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【お知らせ】令和5年司法試験に落ち着いて臨んでいただくためにー辰已からのメッセージ

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公開日:2023年07月06日 更新日:2023年07月07日

「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」が令和5年7月13日(木)に施行されます。

この改正法の施行日が、まさに令和5年度司法試験の真っ最中のため、一部の受験生から受験前一週間を切ったこの時点でも、若干の混乱や不安の声が辰已に届いております。

辰已としては、受験生の皆さんに落ち着いて試験に臨んでいただくために本記事を掲載することにしました。どうか皆様、冷静に本試験へ臨んで下さい。

最初に問題の所在を端的に確認しておきましょう。

法務省公式サイトの令和5年司法試験Q&AのQ25に次のような記載があります。
「法令の改正があった場合も、原則として、試験日に施行されている法令に基づいて出題されます。」

つまり、「今回の司法試験の刑事系科目<7/15の論文試験刑事系および7/16の短答式試験刑事系>については、新法に基づいて出題される」ということです。

これが法務省の原則論です。したがって、もし今回の刑事系科目で改正法に関わる内容が出題されたとすれば(そのような出題が今回の特殊事態の中で適当な出題であるかの当否はともかくとして)、短答であれ論文であれ改正法で答えることが求められるという筋立てになります。

この点、辰已法律研究所として法務省に公式に問合せもしています。

法務省の回答は「試験時に施行されている法令に基づいて出題するというHP掲載情報以外は、出題に関わるものであるので、新法で解答するか旧法で解答するかなど、それ以上のことは回答できない。」というものでした。

この回答は出題者としてはしごく当然のものです。なぜなら、答え方によっては、新法・旧法いずれにせよ、回答することがそのまま出題の有無に直結してしまう可能性があるからです。

辰已法律研究所が出題者だったとしても、「お答えできません」と回答したでしょう。

法務省の回答が得られなかった以上、実際にどのような運営がなされるかは当日までわかりません。

以下、法務省HP記載及び法務省への電話確認に基づく【わかっていること】【辰已がもし司法試験を運営するならどう対応するか】を掲載いたします。直前期ですので、なるべく短くまとめています。
※裏付けなど詳しい根拠をお求めの方のために当ページ下段に【検証】を掲載しておきますが、時間がもったいないので、了解された方は閲覧ご無用です。

出題は「新法」に基づいて行われる。短答も論文も新法で答えるのが筋となります。

しかし、今回の事態の中で、わざわざ受験生に混乱をもたらすような新法と旧法で結論が異なるような出題をするかといえば、辰已法律研究所ならしません。

万が一出題する場合はどうするのか?もし、出題するのであれば、辰已法律研究所ならフォローは必須で、試験開始前の注意事項読み上げに際し、「新法」で解答するのか、「旧法」で解答するのかをアナウンスします。

問題は、論文試験時に配布される、司法試験用法文には「旧法」が掲載されているらしいことです。※根拠はページ下段【検証】参照

配布されている法文が旧法であるのに、新法に関わる論文問題を出題するということがあり得るのか?辰已が出題者なら、出題しません。

もし出題するのであれば、受験生に混乱が生じないよう、「新法」の法文を別の印刷物として配布してフォローすることでしょう。

なお、可能性はかなり低いと思いますが、本試験当日、もし「新法」の法文配布もなく、「新法」での出題がなされたら、その時は仕方ありません。筋立て通り、出題に合わせて、「新法」で解答するしかありません。

その場合の引用条文は?もし新法の別配布もなければ、止むを得ません。旧法であることを認識していることを明示して(例えば、手元にある司法試験用法文の条文番号を「旧法」と明示して引用)書くしかありません。うろ覚えの条文番号を書くのは危険です。

しかし、そこまでの混乱の生じることを押して、新法に関わる出題を現時点で司法試験委員会が行う可能性は極めて低いと考えます。

司法試験は1年に1回の、受験生の一生に関わる真剣勝負の試験です。受験生の皆さんに混乱が生じることのないよう、辰已法律研究所としては、法務省・司法試験委員会が受験生本位の対応をして下さることを強く期待する次第です。

なお、以上を踏まえるなら、改正部分については、直前期ですのでなるべく短時間でサクッと再度確認しておけばよいでしょう。

情報としては、以下に、辰已の法改正情報及び法務省のリンクを掲載しておきます。

皆様のご健闘・ご成功を心からお祈り申し上げます。
がんばれ司法試験受験生!

