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淡々と勉強を続けていれば、
あなたにとっての最短合格はやがて訪れる

山本 陽平(仮名)さん
受験歴: 新試験1回
東京大学法学部第3類卒業
東京大学法科大学院 【既修】2021年入学
2021年予備試験合格
【受講歴】全国公開模試 他
予備試験ルート合格

1 司法試験の受験を決意した経緯

 私は東京大学法学部3年生の夏までは勉強以外の様々なこと(テニスの個人戦・団体戦、サークルの代表、プログラミングの学生団体、TOEFL、日米学生会議という学生団体への参加とそれに伴う渡米、5個のアルバイトなど)に打ち込んでおり、将来の進路はまだ何も決めていませんでした。3年生の夏に、それらが全て落ち着いた頃に、将来の進路を考え始めました。その時に、以下のことを考えました。

(1) 一般就職をする場合、どの業界のどの会社に入るかを決めなければならないことになります。しかし、業界・会社が無数にある現代において、自分が最も楽しめる業界・会社がどこなのかを正確に判断できる気がしないと思いました。仮に自分がどこかの会社に入ったとしても、「本当に自分の居場所はここで良いのか」「他の業界・他の会社の方がより充実した仕事ができるのではないか」という悩みが延々つきまとってしまいそうだと思いました。

(2) 法学部に進学していた以上、期末試験で法律の勉強を少しだけやっていました。その時に、法律学には、実社会にすぐに応用できる汎用性、論理性と価値判断の絶妙なバランスがあると感じており、それを少し面白いと感じていました。

(3) せっかく苦労して大学に入ったのに、勉強らしい勉強をすることなく、その他大勢と同じ就職活動をしてすぐに卒業してしまうのはもったいないと思いました。一度社会人になってしまったら、自分のやりたいことにたくさんの時間を割ける学生という身分は戻ってきません。そのため、何かしらの学問に打ち込んで資格という結果を残したいと考えました。

(4) 人とのコミュニケーションを大事にする仕事、自分の個性を活かして個人としても活躍できる仕事、自分の海外経験・英語力を活かして国際的な活躍のできる仕事、今後の人生のキャリアにおいて発展性・柔軟性がある仕事をしたいと漠然と考えていました。そのような中、弁護士という職業は、専門性・独立性が高くかつ幅広い分野において活躍のできる職業であって、自分の漠然とした将来の希望に合致するのではないかと考えました。

 以上のことから、司法試験受験を決意しました。

2 予備試験合格までの学習状況(法律学習)

 私は1年で予備試験に受かることを目指しました。その理由は以下の通りです。

(1) その年に受かろうと思ってもなかなか受かれないのが予備試験であると考えたため、合格目標年度は早く設定すればするほど良いと考えました。

(2) 1科目の基礎講座ばかり回していても効率は悪く、全ての科目をなるべく早く1周し、かつ、論文講座にも早めに手をつけるのが合格への近道だろうと考えました。
 そうだとすると、1年以内に基礎講座と論文講座を少なくとも1周はするべきであり、そうすれば1年以内に予備試験を何とか戦えるレベルにまでは到達できるのではないかと考えました。

(3) 大学3年生までの間で十分遊んだので、それ以上遊びたいとはあまり思わず、勉強のスイッチが入っていました。細切れで勉強していくとはかえって効率が悪いと思ったので、とにかく可処分時間を最大限使って勉強する覚悟でした。

 しかし、1年目の予備試験は論文で落ちました。800番台でした。敗因分析は以下の通りです。

(1) 民法・行政法・刑訴法などで典型論点とは言い難い論点が出たところ、勉強歴が長い受験生はそれなりにその論点を思い出してそれなりの規範を立ててそれなりの当てはめができていた。一方、自分はその論点を思い出せておらず、的外れなことを書いていた。
要するに、何が出題されても一定水準以上の答案は書けるという「懐の深さ」が足りていなかった。

(2) 問題文にとことん寄り添って、出題者が書いて欲しいと考えているであろう答案を書く、という姿勢が足りていなかった。(1)とも繋がるが、自分の知識にこじつけて答案を書いてしまっていたり、問題文中の事情を拾いきれていなかったりした。

(3) 判例知識が不足していた。予備校の論点集だけを学習対象とすると、それがどのような事案で顕在化する論点なのかが分からなかったり、有名判例が抱える論点を必ずしも網羅できていなかったりする。

 以上の分析を受けて、2年目は以下の学習をしました。

(1) 予備校の基礎講座は既に終えていたので、有名な基本書を読むことで、新たな視点で当該法律を見てみるということをしました。これにより、知識と知識が有機的に繋がったり、それまで腑に落ちていなかった所がスッキリしたりしました。「懐の深さ」を育てるのに役立ったと思います。

