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他学部出身者3回目合格体験記

溝口 権也さん
受験歴: 受験歴: 新試験3回
関西学院大学社会学部
関西大学法科大学院 【既修】2015年入学・2017年修了
【受講歴】2019年司法試験全国公開模試 他
既修者リベンジ合格

1 司法試験の受験を決意した経緯

 私は社会学部という他学部出身ということもあり、法曹の道を選んだ理由を聞かれることが多いのですが、以下のような経緯です。
 高校生の時にマレーシアへの短期留学及びインドネシアへのバックパック旅行を通して、社会の圧倒的な格差の存在を知りました。地元大阪でも深刻な貧困や社会的格差を知るにつれ、社会の構造的問題に強い関心を持ち、大学では社会学部に進学しました。国内外を問わず社会の基盤に宗教が存在していることを肌で実感していたため、大学では宗教社会学を専攻しました。社会学者という進路を真剣に考えていた時期もあります。
 大学生として進路を考え始めた頃、信じられない経済格差や社会の矛盾を少しでも解決したいという想いを抱きつつ、現実的に生計を立てる必要性や自分の個性能力を踏まえ、悩んでいました。大学構内で弁護士の講演をたまたま聞く機会があり、専門家であり実務家でもある弁護士としての職業に強い関心を持ちました。試験制度や司法修習のことを調べたり、裁判傍聴に参加したりする中で、徐々に司法試験受験を決意するに至りました。

2 合格までの道のり

 他の予備校で4年間基礎講座等をじっくりと受講した上で、LS既習コースに進学しました。LSはストレートで卒業できたのですが、1回目2000番・2回目1700番という成績で不合格を経験しました。後述する西口小教室ゼミを受講し、無事に合格ラインを超え、1200番代で今年の司法試験に合格することが出来ました。

3 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)

 上述したように、私は社会学部出身です。社会統計を用いた宗教研究をしており、非常に充実した学びでした。卒業論文を真剣に執筆したいと考え、4年生の受験シーズンを一年先延ばしにすることにしました。今振り返れば、卒論執筆に集中した後に、LS受験ができたのは良かったと思います。
 学習面としては、バイトや学業と並行しながら、他の予備校の講座を自分のペースで受講していました。法律の素人からの出発でしたので、自分のペースで受講できたのが良かったです。卒論を提出し無事に大学を卒業した年には、予備試験の短答も突破したり、関大LS既習コースに合格できたり、少しずつですが実力を付けながら、LSに進学するに至りました。

4 法科大学院入学後の学習状況(法律学習)

 他学部出身でしたが、自分の勉強法を一定程度確立した上で進学したのが良かったと思います。法科大学院では、試験科目に関しては今までの論証パターンに一元化していました。基本書や判例などを用いて法律学を本格的に学び、丁寧に学ぶことができて、受験勉強が徐々に面白くなっていきました。
 法科大学院について、世間の風当たりは厳しいですが、私個人としてはとても充実した教育を受けたと考えています。法律学とじっくり向き合う期間でしたし、受験科目以外の講義に関しては知的刺激を大いに受けました。実務家の講義や視点などから法曹としての将来をリアルに描くことが出来たり、長期休暇は国内外のインターシップに積極的に参加するなど実務を垣間見ることで受験勉強の熱意は更に高まりました。卒業時にはGPAも悪くなく、卒業直前の辰已全国模試もギリギリながら総合A評価を頂き、意気揚々と本試験に臨みました。
 ここまでの文章からは一発合格の香りがもしかしたらするかもしれませんが、そうは問屋が卸しません。ここから最終合格までの期間はとても苦しい期間となります。

5 辰已講座の利用方法とその成果

ここからは3回目合格の経緯を赤裸々に書きたいと思います。

(1) 1回目受験について
 1回目は2000番で不合格になりました。ショックでしたが、成績も惜しかったこと及び結果発表前の夏頃から勉強を開始していたこともあり、比較的スムーズに再受験の準備を始めました。
 受験前は予備校の答練を受ける時間的余裕がなく、新しい問題への向き合い方が下手であることが敗因だと分析しました。質は量からが信条の私は、シンプルな圧倒的物量作戦を立てました。それは、過去問である予備試験新司法試験の7科目と選択科目である労働法の新司法試験全問題を時間内で実際に答案作成することと、新作問題も沢山解くことです。他の予備校の答練も並行して受講し、辰已を含めた複数の全国模試も同じように時間内で答案作成を行うなど、去年世に出た新作問題は全て実際に答案作成を行いました。
 しかし、2回目の司法試験結果は、1700番で不合格になりました。合同庁舎前で自分の受験番号を見つけることが出来ず半泣きで帰路につくという大変悔しい経験をしました。

