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あてはめを意識した学習

相原 海斗さん
受験歴: 新試験1回
早稲田大学法学部
2019年予備試験合格
【受講歴】スタンダード論文答練 司法試験全国公開模試 他
予備試験ルート合格

1 司法試験の受験を決意した経緯

 幼い頃に見たドラマをきっかけに検察官になりたいと思うようになり、法学部に入学し、学部1年生の段階で司法試験の受験勉強を開始しました。

2 予備試験合格までの学習

(1) 短答対策
 私は、短答式試験が苦手で、予備試験を3回受けた中で、2回不合格でした。その要因としては、過去問を徒に繰り返すだけで全く体系的知識として身についていなかったことにあります。そのため、3回目の受験時には、問題文の肢の理解を深めながら過去問を解き進めることを意識しました。
 具体的には、各科目辰已の短答過去問パーフェクトを使用し、肢ごとに、いつ出題されても絶対に正解するもの、正解はしたが理由付けが不明なもの、知識として知らなかったものに分類し、後者二つについては付箋をして、理由付けまで理解して正解するようになったら付箋を外すといった学習方法を採りました。
 このような方法を採ったことで、各肢を理解することができ、体系的知識の習得に繋がりました。結果的に、3回目の予備試験では合格することができたので、勉強法を模索した甲斐がありました。

(2) 論文対策
 論文対策で一番効果的だったのは、辰已の予備試験スタンダード論文答練(予備スタ論)を受講したことです。予備スタ論は、本試験での的中率が高いことだけでなく、採点項目が細かく、どの事項を書けば加点されるのかを体得することができます。私は、この予備スタ論であてはめの項目に多くの点数が振られていることを知り、そこからあてはめを充実させることを意識しました。その結果、幸いにも論文式試験に合格することができました。

(3) 口述対策
 口述試験に関しては、論文合格者の中から数人落ちること、落ちたら短答式試験からやり直しであることから独特の緊張感がある試験でした。学習内容としては、民事は、大島本を読み込み、請求の趣旨、訴訟物、請求原因事実、抗弁事実、再抗弁事実等を具体的事例に即して言えるようにしました。刑事は、基本刑法各論で構成要件や論点を暗記し、辰已の実務基礎ハンドブックで刑事手続を暗記しました。
 また、予備合格者の友人に口述の練習をやってもらいました。この練習で非常に実力が伸びたので、ぜひこのようなアウトプットの機会を確保してほしいと思います。

3 予備試験合格後の学習状況

 予備試験合格後の学習状況として、総論、司法試験の過去問演習、選択科目の学習について詳述したいと思います。

(1) 総論
 まず、私は、予備試験の大学在学中合格者の翌年の司法試験の合格率の高さを見て、完全に司法試験を舐めてかかり、2月くらいまで対策という対策はしていませんでした。しかし、2月に辰已のスタンダード論文答練を受講し、あまりにも答案が書けなくなっていることに絶望し、勉強を再開しました。勉強を再開したのも束の間、令和2年度の司法試験はコロナウイルスの影響により、8月に延期されてしまいました。このときの私は、司法試験は予定通り行われるのか、延期されるのか、はたまた中止されるのかといった、考えても仕方がないことに思案を巡らし、またも勉強しない日々を送ってしまいました。そのような日々を過ごし、選択科目の学習も、司法試験の過去問演習も全て中途半端であることに5月になって気づき、そこからの3か月は人生で一番追い込みました。具体的には、司法試験の過去問演習と、選択科目の演習、短答の対策を行いました。この時の勉強時間は平均8時間くらいでした。私にとっては、このくらいの時間が最も集中して継続的に取り組める限界の時間でした。

(2) 司法試験の過去問演習
 前述のとおり、司法試験の3か月前まで全くと言っていいほど過去問演習をしていなかったので、平成18年度から令和元年度の過去問をすべて検討することは難しいと考え、重要度が高い年度に絞って演習をしました。このとき、司法試験講師のサイトや合格者の先輩からの情報を頼りに絞りました。もっとも、受験生の大半は過去問を全年度一通り検討していることから、本番まで非常に不安でした。そのため、これから司法試験を受験する方には、なるべく過去問を全年度解かれることをお勧めします。
 司法試験の過去問を最初に解いたときは、2時間では終わりませんでした。どうやったら時間内に解き終わるかを考えたとき、どの論点を厚く書くか、この論点は数行で書き流すべきか等、答案の全体像を常にイメージしながら解き進めることが大切だと感じました。その全体像を掴むためには、ひたすら過去問演習をするしかないと思いました。