(2) 判例百選を読破しました。これにより、予備校で教わったあの論点はこの判例から出てきたのか、ということを知ることができました。そうすることで、判例を題材にした問題にすぐ気づけるようになったり、その論点が顕在化しやすい場面も掴めるようになったりしました。

(3) 予備校の論点集の全論点を確実に潰しました。その論点のポイントや顕在化する場面も含めてしっかりインプットしました。

3 予備試験合格後の学習状況(法律学習)

予備試験合格後〜司法試験までにやった学習は以下の2つです。

(1) とにかく司法試験過去問(2006~2021)を全て潰す。再度の出題に備える。

(2) 次に、全科目全体の復習をやり、新たな論点の出題に備える。特に直前期は、予備校の論点集を再度回して、論点落としをしないように備える。

4 受験対策① 辰已講座の利用方法とその成果

 辰已の模試はいつもクオリティが高く、お気に入りでした。
 辰已の模試のおかげで、本番同様の雰囲気に慣れてから本番に望むことができ、本番で普段通りの力を発揮できました。
 また、辰已の模試のおかげで、時間内に答案を書き切る筆力と感覚を養ってから本番に臨むことができました。この点は、勉強内容とは直接は関係しませんが本番では意外に大事な点です。
 特に予備試験の口述模試は群を抜いて辰已が良かったです。他の受験生が口述模試を受けているのを間近で見られる制度は秀逸だと思います。

5 受験対策② 私がやって成功した方法

 学習開始から一貫して、私はパソコンのwordファイルに一元化をしていました。その利点は以下の通りです。

(1) 紙に書くより疲れない。
(2) 「ctrl+f」を使った検索機能により、キーワードさえ上手く打ち込めれば、すぐに自分の探しているメモに辿り着ける。また、キーワードを考える作業自体良い復習になる。
(3) 紛失のリスクがない。
(4) いつでも綺麗に加筆修正できる。特に強調したい所は文字を大きくしたり色分けしたり囲ったりできる。
(5) ネットの情報を引用等する場合はコピペで足りる。

 これは、やってよかったです。

6 受験対策③ 私が使用した本

 辰已法律研究所の短答過去問パーフェクトは短答対策として愛用していました。
 解説が必要十分であり、非常に使いやすくオススメです。

7 これから受験する人へのアドバイス

<①予備試験受験生へのアドバイス>
(1) 全ての科目をなるべく早く1周しましょう。
 論文講座にも早めに手をつけるのが合格への近道です。
 合格の目標年度も早めに設定した方が後々のメンタルはラクになります。

(2) 何が出題されても一定水準以上の答案は書けるという「懐の深さ」を常に意識しましょう。

(3) 問題文にとことん寄り添って、出題者が書いて欲しいと考えているであろう答案を書く、という姿勢を忘れないでください。自分の知識にこじつけて答案を書いたり、問題文中の事情を拾いきらなかったりするのは駄目です。
 真面目に勉強してきた人ほど、自分が勉強してきた内容のほんの一部しか本番では使わなかった、と感じてしまうかもしれませんが、それで良いのです。
 各科目単位で見れば、ほんの一部しか出題されていないかもしれません。しかし、その年度の全科目を全体として見れば、やはり満遍なく出題されているはずです。あなたが淡々とたくさん勉強してきたことは、全体の成績としてちゃんと現れます。

(4) 論点を学習する際は、その論点の中核となる問題意識は何なのか・それがどのような事案で顕在化する論点なのか・それがどの判例に出てきて当該判例の射程はいかほどなのか、なども意識しましょう。論点を覚えても、それを幅広い事案に使いこなせないと意味がないです。

<②予備試験合格の司法試験受験生へのアドバイス>
(1) 司法試験の過去問をまずはしっかりやりましょう。少なくとも2013年〜直近年度はやるべきで、できれば2006年〜2012年もやるべきです。過去問の焼き直しが出た時に、その過去問をやっていた周りの受験生はちゃんと書けるが自分だけ書き負ける、という事態が生じるのが一番まずいです。

(2) 選択科目もしっかりやりましょう。人によっては、選択科目に一番時間をかけても良いと思います。選択科目での足切りは絶対に避けましょう。

(3) 短答で足切りを食らいそうな人は短答も早めにやっとくのが吉です。直前に焦って担当をやっても頭に入らないと思います。
 ただ、短答の足切りは皆が恐れるところなので、自分の感じる不安が本当に現実化し得るものなのか、模試などでしっかり見極めましょう。

辰已法律研究所 受講歴

【2022年対策】
・全国公開模試

【2020〜2021年対策】
・予備試験 論文公開模試

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