(2) 2回目受験について
 自分なりに精一杯努力したつもりだった2回目不合格の結果には相当に落ち込みました。自分には才能がないのではないかとか、一生司法試験とは縁がないのではないかとか、散々やさぐれた気持ちにもなりました。2回の不合格経験という事実は重く、自分なりの努力に限界を感じていました。3回目の受験後に合格できるイメージを持つことができず、受験仲間が全員合格したこともあり、3回目の受験自体とても迷っていたのも事実です。不合格の報告と今後の進路相談を知り合いの弁護士の先生にしていた際に、西口小教室を紹介され、藁をも掴むつもりで西口隆司先生を頼りました。

(3) 小教室ゼミに関して
 以下では、項目を変えて、小教室ゼミについて書きたいと思います。結論から申し上げると、私にとって、西口小教室ゼミがなければ3回目の合格はあり得なかったと断言できます。
 まず、小教室ゼミの内容は、10月及び4月の個別面談・スタ論西口クラス第1第2クール・小教室ゼミ・辰已全国模試・西口最終調整LASTコーチと盛り沢山です。不合格後の9月から来年の5月受験までの約8か月は短くも長いものの、緩むことなく淡々と実力を付けることができる内容だったと今なら思います。
 私は、10月に実施された個別面談が合格の決め手だったと考えています。上述したように、合格のイメージが全く出来ない状態からのスタートでしたが、事前に提出した再現答案を参考に私の弱点・敗因分析・今後の戦略を西口先生から個別に指導を受けました。実現可能でリアルな合格戦略を提示して頂いたことで、3回目受験における合格可能性に関し、希望を持って受験生活を再出発できました。
 小教室ゼミでは、受講生が時間内で書いた生の答案を比較検討しながら、相対評価の感覚を磨いていきました。年末の模試と3月の全国模試で学習到達度を把握しつつ、緊張感を持ちながら淡々と努力を継続しました。受講するにつれ自身の弱点が明らかになっていたので、年内のうちから、小教室ゼミ生達と、民法判例ゼミと刑訴伝聞ゼミという自主ゼミを組んで弱点を補強できたのも戦略を示してもらえたからです。

(4) 3回目受験について
 今年は、淡々と問題の問いに応え続けました。過去2回のように問題の形式や難問に振り回されることなく、相対評価を意識して問題文を素直に読み徹頭徹尾問いに素直に応えていきました。今年も傾向は変わったり、難問も多かったですが、合格する受験生は絶対外さない部分を厚く書き、合否に関係ない部分はそこそこ書くという戦略を徹底して実行しました。短答刑法まで解き終わった時、今年はまるでマシーンのように淡々と小教室ゼミで学んだルーティンを繰り返しただけだったと振り返った記憶があります。
 短答は、受験日すぐに自習室に向かい、辰已速報サイトに番号を打ち込みました。翌日から8科目再現答案作成を数日内で行いました。再現答案を踏まえ、辰已や他の予備校の本試験分析会に出席しました。多くのミスを徐々に発見しましたが、自分の答案は1000から1200番で何とか合格ラインには入っているのではないかと考えました。西口先生からも大丈夫ではないかとLINEを頂いたこともあり、不安感や緊張感を持ちつつも期待を持って結果発表を待っていました。
 結果的に1200番代だったので、自分の予想通りでした。成績表を確認し、本当に1502位以内であることを確認して、本当にホッとしています。

(5) 書籍等について
 小教室ゼミを受講する際に、辰已の趣旨規範ハンドブックを持っていなかったので購入しました。実際に受験期間は使いやすい表現を自分の論証集に落とし込んだり、論点の漏れの確認など、大変重宝しました。もっと早くから使っていればと思いました。
 また、スタ論や全国模試の問題は、小教室ゼミの主要素材でしたので、最終年度のメインテキストでした。過去問をベースにしつつも、本試験で未知の問題と向き合った際の視点や相対評価の意識を培えたのは良かったと思っています。

6 おわりに

 受験前まではもちろん、受験後の結果発表前も、西口先生には大変お世話になりました。苦しい受験期間において、毎週西口クラスで熱い叱咤激励を受け続けなければ受験自体諦めていた可能性すらあります。大阪中之島の合同庁舎前で自分の受験番号を見つけた合格発表日は一生忘れないと思います。合格のイメージすら持てなくて呆然としていた私の人生を動かしてくれた小教室ゼミがなければ、私の合格は決してあり得ず、とても感謝していることから、合格体験記の依頼をお受けすることにしました。
 挫折も多く決して上位でもありませんが、私は人生を賭けて司法試験に挑戦し無事に合格できて本当に良かったと思っています。人生の選択肢が格段に拡がり法曹の一員として司法修習に臨める資格を手に入れた今、理想の法律家像を追い求めて今後次のステップに進める幸福感を強く感じています。来年以降も状況は厳しいかもしれませんが、一人でも多くの受験生が合格を勝ち取り、人生の歯車を動かせるキッカケとなれば幸いです。最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。

辰已法律研究所 受講歴

【2019年対策】
・スタンダード論文答練 西口クラス(第1・2クール)
・西口小教室
・司法試験全国公開模試

【2018年対策】
・司法試験全国公開模試

【2017年対策】
・司法試験全国公開模試

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