(3) 選択科目の学習
 選択科目は経済法でした。選んだ理由としては、覚える事項が少ないとの評判があったからです。いざ学習してみると確かに覚える事項は少ないのですが、条文選択を間違えると致命的になる点、あてはめ勝負な点に非常に恐さを感じました。
 対策としては、最初に基本書を1冊通読し、辰已の一冊だけで経済法で過去問を解き、辰已の選択科目集中答練でひたすら演習を行いました。特に選択科目集中答練は、非常に良いものでした。私は、審決やガイドラインを読む時間がなかったので、この答練で各条項の答案の型とあてはめの考慮要素を学びました。

4 受験対策(辰已講座の利用)

 私は、主にスタンダード論文答練、本試験過去問答練、選択科目集中答練を受講しました。
 まず、スタンダード論文答練は、採点項目が非常に細かく設定されており、答案の全体像を把握する訓練になったとともに、あてはめの意識を高めるために効果的でした。また、この答練で客観的な順位がわかるので、非常にいいモチベーションになりました。
 次に、本試験過去問答練は、主に過去問演習として使用しました。この答練は、模範答案があるだけでなく、本試験の再現答案も掲載されているので、その答案と自分の答案を比較しながら学習することができ、本試験の相場観を掴むことができました。
 最後に、選択科目集中答練は、経済法の演習として使用しました。この答練で、計16問解くことができ、各条項の書き方、あてはめの考慮要素を学ぶことができました。多くの受験生が、選択科目を実際に時間を計って解くということは、過去問演習以外であまりしないと思うので、16回の演習を行うことでかなり力がつくと同時に、周りとの差をつけることができると思います。

5 私がとっていた勉強方法

 私自身特別な勉強をしてきたわけではありません。重要なのは、理解を伴った暗記をして、それを愚直に繰り返すことだと思います。

6 私が使用した本(辰已の書籍)

 私は、主に短答過去問パーフェクト、実務基礎ハンドブック、一冊だけで経済法を使用しました。
 短答過去問パーフェクトは、正答率が載っていて、解けないといけない問題、解けなくてもいい問題を峻別することができ非常に役立ちました。また、解説も他の書籍に比べて、充実しており、肢を理解することに繋がりました。
 次に、実務基礎ハンドブックは、予備試験の口述試験の際に重宝しました。この教材は、手続きが簡潔かつ詳細にまとまっているので、暗記するにはもってこいでした。
 一冊だけで経済法は、経済法対策になくてはならないものでした。過去問の再現答案だけでなく、趣旨や規範も載っているので、これを軸に答案を書くようにしていました。

7 これから受験する人へのアドバイス

(1) 学部在学生・予備受験生へのアドバイス
 予備試験は難しい試験ですが、学習初期の段階からアウトプットを意識した学習をしていけば、合格がぐっと近づきます。学部在学生においては、サークル活動や飲み会など様々な誘惑があると思います。ときにはそのような息抜きも必要ですが、遊んでばかりでは合格しません。ですので、合格するんだという強い信念をもって勉強してください。結果はついてきます。

(2) 予備試験合格の司法試験受験生へのアドバイス
 予備試験に合格したからといって、司法試験を甘く見てはいけません。現に私は予備試験に合格したことで油断してしまい苦労しました。試験前の7月に受けた模試では、E判定でした。模試の判定を気にするなとはよく言われているものの、そのときは本気で落ち込みました。ですので、成績を気にして勉強に支障が出るくらいなら模試を受けないのも手だと思います。
 最後に、今年(令和2年)の予備試験合格者は、司法試験までの日数が例年より少ない状況です。ですので、私のこの3か月の選択と集中の軌跡は少しばかり参考になると信じています。司法試験の本番から逆算して教材や勉強時間を設定し、なるべく手を広げず集中的に勉強すれば必ず合格できると思います。頑張ってください。

辰已法律研究所 受講歴

【予備試験対策/2019年】
・予備試験スタンダード論文答練(第1・2クール)
・論文予想答練
・論文公開模試
・予備試験 総択
・短答完璧講座
・口述模試

【司法試験対策/2020年】
・スタンダード論文答練(第2クール)
・司法試験全国公開模試
・司法試験 総択
・本試験過去問答練
・選択科目集中答練
・司法試験Conditioning答練
・合格答案テンプレ講座

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