ロースクールの快適な机や椅子での答案作成時とは比べものにならないほどの体力を消耗します。
 全国公開模試は、たいていの司法試験受験生が受験するので、学部時代の友人と再会し話す機会になるというメリットもあります。

5 受験対策として私がやって成功した方法

 私は、短答式試験対策として条文の素読を行いました。憲法・民法・刑法の上3法で行いました。やり方としては、前から順番に条文を素読していき、疑問点があればコンメンタールで調べるという方法です。3つのうち一番時間がかかったのが民法ですが、それでも5日間で完了しました。条文がどの位置にあるかが頭の中で把握できるので、結果的に論文式試験での条文を引く時間の短縮にもなりました。最もコストパフォーマンスが良かったのは憲法です。なぜならば、内閣や国会についての条文ベース問題はほぼ毎年出題されており、条文さえ知っていればほぼ確実に正解できるからです。

6 受験対策として
私が使用した本(辰已)

(1) 『趣旨規範本』について
 趣旨規範本は、試験前の見直し用として使用することが多かったです。文章量が必要最小限に抑えられているため、短時間で多数の論点を把握することができ、役に立ちました。また、分野ごとにまとまって論点が記載されているので、似ている事例だけど結論が異なる判例相互の比較に役立ちました。(例えば、法定地上権で土地抵当なのか建物抵当なのかでの結論の異同)

(2) 『司法試験論文過去問答案パーフェクトぶんせき本』について
 司法試験論文過去問答案パーフェクトぶんせき本は、司法試験論文式試験の過去問を解いた後の解答解説として使用しました。使用方法としては、まず、司法試験論文過去問答案パーフェクトぶんせき本に転載されている司法試験考査委員による論文式試験出題の趣旨と採点実感を読み、その後に、上位答案を読むというものです。司法試験考査委員による論文式試験の出題趣旨と採点実感は、法務省のホームページに掲載されているもののそれぞれ別ページであるし、出題趣旨は、採点実感と異なり、科目ごとに分けられていないので自分が解いた科目の該当箇所を探すのに結構な手間がかかります。さらに採点実感については、「今後の法科大学院教育に求めるもの」という毎年ほぼ同じ内容の受験生としては読んでもほとんど役に立たない内容まで書いてあります。この点、パーフェクトぶんせき本は、必要な部分だけを抜粋して転載してくれているので、時間の節約という点で役に立ちました。上位答案を読むことは、司法試験の採点基準を推認する上で非常に役に立ちます。つまり、問題の所在を的確に指摘し、それに対する自身の考えに触れつつ結論を示している答案に高得点がつけられていることがわかります。ぶんせき本は、再現答案を掲載している本ですから、当然、誤った知識や理解が答案に存在していることもあります。しかし、多少の誤った知識や理解は、問題の所在を的確に指摘し、それに対する自身の考えに触れつつ結論を示している答案においては、減点されていないか、減点されてもわずかであることがわかります。

(3) 『合格る判例3 民訴』
 試験までに確実に読み切ることができる判例集のような書籍を探していたので、本書を購入し使うことにしました。使い方としては、前から順番に読んでいくスタイルをとりました。判例のセレクトが秀逸で、判例百選にまだ掲載されていないような判例で司法試験に出題されそうな判例が掲載されています。記憶があやふやではありますが、文書提出命令に関する判例が司法試験に出題され、役に立ったような気がします。

7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

(1) 自己の反省
 そもそも1回目の司法試験の受験勉強が失敗でした。当時私は、予備校の答練を利用せず、法科大学院の授業の予習復習以外では、過去問を解く程度でした。しかしながら、過去問を自分で解いていると、どうしても時間が超過しても解答を続けてしまいがちです。その結果、本番の司法試験では、時間内に書ききることができず、不合格となってしまいました。

(2) これから受験する人へのアドバイス
 そこで、これから受験するロースクール在学生へのアドバイスとしては、在学中の段階で予備校の模試や答練をしっかり利用し、試験終了時刻になると、強制的に解答が終了となる環境で、答案を作成することを強く勧めます。

(3) 来年のリベンジ合格を目指している方へのアドバイス
 司法試験というものは、原則的には法科大学院修了後の5月に受けることになり、不合格となった場合は、さらに1年後に再受験することになります。世の中の大半の人は、大学4年生のうちに就職活動が終了し内定をもらい、卒業後は4月1日に働き始めます。したがって、世間から司法試験受験生は極めて奇異な存在として扱われます。司法試験受験生は、何も悪いことをしていないのに、むしろ勉強していてえらいのに、世間からの扱いをストレスに感じながら生活することになります。そこで、リベンジ合格を目指す方には、できるだけ司法試験受験生への理解がある環境に身を置くことをお勧めします。具体的には、予備校に通い、司法試験受験生とともに時間を過ごす、アルバイトは、司法試験予備校や法律事務所でするなどです。

辰已法律研究所 受講歴

【2019年対策】
・司法試験全国公開模試

【2018年対策】
・司法試験全国公開模試

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