(辰已HP)【法改正情報】刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案
https://service.tatsumi.co.jp/special/35561/
(法務省HP)刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00198.html外部ウィンドウで開きます。

以下の【検証】は、辰已法律研究所としての以上の見解の根拠を明らかにするためのものです。不安がない方、不安が解消された方は、時間がもったいないので、お読みいただく必要はありません。

【検証】出題について

【結論】
今回の法改正が7月13日(木)に施行された場合、司法試験Q&Aによれば、新法で出題されることになります。

【理由】
令和5年司法試験に関するQ&Aには、以下のような記載があります。
https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/shiken_shinshihou_shikenqa.html

●●● 以下法務省HPより抜粋 ●●●

Q24 出題に係る法令には、基準はありますか?
A   原則として、司法試験が実施される日に施行されている法令に基づいて出題することとされています。
Q25 試験の近い時期に法令の改正があった場合、出題は、どの時点の法令に基づいてなされるのですか?
A   法令の改正があった場合も、原則として、試験日に施行されている法令に基づいて出題されます

●●● 抜粋の引用はここまで ●●●

以上の通り、Q24・25によれば、今回の法改正が7月13(木)に施行された場合、7月15日(土)の令和5年司法試験論文式試験刑事系科目、翌16日(日)実施の短答式試験は改正後の法令に基づいて出題されることになります。

【検証】司法試験用法文について

【結論】
今回の法改正が7月13日(木)に施行された場合、司法試験Q&Aによれば、司法試験用法文には、旧法が掲載されることになります。

【理由】
令和5年司法試験に関するQ&Aには、以下のような記載があります。
https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/shiken_shinshihou_shikenqa.html

●●● 以下法務省HPより抜粋 ●●●

Q30 令和5年司法試験用法文の登載法令は、どのようになりますか?
A   令和5年司法試験用法文の登載法令については、確定後速やかに、法務省ホームページに掲載して公表します。
    なお、司法試験用法文に参照条文は付されません。

Q31 改正法令等については、登載の基準はありますか?
A   原則として、令和5年1月1日現在において、既に公布され、かつ、試験日以前に施行されることが確定している法令が登載の対象となりますが、Q30のとおり登載法令について確定した結果は、法務省ホームページで公表します。

●●● 抜粋の引用はここまで ●●●

以上の通り、Q30・31によれば、法文は「令和5年1月1日現在において、既に公布され、かつ、試験日以前に施行されることが確定している法令」となります。
したがって、令和5年7月13日(木)に施行された法令は掲載されません。

【検証】出題法令と司法試験用法文のずれについて

今までの考察をまとめますと、①により「出題は新法」、②により「法文は旧法」となります。
この点の取り扱いについても、令和5年司法試験に関するQ&Aに記載があります。

令和5年司法試験に関するQ&Aには、以下のような記載があります。
https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/shiken_shinshihou_shikenqa.html

●●● 以下法務省HPより抜粋 ●●●

Q32 令和5年1月2日以降に公布された法令や試験日以前に施行されることが確定していない法令については、司法試験用法文に登載されないのであれば、出題に係る法令には該当しないのですか?
A  出題に係る法令については、原則として、Q24のとおり「司法試験が実施される日に施行されている法令に基づく」こととなりますので、司法試験用法文に登載する法令と取扱いが異なる場合があります。しかしながら、出題に係る法令について例外的取扱いを行うことを公表している場合には、法文も同様の取扱いとします。

●●● 抜粋の引用はここまで ●●●

以上の通り、Q32によれば、出題に係る法令と司法試験用法文に搭載する法律とは「取扱いが異なる場合があります」と明記されています。

【検証】法務省への確認

今回、施行予定日の7月13日(木)は、令和5年司法試験の真っ最中であり、受験生の皆さんにとっては非常に気になる点で、ご質問も寄せられました。
そのため、各種取り扱いにつき、辰已法律研究所より法務省に以下の質問をいたしました。

Q1 貸与される法文集は、旧法記載か新法記載か。
A  下記のように令和5年1月1日現在のものを掲載する。
   https://www.moj.go.jp/content/001390228.pdf

Q2 では、受験生は、旧法と新法のどちらで解答すればよいのか。
A  法文集には、令和5年1月1日現在のものが掲載される。試験時に施行されている法令に基づいて出題する。
  という法務省HP掲載情報以外は、出題に関わるものであるので、新法で解答するか旧法で解答するかなど、それ以上のことは回答できない

Q2については明確な回答を頂くことはできませんでしたが、要は法務省HP掲載情報に基づくということです。
そのため、当日の試験開始までに特段の指示がなければ、令和5年司法試験に関するQ&Aを原則として対応することが求められることになります。

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